親の不注意を横におき“企業に噛みつく”アメリカの親たち
大手企業P&Gの『Tide（タイド）』は売れ筋商品です。写真で見る限りこれがなんだかわかりにくいのですが、実はこれは洗濯用洗剤なのです。一昔前は顆粒の洗濯洗剤が主流でした。洗濯するときに洗濯機周りに顆粒洗剤が気をつけていても飛び散っていたり扱いにくかったことは確かですが、やがて洗濯洗剤は液体へ進化しスーパーやドラッグストアーでは液体洗剤が売り場を占めるようになりました。
洗濯洗剤はまだまだ進化を続けます。一回きりの小さなパッケージに分けられ、洗濯の際にポンと洗濯機に入れ込むだけです。これだったら不意に洗濯洗剤容器を倒しても、顆粒や液体があたりにまき散らされるアクシデントは起こらないですね、とても便利！
……と日本人なら割高な部分を除いては歓迎するとは思うのですが、アメリカではそれが不評なのです。幼児をもつお母さん方が、この洗濯洗剤を子どもが間違えて口にしてしまうと文句を言い始めているのです。アメリカ全米で毎日平均10件、ひどいときには一日で28件も事故が起こったそうです。アメリカでは消費者の声は絶対ですからこの事故を受けて販売元のP&Gは改善すると発表しましたが、未だに改善されていないとABCテレビの女性レポーターが報じます。
そこでハタ……と思うのですが、これってアメリカの母親の不注意であり、怠慢であり、あまり賢くないことを世間に知らせているだけのような気がしてならないのです。
この洗剤がキャンディーのように見えるので子どもが間違えて口にしてしまうと言うのがお母さん方の言い分ですが、子どもが口にするようなところに置いているのは親の判断ミスであり、これはP&Gの責任ではないと思います。洗濯機近くの大人が手を伸ばして届くような場所に保管しておけばいい話ですし、子どもが口に入れそうなものを子どものそばに置いていることが親として間違っていることを棚に上げて販売元のP&Gに商品を子どもが口にいれないようなものに変えよ！と言うのは、あまりにも身勝手ではないでしょうか。
愛する子どもの親ならばなぜ子どもが口にするような場所に洗剤を置いているかです。置いていないとしても子どもが探しても見つからない場所に保管すべきなのです。ああ、それなのにそれなのにアメリカの親たちは自分たちの親としての不注意を、企業に転嫁しようとするのでしょうか。
何かあると大手企業に改善を求める前に、大事な子どもを育てる親として自分たちの頭を成長させてほしいと思います。そうしないとそういう親に育てられた子どもたちは、きっと親と同じような行動をとるようになり、アメリカはさらに基準なき国になってしまうのではないかと懸念してしまうのです。
画像: tide pods『flickr from YAHOO!』
http://www.flickr.com/photos/mellibuns/6909700124/
- ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
- 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。