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佐藤秀峰の「『海猿』映画ポスター到着。」日記!

「第3回ネーム大賞」二次審査中の電子書籍サイト『漫画onWeb』!
漫画についてのあれこれをお届け致します。
今回は今夏映画公開記念!!
『海猿』にまつわる愛憎劇? を佐藤秀峰氏がポツリポツリと呟いております。
それでは、どうぞ~!

* * * * *

「海猿 BRAVE HEARTS」の映画ポスターが届きました!

公開は7月13日。

公開まで後1ヶ月を切りましたね。
まだ観ぬ映画への感想を求められることも増えてきました。
大ヒットを祈っております。

で、僕はこの映画の原作者ですが、例によって映画には一切関わっておりません。
試写会もご案内をいただいたのですが、辞退させていただきました。
映画は映画製作者の皆さんの作品ですし、映像の素人である僕が原作者の権限を振りかざして口出しをしても迷惑なだけかなぁ、と。
なので、いつものように公開を楽しみにしています。
公開したら劇場に足を運ぼうと思っている所です。

「原作者から見て、映画の内容にどのような感想をお持ちですか?」というようなご質問をよくいただくのですが、

これまでの映画に関して言えば、「すごいなぁ」と思う部分もあれば、正直、違和感を覚える部分もなくはありません。

でも、総じて映画を楽しんでいます。

僕が10年以上前に描いた作品が、映画という形で今も観客に愛され続けて、僕もちょっと周りに自慢できるし、お金ももらえますしね。
映画のテロップに自分の名前がクレジットされていると、なんかうれしいです。

そうそう、いただいたポスターも知り合いの飲食店の方から「お店に貼りたいから1枚ちょうだい」と言われて、僕からプロデューサーさんにお願いして分けてもらった物です。
10枚もらったので、10回ポスターを持っていろんなお店に飲みに行けます。
その度に「すごいですねー」って言ってもらえて楽しいですよね。

一応、僕はそんなスタンスです。

さて、今回の映画のエピソードの原作該当部分は、原作の最後のエピソードでもある飛行機事故を扱ったものとなっています。

当時、作品を連載していたヤングサンデーは編集長が交替し、
元少年サンデーの編集長がその座に納まると、雑誌の編集方針が少年誌的な健全路線に切り替わり、
それまで雑誌を支えてきた人気作や青年誌らしいダークな雰囲気の作品が次々と打ち切りになり、
代わりに良くも悪くも毒のない作品ばかりが連載開始になるという時期でした。

僕はヤングサンデーの前衛的で尖った部分が好きだったので、編集部への不信が少しずつ募っていました。
度胸星を打ち切りにするとか「アホか!」と。

その後は結果を見るまでもなく、次々と優秀な作家を他社に引き抜かれ、
ヤングサンデーは空洞化し休刊となってしまいました。
ヤングサンデーの人気作だけを引き継ぎ、良い所取りをしたはずのスピリッツも順調に発行部数を下げ、小学館随一の赤字雑誌のようです。

…って、蛇足でしたね。

「海猿」連載時の作品制作環境について言うと、そんな編集方針を反映してか、雑誌掲載時に台詞は勝手に替えられるし、人が死ぬシーンは描いてはいけないだとか、いろいろありました。

物語は展開上、夜間、飛行機が海上に着水することになっていたのですが、
ある時、打ち合わせの席で担当編集者に「暗い海上に飛行機を誘導するために、
近くの漁港から漁船が集結して海上を光で照らし出すシーンを描け」と言われました。

僕は「リアリティ的に考えて、何千、何万トンという鉄のかたまりが空から落ちてくる真下で漁船が待機するという状況は、二次災害を引き起こす可能性があるのであり得ないし、海上保安庁が避難命令を出している海域に漁船が立ち入ること自体、迷惑でしかない」ということを蕩々と説明したのですが、
「いや、その危険を返り見ず、”それでも!!”と漁師たちが集結するシーンが読者の感動を呼ぶのだ」とゴリ押しされまして、「いや、今の説明を聞いたら分かるでしょ…?現実的に無理なんですってば。着水地点なんてちょっとの操作で何十メートルかずれてしまうんですから…」と言い返しました。

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