新しい愛の形『PACS JAPON』

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フランス発、日本に住んでいる異性・同性カップルを対象とした“新しい愛の形”を提供するサイトが誕生しました。名前は『PACS JAPON』。10年ほど前からフランスに導入された事実婚制度である“PACS”よりサイト名を引用しているようです。この『PACS JAPON』では異性間・同性間双方のカップルが同社サイト内で事実婚契約を行うというサービスを提供しています。

現在日本では、結婚コンサルティングなどのようにパートナーを探すサービスを行なっている企業や、ブライダル関連の事業はありますが、『PACS JAPON』のように、既にパートナーがいて、二人で事実婚契約を登録するというスタイルのサービスは新しいものだと思いました。ここで事実婚契約したとしても国が認めているわけではないので、法的保護は得られないようです。曖昧な状態で過ごしている事実婚カップルや、結婚したいけれども何らかの事情でできないカップルに対し、客観的に事実婚契約をしているという“事実”を見られるようにするということを目的としてしていると思われます。

愛と自由の国といわれているフランスでは、約10年前にPACS制度という、実際は事実婚でありながらも、国が彼らの生活などを保護する制度が誕生しました。このPACS制度は同性愛者からの働きがきっかけとなり、制定されたそうなのですが、現在は異性のカップルも法定結婚と同様に選択肢の一つとして捉えており、PACS契約数全体の9割を占めているそうです。

異性間のカップルからも法定結婚の代わりとして支持され選択されてきた理由として、手続きが簡単でありながらも、生活保護は法定結婚同等のものが得られるという事があるようです。まずはPACS契約からスタートし、場合によっては法定結婚に移行するというステップを踏むカップルもいるようです。

また、PACS制度が誕生したことで、当初フランス国が抱えていた深刻な問題の一つである少子化に歯止めがかかり、出生率が2倍になったそうです。PACS制度が導入される以前は、出生率が約1%だったにも関わらず、たった10年で約2倍にふくらんでいます。これは、導入当時は予想されていないことだったと思われます。PACS制度はフランス政府に対し、素晴らしい貢献を果たしたことが伺えます。

南フランス周辺で、たくさんの子ども連れやカップルを目にしますが、どの顔もイキイキとした表情をしており、自然体で生活している様子が伺えます。PACS制度は事実婚でありながらも、国が生活を保証しているという安心感に加え、カップル同士が愛し合っているからこそ一緒に生活しているということとが相乗効果をもたらし、個人のみならず、フランス国をよりよいものに導いているように思います。

現在、日本ではフランスのPACS制度のように国が保証している法定結婚以外の契約はありませんが、もし、PACSのような事実婚制度が日本にも導入されたとしたら、フランス同様に少子化に歯止めがかけられ、国全体が潤う結果をもたらしてくれるのでは? と、期待せずにはいられません。

『PACS JAPON』のようにサービスを提供しつつ、事実婚普及活動を行なっている企業が現れたということは、日本でも事実婚が見直される時期にきているということを意味しているのかもしれないですね。

● PACS JAPON 公式サイト
http://pacs-japon.com/

● 一部写真提供
Rui Omelas, flickr
URL : http://www.flickr.com/photos/fotos_dos_ornelas/399241264/

※この記事はガジェ通ウェブライターの「ai」が執筆しました。あなたもウェブライターになって一緒に執筆しませんか?

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