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「“全力でやりきること”はどこでも使えるスキル」田中雅子さんインタビュー(3)

『20代で知っておきたい「仕事の基本」』著者の田中雅子さん

 せっかく社会人になったのに雑用ばかり。そんな毎日に飽き飽きしている若手社員もいるのではないでしょうか。
 しかし、どんな仕事でも100%の力を出し切ることが、30代、40代の仕事につながっていくと語るのは、ユニクロ(株式会社ファーストリテイリング)在社時代に「巻き込み仕事術」を実践して同社のV字回復の一翼を担い、現在は経営コンサルタントとして多方面で活躍をしている田中雅子さんです。
 田中さんの新刊『20代で知っておきたい「仕事の基本」』(学研パブリッシング/刊)は、そうした20代の仕事の基本を熱く語った一冊。今回は田中さんにインタビューを行い、仕事とは何か、自身の20代の頃の話などについて熱く語ってもらいました。3回に分けてお送りするインタビュー、今回は後編です。
(聞き手/金井元貴)

■目の前の仕事を全力でやっていれば、必ず行きつく場所がある

―「やりたいこと」を見つけるためにはどうすればいいのでしょうか。

「そもそも、やりたいことって分からないものだと思いますね。私もまだ自分のやりたいことが分かってないから(笑)」

―そうなのですか? それは意外な言葉です。

「そうなんです。よく分からない。プロゴルフ界の第一人者のジャンボ尾崎さんもかつてインタビューで言ってましたが、人生って旅みたいなもので、本当にやりたいことは分からないけれど、目の前のことをちゃんとやりきっていることで、流れ着く場所があると思うんですよ。逆に言えば、目の前のことから逃げてばかりだと流れていかない」

―つまり、前進しないということですね。

「そうです。進まない。そのときジャンボ尾崎さんが言っていて印象に残ったのが、ゴルフは自分に合うかどうかまだ分かっていない、ということ。でも、そのときの彼ってゴルフの世界ですごく活躍されていたんですよね」

―合うかどうか分からないけれど、一つ一つ課題をクリアしていくことで成功に近づいていった、と。

「たぶん、最終的にはゴルフをやっていて良かったと思われていると思いますが、もともとジャンボ尾崎さんはプロ野球の選手でしたし、その時点でゴルファーとしての大成功は見えていなかったはず。だから、今の自分はこれで合っているのか、それとも間違っているのかなんて、誰もが分からないんだと思います。
ほとんどのサラリーマンは自分のやりたい仕事をしていませんよ。私も管理系の仕事は本当にやりたくなかったですから。それに、その仕事が自分の性格に合っているかどうかと聞かれれば、合っていないでしょう。細かいことが苦手なので。でも、仕方ないんですよ。目の前にその仕事があれば、きっちりやるしかない。そうしていくと、苦手であっても、やっぱりだんだんと自分のスキルとして蓄えられていって、最後には自分の「強み」に変わるんですよね。
だから、自分がやりたいとかやりたくないとか、自分が合っているとかそうじゃないとかを仕事を選ぶ基準にしてしまうと、「根無し草」になってしまうと思いますよ」

―昨今、より競争が激しくなっているグローバル社会の中で10年後も生き残るために、今一番必要なことはなんだと思いますか?

「結局これも、目の前のことを、100%全力でやりきることですね。そして、成果にこだわることも大事。20代の自分の成果って、上司から見れば全くないようなものかも知れませんけれど、それだっていいんですよ」

―それは日本国内で働くときも、グローバルで働くときも関係ない。

「関係ないですね。先日、あるコンベンションに出席したのですが、そこにはアジア各国から若い人たちが集まっていて、もちろん日本人も出ていたんだけど、完全に中国人や韓国人に気合で呑まれていましたね。彼らはものすごく勢いがあり、何に対してもアグレッシブ。ガツガツ度が全然違う。日本人は『あれ、いたの?』みたいな存在感の薄い印象になっていて、もうそこの時点で負けているんだと思いました。
でもその反面、日本人は真面目にコツコツ取り組みますから、ある物事を極める力は世界最高峰なんです。その特性を極めていって、他のどこの国よりも質の高いアウトプットを出していければいいんですよね。ただ、今はそうした数少ない取り柄を磨くことさえも、怠っているような気がします」

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