大気からCO2だけを吸収する技術、カナダ企業がコスト大幅削減を実現

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ひっ迫している環境問題に対応しようと開発された、大気中の二酸化炭素(CO2)を吸収する技術Direct Air Capture(DAC)が、新たなステージを迎えた。

これまで高コストのために実用的でないとされていたが、カナダ企業Carbon Engineeringが、試験プラントでコスト大幅削減を実現できたと明らかにした。

・従来の6分の1

Carbon Engineeringによると、1トンのCO2を大気中から取り出すコストを100ドル以下にすることができたという。これは、従来600ドルとされてきたことを考えるとかなりの削減になる。

DACの技術そのものは目新しいものではないが、高コストであることがネックだった。しかしそのコストを抑えられるとなれば、実用化に弾みがつく。

・CO2の燃料化も

同社はマイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏がサポートしていることでも知られている。

同社がとる具体的手法は、大気をファンで取り込み、特殊な液体に接触させることで二酸化炭素を取り出すというもの。2009年からDACに取り組んでいて、カナダのブリティッシュ・コロンビア州に試験プラントを設置して実験を行ってきた。

しかも、CO2を大気中から取り出すだけではなく、取り出したCO2と、再生可能エネルギーで取り出された水素を組み合わせて液体燃料をつくる技術も開発している。

つまり、二酸化炭素をエネルギーとして活用するという、これまでにない発想で、今後は、「Air to Fuels」と銘打ってDACと燃料製造を両輪とした事業展開を想定しているという。

Carbon Engineering

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