ブロックチェーン先進国のマルタ、住民データ管理システムの社会実装に乗り出す!
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ブロックチェーンの利活用が世界的に進むなか、住民データをブロックチェーンに載せる動きが出てきている。
2017年9月からの実証実験を順調に進めているのは、地中海にある島国マルタだ。
同国は世界最大の仮想通貨取引所、Binanceが移転先として選択したことが示すように、ブロックチェーン活用に関して積極的なスタンスをとっている。
ブロックチェーンによるインフラ実装のロールモデルともなり得るマルタの取り組みについて見ていこう。
・証明書をブロックチェーンで管理
人口40万人という小規模国家であるマルタは、ブロックチェーンシステムの試行にちょうどよいスケールといえる。もっとも、実証実験中の現段階においては、ブロックチェーンにデータが載せられているのは一部の国民のみだ。プロジェクト終了予定の8月に、政府からのゴーサインが出れば、システムの規模を拡大して運用される予定となっている。
住民データをブロックチェーンに載せるという世界初の試みを請け負ったのは、ニューヨークに本社を置くLearning Machine Technologiesだ。
プロジェクトでは、高等教育、公務員訓練、職業訓練に登録した人にブロックチェーン上で証明書を発行。就職や昇進などで活用でき、取引記録もタイムスタンプつきで残る仕組み。
・データへのアクセスはアプリで安全に
同システムは、ブロックチェーンベースの証明書のオープンスタンダードである「Blockcerts」を採用し、登録者はアプリによってデータにアクセスするための暗号化キーを管理している。ブロックチェーン上で各種証明書を発行する利点は、改ざん不能な記録が恒久的に残るため、個人の経歴へのアクセスがしやすくなること。
これにより、個人の信頼を蓄積したり経歴を証明したりが簡単になり、反対に裏口入社や経歴詐称といった不正は困難になる。
また、システム運営事業者や国家が消滅したり国籍がなくなったりしても、ブロックチェーン上の記録は生き続けるため、移民の多い地域では特に需要が大きいと考えられる。
今回の実証実験を皮切りに、マルタがブロックチェーンの活用を国民の資産記録や健康記録などにもにも展開していくとすれば、これに続く国家も表れるだろう。
参照元:Malta Pilots Blockchain-Based Credentials Program/IEEE Spectrum
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ウェブサイト: https://techable.jp/
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