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映画クロスレビュー:『リメンバー・ミー』ガジェ通記者が100%で嗚咽! 「重いテーマなのに軽やか、誰もが感情移入出来る大傑作」

リメンバー・ミー

3月16日より公開となる映画『リメンバー・ミー』。本記事にネタバレはございませんが、この映画、絶対ネタバレしちゃいけない超重要ポイントがいくつかあります。なので、観る前に色々見ない様に気をつけて! ガジェット通信との約束だよ!

【ストーリー】
主人公は、ミュージシャンを夢見る、ギターの天才少年ミゲル。しかし、厳格な《家族の掟》によって、ギターを弾くどころか音楽を聴くことすら禁じられていた…。ある日、ミゲルは古い家族写真をきっかけに、自分のひいひいおじいちゃんが伝説のミュージシャン、デラクルスではないかと推測。彼のお墓に忍び込み美しいギターを手にした、その瞬間──先祖たちが暮らす“死者の国”に迷い込んでしまった!

監督:リー・アンクリッチ 共同監督:エイドリアン・モリーナ
製作総指揮:ジョン・ラセター
音楽:マイケル・ジアッキーノ
歌曲:ロバート&クリステン・アンダーソン・ロペス

ミゲル:アンソニー・ゴンサレス/石橋陽彩
ヘクター:ガエル・ガルシア・ベルナル/藤木直人
イメルダ:アランナ・ウバック/松雪泰子

日本版エンドソング:「リメンバー・ミー」(シシド・カフカfeat.東京スカパラダイスオーケストラ)

http://www.disney.co.jp/movie/remember-me.html

(C)2018 Disney/Pixar. All Rights Reserved.

リメンバー・ミー

“重い”はずのテーマを丁寧に軽やかに描いた、語り継がれるべき傑作

物語は全編通じて音楽大好きな主人公ミゲル君の視点を通して描かれるのですが、しょっぱなからのミゲル君への抑圧がすごいです。「え、この作品って家族がテーマのひとつだよね?」と、つい、思い返してしまうほどにミゲル君は好きな事をさせてもらえないです。

「夢の足かせになる家族ってどうなのよ!!」って憤慨するほど感情移入してました(そんなことないんですけどね)。

そしてミゲル君、色々あって“死者の国”へ足を踏み入れるのですが、「人は死んだらどうなる?」っていう問いに対する“答え”があります。メキシコと日本の違いはあれど、死生観はきっと万国共通なのだろうな、という納得の描き方をしています。

ちなみに僕、ここまで淡々と書いていますが、死者の国の全景が出たときに圧倒されてその画に泣いてました(笑)。かなり序盤ですが。

想う人があればあるだけ、説得力が(2倍、3倍ではなく)2乗、3乗に増していくタイトルだったと確信しています。間違いのない傑作です。

【プロフィール】オサダコウジ
写真撮影、被写体(スチル・動画)、記者などできる限りなんでも、体張る人。ミゲルに見た目がそっくりな息子がいるので、鑑賞中ずっとハラハラしていた。

リメンバー・ミー

顔も知らない先祖と、きっとどこかでつながっている

観て「面白かったなー」と思う映画は数あれど、「もう一度観たいか?」と考えるとその数は減る。さらに「人生で何度でも観たいか?」と考えると格段に減る。そのハードルを、『リメンバー・ミー』は軽やかに越えてきた。人生で何度でも観たい、一年に一度は必ず観たい、そんな映画だった。特にお盆の時期になんて観たら、いつもの墓参りでボロボロと泣き崩れてしまうかもしれない。

死者の国で描かれる死者の生活。本当の意味で“死ぬ”というのはどういうことなのか。『リメンバー・ミー』はそういった一見重いテーマをさらりと描いていて、死を茶化すこともなく、逆に説教臭いメッセージを押し付けてくることもなく、どんな世代でも楽しめる物語にしていることが偉大だ。先祖の“死”に向き合わせることで、自分の“生”にも自然と目を向けさせてくれる。

面識のある祖父祖母のことは知っていても、さらにその祖父祖母ともなると顔も名前も分からない。私はそうだったが、同じ人は少なくないんじゃないだろうか。しかしそんなフンワリとしか認識していなかった先祖でも、あなたの趣味嗜好や価値観に影響を与えている可能性は大いにあるのだ。たとえもし、今生きている家族にあなたの理解者がいなかったとしてもね。それってとてもあたたかいつながりだと思う。

顔も知らない先祖と、きっとどこかでつながっている。子どもも大人も、全年齢のすべての人におすすめしたい。なぜならみんな、誰かから生まれて、あなたとつながっている人がたくさんいるんだから。

【プロフィール】レイナス
デザイナーと記者の二足のわらじ。ふだんはホラー通信(http://horror2.jp/)で洋画ホラーの記事ばかり書いています。

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実は今年は“ピクサーイヤー”! その幕開けを大傑作でお会計してー!

なんでも先日のアカデミー賞でジョン・カビラさんが、ネタバレ発言でお会計しちゃったとかしていないとかでおなじみの『リメンバー・ミー』。ここのところの他作品の興行収入的なことやジョン・ラセターのこと、初期の<ココばあちゃんのバラード>のようなディズニー邦題警察がハンズアップ! と言い出しそうなネガな話題もいくつかあったが、そのふべてを吹き飛ばすほどの大傑作をありがとうありがとう。さすがはピクサー、トンデモないクオリティーに舌を巻く春。

脳内ロケハンも兼ねてリサーチをしっかりする同社だけあって、メキシコの死者の日という固有の文化をモチーフに、メキシコ人以外でも、誰でも感情移入できる普通のストーリーに仕上げるための、説得力いっぱいの情報収集力がまずすごい。それ以前にもともとはロペス夫妻が先に作っていたという「リメンバー・ミー」という曲が前提であって、それを軸に世界観を広げたということも衝撃の事実でしょう。それはもうダブルEGOTにもなりますよね。この曲はテンポを変調するだけで、楽しい曲になったり悲しい曲になったり恐ろしい完成度で金輪際、ロペス夫妻に足を向けて寝られません。

で、実はですね、世界のディズニーパークスに目を向けると、あちこちでピクサー関連の新プログラムがスタート。カリフォルニアのパークでは「ピクサー・フェスト」と題したイベントが始まり、 ディズニーランド・パークのプロジェクションマッピングには 『リメンバー・ミー』が今春登場。フロリダのパークでも「INCREDIBLE SUMMER」というマッチョなイベントが始まり、サマーシーズンには トイ・ストーリーランドが大完成! トイ・ストーリーランドは4月に上海ディズニーランド・リゾートにも完成するので、今年は誰が何と言おうと、まさしく“ピクサーイヤー”なのである。

その幕開けを祝祭感いっぱいの『リメンバー・ミー』でお祝いですよ。アメリカではとっくに公開が終わっていますが、ここへ来てアカデミー賞を受けての日本でも大公開! “ピクサーイヤー”の幕開けを、大傑作からお会計してー!

【プロフィール】ときたたかし
映画とディズニー・パークスが専門のフリーライター。「映画生活(現:ぴあ映画生活)」の初代編集長を経て、現在は年間延べ250人ほどの俳優・監督へのインタビューと、世界のディズニーリゾートを追いまくる日々。

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