体験を伝える―『ガジェット通信』の考え方

面白いものを探しにいこう 本物を体験し体感しよう 会いたい人に会いに行こう 見たことのないものを見に行こう そしてそれをやわらかくみんなに伝えよう [→ガジェ通についてもっと詳しく] [→ガジェット通信フロアについて]

宝くじの悲劇!? 「年末ジャンボ1億円当選男」最悪の顛末 – 第2回 –

宝くじの悲劇!? 「年末ジャンボ1億円当選男」最悪の顛末 – 第1回 – はこちら
http://getnews.jp/archives/2009467

当選金である1億円を受け取るために、2週間後に家族連れで再びみずほ銀行大阪支店の応接室へ出向いた西田春夫さん(仮名・56歳)は、担当者と支店長、警備員が見守られる中で、テーブルの上に置かれた10個のビニール袋の札束を眺めてるだけだった。
この後、彼に降り注ぐ不幸の雨とは?

初めての敵は、他ならぬ兄弟

札束と一緒に記念写真でも撮ろうと思っとったんですけどね、写ルンですのシャッターすら押せんかったですね。
その場で銀行側に指示したのは、1億円のうちの5千万円をみずほ銀行に預けて、残りの2千万円をローンの全額返済に回し、3千万円は引き出しやすいように地元の地方銀行に入金してもらったんですわ。

それからは、みずほ銀行側から粗品が入った大きな袋を5つと、今までの人生で聞いたこともない『高額当選証明書』というものを手渡されました。

「西田さん、高級車や不動産物件をいきなり買ってしまうと、脱税を疑った税務署が来ることがあります。宝くじは非課税なので、そんなときにはこの証明書のコピーを提出してください」
「は、はぁ、そんなことあるんですか?」
「ええ、けっこうあるんですよ」

この証明書のおかげですぐに脱税の誤解が解けた当選者はかなり多いらしいです。

しばらく、目立たないようにしれぇ~っと過ごそうと思っとたんですけど、やっぱりいいことがあると人間は性格が激変するもんです。

仕事をしていても、そりの合わない上司のひと言を聞き流すことができる、嫌なお客さんのクレームにも腹が立たない、どちらかと言えば、もうみんなのことが“可哀想な人”に見えてくるんですわ。「はぁ~余裕がないんやね」という感覚で受け流せるゆとりがある。

まぁほんわかした気持ちのままで、年末恒例の自分の母親と4人の兄弟と一緒に行く家族旅行の時期を迎えました。
今までいろいろと世話になってきた親兄弟にだけは高額当選のことを伝えておこうと、ほろ酔いのまま、宴会の席で発表したんです。

「この度、サマージャンボ宝くじで1億円当選しました!」
「……」

兄弟は、徳利とお猪口を手に石像みたいに固まってしもうてね。母親は驚きのあまり、心臓マヒで死にそうになっとりました。僕が酔った勢いでそんな冗談を言うはずがないとみんな知っているんです。

「よ~やった! おまえはやる男やと思うとった!」

そのうち拍手が起こり、春夫コールが響きました。気を良くした僕は、このときの贅沢旅行を全額支払ったりましたわ。もうねぇ、今からしたらアホですわ。兄弟は本当に祝福してくれていると思ってたんやからね。

そのあと、兄弟間がギクシャクしはじめたのは言うまでもありません。
旅行から帰って、次の年を迎えたころ、兄弟からの金の無心がはじまったんですわ。

脅しをかけてくるように無心してきたのは、一番上の兄でした。長引く不況の中で、建設業をしてきた兄の台所は火の車だったようです。初めは、100万円、次は200万円、400万円、800万円と倍々ゲームで無心してくる額が増えていきました。合計で1,000万強。さすがに、次に融通するのは断りましたね。すると、

1 2次のページ
  • 誤字を発見した方はこちらからご連絡ください。
  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちらから
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。