ウーマンラッシュアワーがお笑い番組で披露したガチの政治風刺漫才が大反響
これほどガチの政治風刺漫才をゴールデンタイムのお笑い番組に放り込んでくるなんて、日本のお笑い芸人にも気骨のあるやつがいるじゃないか!
17日夜にフジテレビ系で放送された『THE MANZAI 2017』の中で、吉本興業所属のお笑いコンビ・ウーマンラッシュアワーが政治風刺漫才を披露したことが、好感を持って迎えられている。
“嫌いな芸人ランキング”で1位に選ばれたり、出身地である福井県の知名度が低いといった村本の自虐風自己紹介から始まった同番組での彼らの漫才は、福井周辺の狭い地域に原発が4基もあることに触れたのをきっかけに、次第に政治風刺色の濃いものに。
例えば、“都民ファースト”を謳って希望の党を作っておきながら選挙で負けそうになると代表を降りてしまった小池百合子東京都知事を「自分ファースト」とこき下ろしたり、沖縄の米軍基地問題に絡めて「アメリカに“思いやり予算”をくれてやる前に沖縄に思いやりを持て」と主張したり、熊本と東北の震災被災地に絡めて「1500億円で新国立競技場を建てる前に被災地に仮設住宅を建てろ」と注文を付けてみたり。
そして最後は、被災地の復興や原発、沖縄の基地、北朝鮮のミサイルなどの重要問題を差し置いて、テレビでは議員や芸能人の不倫などのどうでもいいニュースばかり取り上げられていることについて、
村本大輔:それらは本当に大事なニュースか?
中川パラダイス:表面的な問題
村本:でもなぜそれがニュースになる?
中川:数字が取れるから
村本:なぜ数字が取れる?
中川:それを見たい人がたくさんいるから
村本:だから本当に危機を感じないといけないのは?
中川:被災地の問題よりも
村本:原発問題よりも
中川:基地の問題よりも
村本:北朝鮮問題よりも
中川:国民の意識の低さ!
と早口でまくし立てるいつものスタイルで締めくくった。さらに村本はテレビカメラを指差して、「お前たちのことだ!」とお茶の間の視聴者に語りかけた。
若い女性中心のスタジオ観覧者たちも若干引いているように感じられたこのガチの政治風刺漫才は、放送直後からネットで大きな反響を呼んだ。現政権批判ともとれる内容だったが、「面白いかどうかは別として芸人は本来こういう漫才をすべきだと思う」「好きな芸人ではないがこれを地上波でやったことがすごい」「客がだんだんこれ笑っていいのかみたいになってたところが一番面白かった」など、概ね好意的にとらえられているようだ。中には「この程度の風刺が話題になっていることが怖い。日本はいつから物が言えない社会になった」といった意見も。
以前からテレビ業界批判をしてきた村本だったが、今回、ゴールデンタイムのお笑い番組にテレビ業界批判・政治批判を放り込んできたことで、彼の“覚悟”だけはしっかりお茶の間に届いたようだ。
画像引用:吉本興業公式サイトより
https://profile.yoshimoto.co.jp/talent/detail?id=2850[リンク]
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