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コスプレのお仕事はアニメ「進撃の巨人」から広まった!?―コスプレ専門会社を設立した雅南ユイさんにインタビュー

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 この数年でコンパニオンやモデル・ステージ出演などにおいて、企業から対価をもらい仕事として活動するコスプレイヤーが増えました。いつから増えたのか、気になるギャラ事情、著作権問題について、コスプレ専門会社「ONIGIRI Plus」を設立した雅南ユイさんに語ってもらいました。

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自分を救ってくれたコスプレの魅力を世界に伝えたくて会社を設立

(写真撮影:日本コスプレ通信)

 若い時代は引きこもりがちでしたが、コスプレを通して友達が増えたことで救われました。同じ苦しみを抱える人達にコスプレの魅力を伝えたくて、それなら個人よりも会社という大きな組織にした方が発信する力が強くなると考えたのがきっかけです。それと、基本的に趣味としてやるのがコスプレですが、コスプレの著作権のグレーゾーンの交通整理も後押しできればと思い会社を設立しました。

 作品キャラクターのコスプレの衣装・コスプレ写真集・ROM等を許可なく販売するといった活動は、その作品の版権を持つ企業側からみると、「無断で版権を2次利用している人達」と捉えられます。

 私もそれまで、個人的なお付き合いで企業ブースやステージに呼ばれることはありましたが、盛り上げて欲しいという反面「あくまで遊びに来るだけ」「仕事ではない」と担当者に念を押された時期もありましたね。著作権の問題で、権利者の許可なく金銭を発生させると問題になるため申し訳ありませんと言われたことが何度もありました。

 せっかく発信力があるコスプレなのにもったいない。グレーゾーンの交通整理をして、企業にプロモーション効果があると伝えたいと強く思いました。タッグを組むことで日本のコンテンツを、世界に発信できる新しい仕組み作りがしたかったのです。

コスプレイヤーはSNSへの発信力が強い

 設立当初は同じようなコスプレ会社が周りになかったので、営業をしてもなかなかコスプレが業種のひとつだということを認識していただけず、「コスプレの会社って何? 怪しい!」といったご意見もありました。宴会芸のコンパニオン派遣業だと思われることもあり、何をする会社なのか理解していただくのに苦労しました。今と違ってコスプレはただの趣味だと思われていた時代です。お仕事を任せていただけるという信用・信頼はまだ多くは得ていませんでした。
 
 転機は「アニメジャパン」の前身にあたるイベント「アニメ コンテンツ エキスポ2013」でした。「弊社のブースのコンパニオンを、御社のコスプレイヤーに任せたい」と言ってくださったのが、なんとアニメ「進撃の巨人」の企業ブース担当の方でした。放送開始前とあってヒットするか未知数のコンテンツだったからこそ、いただけたチャンスだと思います。その後、アニメ「進撃の巨人」が大ヒットしたことで「ONIGIRI Plus」の存在も「何だか面白いことをやっている会社があるぞ」と業界に周知されていきました。

 コスプレイヤーは自分のコスプレ姿を写真に作品として残す事が大好きですし、撮られることを得意としてSNSへの発信力もすごくあります。加えて、作品を研究してそのキャラクターになりきろうとするコスプレイヤーならではの努力が、クライアントに大きく魅力を感じて頂いたポイントでした。「アニメ コンテンツ エキスポ2013」以降、コスプレ会社が増えたと感じています。

企業もTwitterのフォロワー数だけで評価しなくなってきた

 コスプレイヤーの割合は圧倒的に女性が多いです。弊社でも登録している9割は女性です。キャスティングは、登録しているコスプレイヤーの中から、条件に合致する子をまず社内で書類選考し、その後候補者の中からクライアントに選考していただきます。近年はSNSの普及により自身でタレント活動をするコスプレイヤーも増えたので、発信力に比例してギャラも全体的には上がっていますね。基本は日当程度、Twitterのフォロワー数が多いタレントレベルなら数万以上ですかね。時には名指しで出演依頼をされる子もおります。

 これまでクライアントの求める条件の中には、SNSでの拡散力が大きなウエイトを占めていました。日本ですとおもにTwitterのフォロワー数ですね。それが変わり始めています。今だとエンゲージメント率とか、その子がどういった種類のフォロワーを持っているかを重要視してきています。あとはSNS炎上を避けたいと思う企業が多く、その子がツイートしている発言内容や写真における肌の露出具合も見ます。衣装画像での露出具合に関しては一般的な水着程度なら問題ないと寛容的な方向にはなってきておりますが、もちろん一概にそうとは言えません。クライアントによって異なります。

 弊社でもキャスティングは、フォロワー数だけを見て決めないよう心がけています。その子にやる気があるかどうか、自分の感情をどれくらいコントロールできるかも見ています。本当によい子でも、キャラクターに合っているか、今回の依頼で実力を出し切れるかなど総合的に判断してリストアップしております。

コスプレは副業でやりたい子がほとんど

 この数年でギャランティーを頂いて仕事をするコスプレイヤーは増えました。それでもコスプレだけで生計を立てている子はまだまだ少ないのが現状です。仕事現場となるPRイベント自体がおもに週末に開催しているため、毎日・毎週お仕事ができるとは限りません。
 
 逆にプロのコスプレイヤーとして不規則で不安定な業界に専念するのは不安と感じ、あくまで副業としてやりたいという子が多いですね。コスプレイヤーに限った事ではないですが、昨今はSHOWROOMやYouTubeなど、自らが配信できるツールも増えて、芸能活動が気軽に始められる時代ですから。自分を応援してくれるファンと、自分をサポートしてくれるメンバーで、自由に楽しみながら自分を表現することが重要視されている傾向があると感じています。

これまで以上に著作権が重要になるコスプレ界

(写真撮影:日本コスプレ通信)

 「ONIGIRI Plus」の影響もあってか、既存の作品キャラクターではない、独自で考えたオリジナル衣装のコスプレでメディアに出たり、オリジナルコスプレでの写真集やROMを販売したりする子が増えましたね。コスプレイヤーと企業のタイアップが増えた今だからこそ、著作権の問題はより重要になってきております。色んな種類の著作権が入り乱れているコスプレ業界ですので、とても複雑で大変な部分がありますが、今後もより慎重な取り組みが必要と考えております。

 私も知的財産権の資格を持っており、ファッションの知的財産権について解説する『ファッションロー』(2017年9月刊行)で、コスプレに関する項の取材協力をさせていただきました。この本には弁護士の先生が考えた「コスプレでステージ出演する際の許諾書提案」などが掲載されています。こういった革新の積み重ねで、輝きを増していくコスプレという文化。その一端を担って、コスプレイヤー達の楽しみ方を広げていくお手伝いができるのはとても楽しく嬉しいことです。楽しいコスプレが世界中に広がりますように願いながら今日も頑張ります。

<雅南ユイ – 株式会社ONIGIRI Plus>
コスプレイヤーモデル業の黎明期である2012年3月に設立。登録しているコスプレイヤーは400人近く、国内外問わず依頼があり、多数のコスプレイヤーを送り込んでいます。
コスプレイベントのプロモーション企画制作とコスプレイヤーのキャスティングの他、イベント運営も行っており、12月1〜3日の間、幕張メッセで開催される世界最大級のポップカルチャーイベント「東京コミコン」ではコスプレセクション/アーティストアレイセクションを担当します。

画像提供:雅南ユイ – 株式会社ONIGIRI Plus

東京コミコン2017

東京コミコン http://tokyocomiccon.jp/

<コミコン>
シェル・ドルフ氏を中心に1970年から続くポップカルチャーイベント。「コミコン」は毎年7月上旬にアメリカのサンディエゴで開催され、アメコミだけでなく、海外コミック、アニメ、ゲーム、映画とジャンルも拡大し、 13万人が集まる大イベントに発展。フランス、イギリス、台湾など世界中で開催されるようになりました。

<東京コミコン>
「スパイダーマン」や「X-メン」の原作を手がけたスタン・リーと、アップル共同創業者の一人スティーブ・ウォズニアックによって開催されたポップカルチャーとテクノロジーが融合した「シリコンバレー・コミコン」に由来。ウォズニアックが提唱した「東京コミコン」は、山東昭子参議院議員が名誉実行委員会長を務め、スタン・リーを名誉親善大使として招聘し、2016年に初開催されました。これまでのコミック・映画・アニメーション・ゲームイベントにはなかった革新性と楽しさをあわせ持つ日米ポップカルチャーの祭典です。

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(執筆者: 日本コスプレ通信) ※あなたもガジェット通信で文章を執筆してみませんか

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