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プロレスラー俳優法則探訪:「デカくなくても需要はある法則」ロディ・パイパー

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 プロレス出身俳優としてご紹介してきたアンドレ・ザ・ジャイアント、ロバート・マイエ、ネイサン・ジョーンズ、パット・ローチといった顔ぶれは、いずれもひと目で見て一般人よりも身体が大きい方々。

 とはいえプロレスラー全てがデカイ人なハズもなく、”ちょっとマッチョな普通の人?”くらいのタイプもいるワケです。
 その中でやたら出演作が多いのが、”ラウディ”ロディ・パイパー。スコットランド系カナダ人であり、スコットランドの伝統衣装であるタータンチェックのキルト(スカート)がトレードマーク。

パイパーの現役全盛期にあたる80年代の米プロレス界において、183cm、103kgというサイズは小さい方。当然、スター選手の相手役が関の山で、実況解説やインタビュアーなど選手以外の仕事もこなすことに。
しかし、その経験を活かす形で、当時まだマネージャーの担っていた”お喋り役”を自ら担当。

さらにWWF所属時に「パイパーズ・ピット」というトークコーナーで抗争相手に罵詈雑言を浴びせ、試合に持ち込む流れが十八番となり、ヒールでありながら人気爆発。その後ベビーフェイスにターン(転身)するという、今現在のWWEでも見られる現象を時代に先駆けて実現しました。

 そのトークスキルが俳優への道となったのか、当コラムの初期にご紹介したカルト作品『ゼイリブ』(1988)で主演を務めたのを機に本格進出。
この『ゼイリブ』でのイメージから90年代はバディアクションへの出演が多く、千葉真一御大と組んだ94年の『リゾート・トゥ・キル』や、「ビリーズブートキャンプ」で日本でも時の人となるビリー・ブランクス(実はアクション俳優!)主演作では2作品に渡り相棒を歴任(※)しました。

また、TV映画・劇場未公開映画等の低予算作品に加え、TV版の『ハイランダー』『ロボコップ』などを含めてドラマ畑での数々のゲスト出演をこなしています。
身体は変に大き過ぎず、アクションも出来て、喋らせれば色も出せて、適度なネームバリューもある。作品を邪魔しない程度に味付けをしたい製作側にはちょうど良かったのかもしれません。

選手としてセミリタイアした2000年代以降は、プロレス出身俳優の枠に囚われない役柄も増えていきます。

ハリポタもどきの『レジェンド・オブ・ダンジョン』では主人公の師匠となる魔法使いオヤジを好演。
2012年のヒューマンドラマ作『Clear Lake』(国内未配給)では、事故で妻を死なせ、自らは障害の残る身体となり、介護する息子との関係に悩む父親役という難しい役柄にも挑戦しました。

役者としての可能性を広げ、これからという2015年に急逝したパイパー御大。確かにロック様やバティスタ兄貴のように大作出演は果たせなかったけれども、2m級の巨躯ではないからこそ多くの作品に起用されたともいえます……その多くがポンコツ作品だとしても!

パイパー御大が”普通サイズのレスラー”達に俳優転向の可能性を示したことは最大限評価されるべきだと声を大にして訴えたい筆者なのでした。

(文/シングウヤスアキ)

※コンビ2作目となる『ビリー’s Gun & Fight!』(1995)はブーム当時の2007年国内発売のため、吹替においてはブーム当時によく聞いたフレーズが盛り込まれており、隊長のキックシーンの度に原語版にない、「コンバットキーックッ!」なる掛け声が炸裂。まさにビクトリーな吹替版になっております。

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