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TVアニメ『3月のライオン』川本ひなた役・花澤香菜インタビュー 「ひなたの正義感や温かさに寄り添って演じてます」

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NHK総合で2017年10月14日より放送されている羽海野チカ先生原作『3月のライオン』。第2シリーズでは、川本家の次女・ひなたの学校でいじめが起き、クラスの雰囲気が悪くなっていき、それにひなたも巻き込まれていくというエピソードが展開されています。

ガジェット通信では、ひなた役の花澤香菜さんへのインタビューに成功。ひなたが直面する問題や主人公・桐山零との関係が少しずつ変わってきていること、第2シリーズの見どころなどをお聞きすることができました。

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ーー『3月のライオン』、第1シリーズが終わってアフレコが半年空いたというお話ですが、ひなたというキャラクターをまた演じてみての率直な感想からお願いします。

花澤香菜(以下、花澤):現場の雰囲気はすでに第1シリーズでできあがっていたので、久しぶりのアフレコでも、意外と普通にひなたになれました。多分、作品の持つ雰囲気のおかげでアフレコ現場にはいつもまったりとした空気が流れているので、その感じで普通に入れたのかな、と。

ーー第2シリーズでは、ひなたのクラスのいじめ問題が出てきて、第1シリーズとは違った展開も見せています。

花澤:ご覧になった方は結構衝撃を受けると思います。この現場では、役者にすごく気を遣ってくださっていて、泣くシーンの本番は一発録りで収録しました。なので、わーっと感情をさらけ出すように、集中力を高めていくことができるんです。第1シリーズでお母さんのことを思い出してひなたちゃんがひとりでわんわん悲しい涙を流す時があったんですけど、第2シリーズの涙は悔し涙なんです。その悔し涙が、見ていてすごく勇気をもらえるというか、ただ悲しくはならないぞっていう彼女の正義感や、持っている温かさとかそういうものが見ているみんなをちゃんと引っ張っていってくれるんだなって。そういうところはしっかり彼女に寄り添って演じなきゃな、と思いながらやってます。

ーー第2シリーズではひなたの新しい魅力が描かれていると思いますが、花澤さんが演じてみてどう感じていますか?

花澤:かっこいいんですよね。いろいろ精神的に参っている部分はあるんですけど、自分の思うことは絶対に間違ってないという、そういう思いは絶対に折れないところがすごく頼もしいし、かっこいいなと思います。もともと人のことをよく見ている思いやりのある子ではあるんですけど、この第2シリーズでは一気にかっこよさが増した気がします。

ーー花澤さんが感じている「かっこよさ」は、どういったあたりになりますか?

花澤:負けないところですかね。怒ってるんですよね、いろんな人に対してひなたちゃんが。だから「かっこよく演じよう」というより、あふれ出してくる怒りやもどかしさをちゃんと表現したい、と思って演じています。

ーー実際、ひなたが学校で大変な目に遭っていて、それでも負けないという気持ちが表れているのはどこだと思いましたか?

花澤:「後悔なんてしない」って言うシーンですね。零ちゃんもあのセリフに救われたような気がしたって言ってましたけど、自分もああいうふうにありたいなとすごく思わされます。

ーーひなたが取った行動で、「すごい!」という場面はありましたか?

花澤:黒板にひなたちゃんのことが書かれていて、それを先生が見て「なんなのこれは」となり、ひなたちゃんが「私は知りません、私が来たら書いてありました」って堂々と言うところに、「ここじゃ終われない」という強い意思みたいなものが出ていたような気がして、そこはかっこいいし、すごい子だなと思いました。

ーー自分がひなただとしたならば、「同じようなことできるかな」と考えたことは?

花澤:ひなたちゃんの「ここで逃げたら大人になってからも後悔しそうな気がする」って、すごく響くセリフだと思います。でもひなたちゃんはまだ中学生なんですよね。私自身は、中学生のとき、友達関係で悩むということはあまりなかったんですけど、自分のことで悩んでたなって。「こんなのでいいのかな」とか「もっと変わりたいな」とか、うじうじしていた中学時代を送っていた気がします。だから、果たして自分がひなたちゃんと同じような立場になったときに逃げずにいられるかというと、自信がないです。自信がないけど、ひなたちゃんを演じた後だと何だか勇気が湧いてくる気がして、「今ならできるかも」とも思ったりします。

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ーー第2シリーズに入ってからは、零とひなたの距離が縮まっていくエピソードが多いと思います。

花澤:零ちゃんとの関係性だと、第1シリーズの時にひなたちゃんが思いを寄せていた高橋くんの話で盛り上がったときに、すごく打ち解けた感じがしています。そこから彼女に起こる大変な展開を零ちゃんが支えてくれる、というふうになって、彼に結構弱いところも見せられるようになったんですよね。そこは心の距離が縮まっている感じがするなと思いながら演じています。あまり強がってないというか、彼の前でわんわん泣けるようになっていますよね。

ーーひなたのことを零が「できることはなんだろう」と自問自答しながら接しているところも印象的です。

花澤:本当に自分ができることを全力で考えてくれている感じがしていて、ひなたの気持ちが分かるからこそ、将棋の何手先も読める零ちゃんだから、あらゆる手を考えてやってくれている部分があると思うんです。ひなたちゃんとしては絶対に、零ちゃんがいてくれるだけでとても励みになると思います。なんとかしてくれようとしている姿がものすごくうれしいし、心が温まるんじゃないかなと思います。

ーーそういったひなたの零を見る目が少し変化したことを、どう表現したいと考えていますか?

花澤:ひなたちゃん自身は、ちゃんと頼れるひとりの男の子として零ちゃんを認識していると思うので、時々零ちゃんと話しているときにふとすごく優しい顔をしたりするんです。そういうときの息遣いとか雰囲気が表現できたらいいな、と思っています。

ーー花澤さんにとって、零とひなたの関係が「変わったな」というセリフを挙げるとすれば?

花澤:第2シリーズでひなたちゃんが鼻血を出して仰向けになっているシーンがあって、その流れで「バカーッッ」って言うんです。今までの流れだと同じようなセリフがあっても、仲のいい、近所のほっとけないお兄ちゃんっていう感じで、「バカ」っていうセリフでもそうですし、「いらっしゃい」っていう台詞でもただただ「うれしい、来てくれた」っていう気持ちだったと思うんです。でも第2シリーズからは、元気がない時は元気なく「いらっしゃい」って言えちゃうような感じとか、「バカ」っていうセリフを言いながらも「ありがとう」って気持ちがあったり、セリフにこめられた意味が増えたなと思います。

ーー監督や音響監督から、演じる上でアドバイスがありましたか?

花澤:「こういうふうに演じてください」というようなことは最初からなかったです。でも例えば悔し泣きのシーンでは、原作だと顔をぐっしゃぐしゃにして、何も隠さず鼻水だらだら流して泣いてるシーンなので、「もっと崩して表現してくれていいよ」とディレクションされました。

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ーー学校で起こったことを回想するシーンもあります。演じていていかがでしたか?

花澤:第2シリーズになってからひなたちゃんのモノローグが増えて、どういうふうに気持ちを乗せるか、難しいこともあって……。ひなたちゃんは普段すごく明るくて元気、というしゃべり方をするんですけど、モノローグは多分彼女の本当の部分というか、割と落ち着いているんですよね。だからやっぱりセリフとは違うトーンで演じています。でも、セリフにしてもモノローグにしても、自然な感情の流れで出てくる言葉なので、あまり構えたりということはなかったです。

ーーひなたに限らず、作中での印象的なセリフは?

花澤:ひなたちゃんが初めて家族にいじめのことを打ち明けたときに、おじいちゃんが「よくやった」って言ってくれるんです。そこは本当にみんなが救われるというか、グッと心に刺さる、思わず涙が出てしまうような温かいセリフだったなと思います。実際にひなたちゃんは泣くので、私も一緒になって泣いていました。また千葉(繁)さんの芝居が本当に素敵なんです。

ーーひなたに起こったことは、零にとっても川本家にとっても一大事だと思います。

花澤:そうですね、あかりさんは特に、このような事態が初めてのことだと思うんですよね。なのでどういう声をかけたらいいのか悩んでいたりとか、でもいつも通りでいようとしてくれたりとか。モモちゃんも心配してくれたりして、でも彼女がいてくれるだけで和んだりするので、癒やされます。あとはやっぱり零ちゃんが本当に彼女のためにいろいろ考えて行動してくれたりするので、そこも見どころだなと思います。

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ーーご自身の学生時代を振り返ってがひなたと「似ているな」と感じることはありましたか?

花澤:私は小中と割と平和な学生時代を送っていて、いじめがなかったんです。ただ、原作の中にもありますけど、誰がどのぐらいの大きさで笑っていいか決められてるような感じがするっていう、見えない階級があるんだというのを感じ始めたのが中学生くらいの時で。やっと大学生になって「いいじゃん、いろんな人がいても」と、解き放たれた気がしました。ひなたちゃんの学校だけじゃないと思うんですけど、ああいうちょっと嫌な雰囲気、正しいことを正しいと言えない雰囲気があるのは分かります。あとは個人的に悔しいことがあったり、怒っていることがあったりするとめそめそするのではなくて家で「ムキーッ」って怒るタイプなので、そこは似ているかもしれません(笑)。

ーーひなたを演じる上で気にかけていることがあれば教えて下さい。

花澤:原作にも描かれていない、教室にいて言いづらい空気感とかを含めて、「いろいろなことがあったんだろうな」と想像しながら演じています。私はひなたちゃんのことを考えてそばに寄り添っていることで、1番近くで応援できるような気がしているので、ご覧になっている皆さんに、彼女の勇気に応援されるような気持ちで、ひなたちゃんのことを見てもらえたらいいな、と思います。

ーー第2シリーズは見る側もハラハラするシリアスなシーンも多いと思います。最後に花澤さんが考える見どころを教えて下さい。

花澤:ひなたちゃんの学校に関するエピソードは、テーマ自体はすごく重たいもので、話し始めると過去に自分が通ってきた道だったり、「この時はこうすればよかったな」とか、いろんなことが思い出されるんですけど、ひなたちゃんを見ていると「もっとやっていいんだよ!」と頑張れっていう気持ちにさせてくれるんですよね。だからこれからの話数もあまり身構えずに、ひなたちゃんには支えてくれる人も周りにたくさんいるし、ところどころにクスっとしてしまうような温かいシーンもたくさんあるので、いろいろあるけれども変わらずに見ていただけると嬉しいな、と思います。

TVアニメ『3月のライオン』公式サイト
http://3lion-anime.com/ [リンク]

(c)羽海野チカ・白泉社/「3月のライオン」アニメ製作委員会

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記者:

乙女男子。2004年よりブログ『Parsleyの「添え物は添え物らしく」』を運営し、社会・カルチャー・ネット情報など幅広いテーマを縦横無尽に執筆する傍ら、ライターとしても様々なメディアで活動中。好物はホットケーキと女性ファッション誌。

ウェブサイト: http://yaplog.jp/parsleymood/

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