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芸術の秋、イヤミスの秋! イヤ〜な気分になるのに面白いミステリー映画7選

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蒼井優、阿部サダヲW主演『彼女がその名を知らない鳥たち』が10月28日(土)より全国ロードショーとなります。メガホンを取るのは『凶悪』(13)、『日本で一番悪い奴ら』(16)の白石和彌監督。ノンフィクションを原作に骨太な社会派エンターテイメントを作り出してきた彼が、初めて本格的な大人のラブストーリーに挑みます。

W主演の蒼井優、阿部サダヲの二人に加え、松坂桃李、竹野内豊といった実力確かな豪華俳優陣が織りなす“全員最低なのにまぎれもない愛の物語”が描かれる本作。蒼井優演じるクレーマーで自分勝手な女・十和子や、阿部サダヲ演じる不潔で下劣、そのうえ十和子に異様な執着を見せる男・陣治、松坂桃李演じる一見誠実そうな風貌ながらとにかく薄っぺらな水島、竹野内豊演じる十和子の昔の恋人であり、自身の出世や保身のためなら女を道具に使うことも厭わない黒崎と、全員共感度0なクズなキャラクターたちばかりです。

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本作の原作は“イヤミスの女王”とも呼ばれる沼田まほかるの、20 万部を超える人気ミステリー小説「彼女がその名を知らない鳥たち」が。“共感度0%・不快度100%”の思い切りイヤ~な気持ちにさせられながらも、ラブストーリーに夢を見られなくなった大人の女性たちに「究極の愛とは何か」と突きつける“まぎれもない愛の物語”が描かれています。

昨今、女性を中心に巷を賑わし一つのジャンルとしても確立したと言えるのが“見るとイヤ~な気持ちになるミステリー=イヤミス”。人間の心の奥底に潜む悪意、嫉妬、悲哀など様々な負の感情を浮かび上がらせる展開は後味が悪く、気が滅入り、胸がむかむかする、と少しばかり悪趣味にも感じますが、最後には幸せをも描きハッピーエンドの定義を揺るがしてしまうほどの衝撃をもたらす結末が待つ物語も数多く、あくまでフィクションだからこそ、忖度を大事にしがちなこの世の中で生活を送っている私たちにある種の解放感を感じさせてくれるのかもしれません。

今回は『彼女がその名を知らない鳥たち』と合わせて観たいイヤミスの傑作を邦画・洋画からピックアップしてみました。

『告白』 (2010年) 
とある中学校の教師が、生徒たちの前で静かに語りだした衝撃の“告白”。少年犯罪、イジメ、家庭内暴力、胸をえぐるような真実と復讐、とイヤミスのすべてを備えた過激な内容を強烈な描写で描くという、日本にこのジャンルそのものを浸透させたと言っても過言ではない1本。湊かなえの原作小説は2009年本屋大賞受賞、そして中島哲也監督・松たか子主演による実写化となったこの作品は、第34回日本アカデミー賞で最優秀作品賞をはじめ4冠を達成、さらに口コミにより公開4週目まで毎週動員を増やすという異例の推移を見せ最終興収38.5億円という大ヒットという記録づくめとなった、イヤミス映画ブームの先駆け的な存在です。

『ゴーン・ガール』 (2014年)
アカデミー賞の常連であるデヴィッド・フィンチャー監督、ベン・アフレック主演、製作にリース・ウィザースプーンという豪華陣容で製作されたハリウッド作品。突然姿を消した妻と、悲劇のヒーローとなった夫、さらに激化する報道と世論によって、人間同士の不信感、夫婦関係の在り方、次々と明らかになる不穏な事実などが複雑に絡み合う極上のミステリーが展開。日本独特のジメついた雰囲気が一つの大きな特徴とも言えるイヤミスですが、本作のように、米・ハリウッドでも完成度の高いイヤミス作品が高い評価を獲得しており、本作は全米ランキングでも10週連続トップ10を記録し大きな話題をさらいました。

『白ゆき姫殺人事件』(2014年)
『告白』の湊かなえ原作。長野県の森の中惨殺されたOL。彼女は社内外で評判の美人であり、生前の写真が公開されたことでマスメディア、ネットを巻き込み「白ゆき姫殺人事件」として騒がれていく。そんな中、被害者と同じ会社に勤め不気味な噂もある同僚の女を世間は勝手に犯人扱いしていくが……。不確定情報をもとに好き勝手なことを言うマスコミと、間違った情報が簡単に拡散してしまうインターネットの不気味さ、人間の恐ろしさをシニカルに描いたミステリー。

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記者:

映画・アニメ・美容に興味津々な女ライター。猫と男性声優が好きです。

ウェブサイト: https://twitter.com/ZOKU_F

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