アカウント凍結騒動・規約変更…… 『Twitter』の見解と残る課題

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2017年8月から主にイラストレーター・漫画家の『Twitter』アカウントが凍結される事態が頻発。中には仕事に影響があるというユーザーの声も上がっています。また、2017年10月2日に発効する規約変更も発表されており、とりわけ「本サービス上のコンテンツ」に「提供されるコンテンツは、他の人たちと共有して差し支えのないものに限定してください」と記されていることが憶測を呼んでいます。

『Twitter』の広報によると、アカウントの一時的な利用制限や凍結は「Twitterルールに基いて行われています。Twitterのシステムで検知したもの、報告を頂戴したものは担当チームのレビューに通され、アクションをとる、とらないが決められます。報告を頂戴したものも、自動化で検知されたものも、人間の目でレビューを行います。日本語に関するものは日本を担当している日本人または日本語に精通しているものがひとつひとつ行っています」といい、「たくさんの報告を受けているからそのまま凍結するということはありません」と断言。ただ一方で「凍結されたアカウントの持ち主の方が想定されているツイートではないツイートがひっかかっている場合もあると思います。(社として)ミュニケーション方法にも考慮の余地があるのではないかと話し合っています」と不備により凍結される事態があることや課題があることも認めています。

さらに、「露出が多めだったり、医療処理場面などの過激な画像が含まれる場合は、『アカウント設定』の『プライバシーとセキュリティ』にある『ツイートする画像/動画を不適切な内容を含むものとして設定する』をチェックすると、『不適切と思われる画像を表示しない』をオンにしているユーザーには画像が表示されなくなります」として、他ユーザーによる行き過ぎた報告を回避できる可能性があることも示しました。

今回の凍結の頻発を受けて、『Twitter』では公式アカウント(@TwitterJP)で次のような呼びかけツイートを出しています。

絵師さんをはじめ、Twitterにはさまざまなクリエイターの方々による作品が数多く存在します。Twitterはクリエイターの方々の著作権を尊重しています。

また、「絵師さんたちのアカウントの件は社員にとっても身近な話」として、「絵師さんと呼ばれる方々にかかわらず、クリエイターに対して作品ができるだけ多くの方々の目に触れることができるようにモーメントの形にして共有したり、コミックマーケットなどのツイートをサポートしたり、中立の立場を踏み外すことがないようにしながらサポートしています」といい、著作権への討論があったことを受けてそのポリシーや『Twitter』ルールのアナウンスを行って、その認知に努めていると強調。

2017年10月からの規約変更については、「今回の変更は規約をできるだけ明確にしたいという意図でのマイナーチェンジ」として、「公開の場であるにもかかわらず、プライベートなものを共有されてしまったり、著作権に疑問があるものを出してしまう場合もあります」といい、「他の人たちと共有して差し支えのないコンテンツ」という一文を加えたと説明しました。

「『Twitter』に多くの方々の作品が存在することはプラットフォームとしてありがたい限りです。クリエイター方々にもご利用いただくためには、安心して作品を披露いただける、著作権を尊重する場にすることが大切だと考えています」として、アカウント凍結もあくまでルールに従って行っているという一方で、「アカウントが乗っ取りまたはハッキングされた可能性が見られる場合に、安全のために一時凍結することがあります」というケースもあるとのこと。この場合、ログインしたときに電話番号かメールアドレスの確認が求められ、入力すればそのまま通常通り使えます。

今回の絵師を中心とした凍結騒ぎに限らず、「膨大な量を人間が処理しているため、なんらかの間違いがないとは限りません」と認めた『Twitter』。その場合は申し立てをする窓口を用意しているので、凍結や利用制限に遭った時は諦めずに解除の連絡をするのが良いでしょう。

しかし、ルールを悪用した報告に対する判断によって今回のような大量の凍結が起こってしまったのは事実。個別のケースがどのような理由でそのような措置が取られたのか、情報が公開されることが求められるのではないでしょうか。

著作権に関するポリシー(Twitterヘルプセンター)
https://support.twitter.com/articles/20170402 [リンク]

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ふじいりょう

乙女男子。2004年よりブログ『Parsleyの「添え物は添え物らしく」』を運営し、社会・カルチャー・ネット情報など幅広いテーマを縦横無尽に執筆する傍ら、ライターとしても様々なメディアで活動中。好物はホットケーキと女性ファッション誌。

ウェブサイト: https://note.com/parsleymood

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