先に聖地を作った横須賀市 アニメ「ハイスクール・フリート」コラボ 横須賀市出身コスプレイヤーがリポート 

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神奈川県横須賀市で開催されている「ハイスクール・フリート」福引でハッピー!の取材に、8月7日行ってきました。こちらは、2016年4月にBS11やTOKYO MXなどで放送されたアニメ「ハイスクール・フリート」と舞台になった横須賀市のコラボイベントです。

市内の飲食店34店舗には作中のアニメキャラの等身大パネルが置かれており、買いものをした際に「はいふり福引券ください」(キーワード)を伝えると、金額に応じて福引券と福引補助券がもらえます。こちらを集めることで、非売品オリジナルグッズが当たる抽選会に参加できます。4月から始まった抽選会も残すはあと1回。12月9日が最後となっています。

今では「聖地巡礼」という言葉が広く浸透し、アニメの舞台になった市町村は、ファンを呼び込むコラボイベントを開催するようになりました。その中でも横須賀市と「ハイスクール・フリート」のコラボが盛り上がっていると聞きます。やはりアニメのシーンで街の様子が沢山出てきたからだと思っていたら、少し違うようです。

「今日は私が大好きな横須賀の街と福引のコラボを案内しますね」

横須賀の街を案内してくれるのは、横須賀出身の人気コスプレイヤーのカモミールさん(@chamomi017)。そ、そのコスプレは!? 「ハイスクール・フリート」の宗谷ましろちゃんじゃないですか!

「ハイスクール・フリート」は国土の大半が海中に沈み、海洋大国として発展した日本が舞台。海上都市が増えた日本では、海を守るために働く職業「ブルーマーメイド」と呼ばれる女性達がいました。作中ではブルーマーメイドを夢見て、横須賀の海洋高校に入学した女子生徒たちの活躍が描かれています。そういえば、物語の舞台はほとんど海の上なので、横須賀の街の様子がたくさん出てくるわけではありませんよね。

真夏の炎天下の中を軽い足取りで歩いて行くカモミールさん。同行してくれる横須賀市役所の方も笑顔です。くわしい事情はあとでお聞きすることにして、コラボイベントをやっている34店舗の中から、カモミールさんがとくにおすすめの5店舗を紹介します。

さかくら総本家/五十六

横須賀市若松町3-18/TEL:046-823-0875/定休日:元旦/営業時間:9:00~18:00

京急線横須賀中央駅のすぐ近くにあるこちらでは、作中に出てくるプリンやどら焼きを販売。さらに店主のご好意で土日祭日は5階のフロアをファンの交流の場として開放。市内を回らずとも全キャラのパネルが並べられて見れるほか、ファンが寄贈したグッズも展示されています。すでに聖地巡礼をした方がこれから聖地巡礼する方にアドバイスをするなど、まずはここに来れば安心だと言われるほどファンの間では親しまれています。

YOKOSUKA Shell/知名 もえか

横須賀市本町1-9/TEL:046-876-5467/定休日:無休/営業時間:11:30~24:00

こちらは横須賀の3大グルメ「よこすか海軍カレー」「ヨコスカネイビーバーガー」「ヨコスカチェリーチーズケーキ」が全て味わえる市内でも数少ないお店です。居酒屋としても豊富なドリンクメニューを揃え、各種宴会コースもご用意。毎月ライブイベントも企画しているそうです。

ハニービー/青木 百々

横須賀市本町2-1本町ビル1階・地下1階/TEL:046-825-9096/定休日:無休/営業時間:11:30~23:30(23:00L.O.)

こちらはアメリカ料理のお店。アメリカンサイズのビッグなハンバーガーが食べられます。かなり大きいので、通常サイズのハンバーガーをイメージしていると驚くかもしれません。でも食べる時は思いっきりかぶりつきたい欲求があります。

MIKASA CAFE/ヴィルヘルミーナ

横須賀市本町3-33-3/TEL:046-822-3857/定休日:不定休/営業時間:9:00~19:00

オシャレな外観のこちらの店はドブ板通りの入り口にあります。コーヒーやティーを始め、各種フルーツジュースも揃えたカフェでありながら、海上自衛隊から認定を受けた「海上自衛隊カレー」など本格的な料理も味わえます。

ハングリーズ/和住 媛萌

(横須賀市本町3-31 ベイスクエアよこすか2番館2階/TEL:046-824-3812/定休日:不定休/営業時間:11:00~22:00)

こちらはドブ板通りを出た京急線汐入駅の近くにある横須賀の老舗レストラン。「よこすか海軍カレー」のボリュームの大きさに驚かされます。さらには、ご当地グルメの「よこすか海軍カレー」「ヨコスカネイビーバーガー」「ヨコスカチェリーチーズケーキ」の三種盛りセットが食べられます。

横須賀三大グルメ

こちらが横須賀三大グルメです。YOKOSUKA Shellで食べました。なんといっても横須賀はカレーの発信地。「よこすか海軍カレー」は明治期の日本海軍レシピを元に当時の味を忠実に再現しています。マイルドな味わいで鶏肉が柔らかくて美味しい。「ヨコスカネイビーバーガー」は米海軍横須賀基地がレシピを提供してくれた本場のアメリカンハンバーガー。100%牛肉でジューシー、ケチャップやマスタードなどでお好みの味付けができます。同じく米海軍横須賀基地がプロデュースした「ヨコスカチェリーチーズケーキ」はとにかくチーズが濃厚。日米友好の象徴でもあるチェリーは、一緒に食べるとほのかな酸味がアクセントになります。

横須賀市観光企画課に話を聞きました

お店巡りが終わったので話は最初に戻ります。作中の舞台は海の上が中心なのに、どうして聖地巡礼でこんなにも盛り上がっているのでしょうか? その答えは横須賀市の観光企画課の職員が教えてくれました。

開口一番、「『ハイスクール・フリート』は放送前の2015年の夏頃にアニメ制作会社から、横須賀が舞台のアニメを作るという旨のお電話を頂いたんです」と驚きの言葉が。横須賀はアニメ放送前から市内にコラボポスターを展開し、先行上映も横須賀市にある世界三大記念艦「三笠」の中でやるなど積極的にプロモーションをしかけたそうです。2016年4月1日にはエイプリルフールにちなんだ、横須賀海上保安部とのタイアップが話題になったので知っている方も多いと思います。

「確かにアニメの舞台は海上都市なのですが、聖地が足りなければ作ろうということになりました」の言葉どおり動き出します。アニメ放送終了後の2016年7月には、市内の飲食店で食事をすると缶バッジがもらえるコラボイベントを開催。アニメのシーンに登場した場所にスマフォをかざすとアニメキャラの写真が撮れる「舞台めぐり」と連動し、市内の飲食店それぞれに34体のキャラ等身大パネルを設置しました。「ハイスクール・フリート」ファンが入りやすい店の目印となることが狙いです。

この時の34店舗の飲食店は、その後の2016年9月のグルメスタンプラリー、今回の福引と継続してコラボしています。最初のコラボで訪れたファンとの交流をきっかけに、店主たちも「ハイスクール・フリート」を観るようになり、今ではコラボをやっていなくても来てくれるほどファンと仲良くなった店もあるそうです。

アニメが終わった後もファンに来てもらうための試みは、「ハイスクール・フリート」とのコラボに限らず、公式アニメによる様々な催しや、コスプレイヤー、痛車を呼び込んだ「ヨコカル祭」というハロウィンイベント開催にまで広がりました。昨年のヨコカル祭はおよそ13500人もの来場者があったそうです。市は経済効果やSNSを通じた周知効果に手応えを感じていて、今後も継続していきたいとのこと。ちなみにカモミールさんは、ヨコカル祭で二年連続でメインビジュアルモデルをやっています。すげー!

「こうした試みをアニメ監督も面白いと思ってくれたようで、実際に店舗を回って見てくれました。今年の5月に発売されたOVAでは、さかくらを始め、市内の店舗も出てくるんです」と、作った聖地がアニメに逆輸入されるという驚きの展開に。聖地が無ければ作ればいい……恐るべし。

猿島

<猿島インフォメーション>

問い合わせ先:046-825-7144(トライアングル)
乗船料:大人1,300円 小人650円
猿島公園入園料 15歳以上(中学生を除く)200円 小・中学生100円
定休日:3~11月:毎日運航 12~2月:土日祝のみ運航

「ここが猿島ですよ」とカモミールさんに連れられて、三笠公園から船で10分ほどで着いた猿島。積み上げられたレンガや天然の苔が美しいこの島は、市内の人気観光スポットの一つです。島を周回するだけで楽しいのですが、浜辺ではバーべキュー、夏の海開きの時期には海水浴も楽しめます。

猿島なんだから猿がいるはず。せっかくだから写真を撮りたいと思ったのですが、「それずっと帰れなくなるやつです」とカモミールさんに首を横に振られました。どうやら猿島に猿はいないようです。いないの? 猿島なのに? 名前の由来は大昔に海で遭難しかけた日蓮上人を、船の上に現れた白い猿がこの島に導いたことから来ているそうです。

世界三大記念艦「三笠」

<世界三大記念艦「三笠」インフォメーション>

観覧時間:4月〜9月 9:00〜17:30/3月・10月 9:00〜17:00/11月〜2月 9:00〜16:30
観覧料金:一般600円 65歳以上500円 高校生300円 小・中学生無料 障がい者200円(介護者2人まで)
休艦日:12月28日から31日

最後は三笠公園に戻って世界三大記念艦「三笠」にやって来ました。ここで「ハイスクール・フリート」の先行放映会や公開ラジオ録音などが行われたのです。艦内では三笠の紹介映像が見れるビデオ室や、ジオラマ模型の展示など、一日中居ても楽しめます。

さらに三笠艦内では日露戦争中にあったバルチック艦隊との海戦がVRで体験できます。最近導入されたばかりなので、カモミールさんに体験してもらいました。「わー!」とカモミールさんが驚きの声を上げます。そんなにすごいの? 居ても立ってもいられず、筆者も隣の席でゴーグルを装着。目の前にVRの世界が広がります。すごい! いつまでも観ていたい! 最近はどこでも評判が良いVRはすごかったです。こんなに夢中にさせてくれる横須賀、素晴らしい。

取材協力:横須賀市、(株)トライアングル、公益財団法人 三笠保存会
撮影:日本コスプレ通信
※商店街や各飲食店、猿島、三笠での撮影は、特別な許可を頂いた上でしております。

(C)AAS/海上安全整備局

【リンク】
「ハイスクール・フリート」公式HP(http://hai-furi.com/)
「横須賀×ハイスクール・フリート福引でハッピー!」HP(http://www.cocoyoko.net/event/hsf-fukubiki.html)

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(執筆者: 日本コスプレ通信) ※あなたもガジェット通信で文章を執筆してみませんか

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