【実写アリ】予約殺到! Nikonの渾身モデル『D850』は「何でも写る」
100周年を迎えたNikonから『D850』の発売が発表されました。2017年9月8日発売予定のこのモデル、予約殺到しているため発売日までの生産が一部間に合わないとの情報も出ています。
旗艦モデルにしてボディの予想価格は36万円~40万円、人気の特徴はその「高水準なバランス」です。
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「高水準なバランス」について説明するにあたり、まずはD800シリーズの変遷を振り返ってみましょう。
『D800』シリーズとは
『D800』は3600万画素(7360×4912ピクセル)の高画素、高解像度モデルとして2012年3月に登場しました。本機種のISO感度は100-6400、連射は約4コマ/秒というスペックでした。
『D800』には画質を極限まで追求するためローパスフィルターを無くしたモデル『D800E』も登場しました。『D800』には「より高画素、高解像度で精細に撮影できる」というのコンセプトがあったと推測できます。
つまり『D800』は当初「ものすごく細かく撮影できる、潤沢な光が用意された環境でより力を発揮するタイプのカメラ」という認識でした。これはスタジオ撮影やポートレート、風景写真などに強い中判カメラのイメージに近いと言えるでしょう。
ところでデジタルカメラのセンサーは画素が増えれば増えるほどノイズに弱くなるという特性があります。また、画像サイズは大きくなるほど処理にかかる時間も増えます。そうなると当然、連射には不向きということになりますが『D800』にはそもそも連射性能は求められていなかったと考えられます。
この次に発表されたのは『D810』(2014年7月発売)。センサーが保持できる光の情報量をアップさせることにより、画素数3600万画素(7360×4912ピクセル)を変えることなく、ISO感度64~12800、連射は約5コマ毎秒へと性能アップを果たしました。おそらく誰もが「このペースでこのシリーズは進化していくのだろうな」と感じていました。
裏面照射型のCMOSセンサーすごい
3年後の2017年、満を持して発表された『D850』では、裏面照射型CMOSセンサーと最新の画像処理エンジン『EXPEED5』を搭載しました。裏面照射型CMOSセンサーは、センサー内のフォトダイオードに光が届く経路を最適化したものです。これまでのセンサーには、光を検知するフォトダイオードの手前に「配線」があったのですが、その配線は少なからず光を取り込む際の邪魔になっていました。
「じゃあ、この配線をフォトダイオードの裏にすればいいじゃないか」、と思うかもしれませんがそれは高度な技術が必要となり、大量生産には不向きでした。
しかし! センサーの供給元が裏面照射型CMOSセンサーの大量生産に成功。取りこむ光の量が増えたセンサーはこれまでより格段にノイズに強くなり、相対的な画質もアップとなりました。そして『D850』に搭載されたセンサーは、その有効画素数がなんと4575万画素(8256×5504ピクセル)。この高画素にしてISO感度は64~25600の幅広い常用感度域。最大でISO 102400相当までの増感が可能となりました。
『EXPEED5』エンジンのおかげで画像処理能力も格段にアップし、なんと通常時で秒間約7コマの連射が可能となりました。別売りのバッテリーパックを装着すると連射速度は約9コマ毎秒までブーストされます。航空写真やスポーツ、野鳥など動体の撮影でも威力を発揮できる速さです。
「D800シリーズは風景写真、スタジオ写真用」というこれまでの限定されたイメージを払拭し、『D850』は高画素高画質の高機動モデルへと“メガ進化”を果たしたわけです。
「これが35万円台で買えるなら安い!」というファンの声は、起こるべくして起こったと言えるでしょう。
動画は4K UHD/30pやスローモーション、タイムラプス動画に対応
『D850』は動画性能も格段にアップ。『D810』ではフルHD1080/60pだった動画性能も、『D850』ではFXベースの動画フォーマットで4K UHD(3840×2160)/30p動画の撮影が可能となりました。フルHD動画に至っては通常撮影はもちろん、4倍スローや5倍スロー撮影にも対応。また、8K UHD(7680×4320)を超える8256×5504のタイムラプス動画撮影にも対応。驚異的な画素数での天体動画撮影が捗(はかど)りまくります。
実写してみてわかったこと
短い時間ながら、実機に触れる機会が得られたのでガジェット通信でも実写を行ってみました。
まず驚きなのは、画像の巨大さを感じさせない軽快なフットワーク。もちろん、本体重量は約1kgにおよそ同じ重さの『AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8E ED VR』を装着しているので重量はそれなりにあるのだけれども、撮っていて全くストレスがありません。持ち出して撮るのが楽しい、と感じるフィット感とレスポンスです。
[画像1の全体(縮小)]
[元画像1を切り出したもの]
[元画像1を切り出したもの]
等倍にしたときの精細さは言うまでもありません。ただ、細かく撮れる、ということは細かい手ブレも拾うということ。VRやISO高感度でシャッタースピードは稼げるとしてもある程度限界はあるので、切り出したり等倍に近づけて使う場合にはその点を心得たほうが良さそうです。
[画像2の全体(縮小)]
[元画像2を切り出したもの]
[元画像2を切り出したもの]
それにしても、本当に軽快ながら、よく撮れます。
通常のスナップのつもりで撮った1枚でも、モデルの瞳の中の“映り込み”もしっかりと確認することができました。
[画像3の全体(縮小)]
[元画像3を切り出したもの]
『D850』のファーストインプレッションは、本当に「何でも撮れる」でした。「ひょっとして撮れないものは無いのではないか」と思わせてくれる、これまでにない経験がこのカメラには在りそうです。
[画像4の全体]
[元画像4を切り出したもの:瞳の映り込みに注目]
[元画像4を撮影した時に周りにいた人]
※全体画像は1980×1280に縮小、拡大画像は元画像をPhotoshopで切り出し
※スクリーンショットはNikon D800、D810、D850公式ページより引用
モデル:森あんな
D850 – 概要 | 一眼レフカメラ | ニコンイメージング
http://www.nikon-image.com/products/slr/lineup/d850/ [リンク]
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