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「創業以来50年赤字なし、経常利益3%」を実現する企業が示す「経営の本質」

「創業以来50年赤字なし、経常利益3%」を実現する企業が示す「経営の本質」

どのような状況でも売上と利益を伸ばし続け、数十年という長いスパンで成長し続ける企業を創ること。それはあらゆる経営者に課された運命ともいえる。しかし、どうすればそのような企業を創れるのだろうか?

これはかなりの難問だ。

「消費者のニーズを満たすサービスを創出し続ける」「社会のためという理念を忘れない」という回答もあれば、「運が味方をしてくれることが大事だ」と言う経営者もいるだろう。

企業が成長を続けるため必要なことは何か――その答えが、実際に成長を続けてきた企業の歴史の中に存在している。

業務用食料品卸売業の先駆者として知られる、大阪の「エンド商事株式会社」は、1965年に食料品卸売業として創業以来、50年間赤字なし、経常利益率3%を実現し続けているのだ

エンド商事株式会社・代表取締役会長兼社長の遠藤勉氏が自社の歴史を綴った『エブリデイ・ロープライス 不況知らずのフランチャイズ』(遠藤勉著、ダイヤモンド社刊)は、成長を続けるための「答え」を与えてくれる一冊である。

■好機を逃さず動く

株式会社エンド商事は、食料品卸売業として創業後、ほどなくして業務用食品卸売業に転換。さらに日本初の業務用食品のC&C(キャッシュ・アンド・キャリー)型店舗立ち上げや、一般客に重点を置いた新型店のオープンとそのフランチャイズ化など、顧客のニーズや時代を先取りして業態を革新させていった歴史を持つ。

同社の成長は、この的確な業態革新によるところが大きい。本書には、どのようなタイミングで業態を変化させていったかが書かれているが、どの事例も遠藤氏の「好機を逃さず動く」姿勢には目を見張るものがある。

例えば、「ドライブインへの飛び込み営業」。

高度成長期の日本のモータリゼーションの進展はめざましいものがあり、自動車保有数は1955年の150万台だったのに対し、1975年は2900万台にのぼった。

エンド商事が業務用食品卸売業に転換した1967年頃はまさにその真っ只中であり、モータリゼーションの進展に合わせて、広がりを見せていたのが自動車に乗り込んだまま行けるサービス施設「ドライブイン」だったのである。

外食産業が発展する兆しを掴んでいた遠藤氏は、この「ドライブイン」に目をつける。

ドライブインには毎日毎日新しい食堂ができていた。遠藤氏はそんなドライブインの食堂のメニューを観察し、どのような材料で作られているのか分析。そして見積もり書を持って「飛び込み営業」をするのである。

「これ、スパゲティーとケチャップの見積もりです。今より二~三割は安くなると思いますが、いかがですか」(P40より引用)

2~3割のコスト削減とは思い切った見積もりだが、材料の仕入れ先を変えるということは、食堂にとっては大きな決断であり、よほどもうかる話でないと話は聞いてもらえない。

このような大胆な提案をしながら、遠藤氏は取引先を増やしていった。

最盛期には50カ所くらいのドライブインと取引があったそうだ。また、新規出店が驚異的な伸びを見せ始めた喫茶店や、人口増加に伴い需要が増えた大学生協などにも飛び込み営業をしていたという。

社会の変化をいち早く察知する目を持ち、そこに商売の芽があれば即行動に移す。まさに「機を見るに敏」といえる判断と行動力が、エンド商事の経営基盤を築いたのだろう。

この「好機を逃さない目と行動力」は現在のエンド商事でも如何なく発揮されている。昨今の居酒屋で人気が集中している「肉バル」に注目したり、老健施設(介護老人保健施設)との取引も模索したりしている。

どちらも、社会や時代の変化をとらえているからこその視点だ。

■柔軟な姿勢で常に進化する

エンド商事の強みをもうひとつ挙げるとするならば、その「柔軟性」だろう。

1973年、同社は日本初の業務用食料品のC&C型店舗を立ち上げる。C&C型とは「現金購入・持ち帰り」式のこと。「業務用スーパー」というと今では当たり前のように存在するが、実は日本における先駆者はエンド商事だったのである。

その後、競合各社もC&C型店舗を展開し始め、一般消費者にも業務用食料品店が認知されるようになった。

その認知度の高まりを好機と見て、エンド商事では「7:3」で設定していた業務客と一般客の構成比を逆転させた新業態店舗を開設したのである。

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