【04 Limited Sazabys】 もともと持っていた武器を研いで使ってる感覚

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今年2月に日本武道館公演を大成功に収めた04 Limited Sazabys。メジャー3rdシングル「Squall」は従来のシングル4曲入りフォーマットを覆し、3曲入りとなっている。より表題曲に焦点を当てたかったという音源について、GEN(Vo&Ba)、KOUHEI(Dr&Cho)のふたりに直撃!
L→R RYU-TA(Gu&Cho)、KOUHEI(Dr&Cho)、GEN(Vo&Ba)、HIROKAZ(Gu) (okmusic UP's)
「Squall」は雨が降ってる中で 全力疾走してるイメージ

──今年2月の初の日本武道館公演は本当に素晴らしかったです! 今振り返って、どんな印象がありますか?
GEN
「確実に特別な場所ではあったけど、そこで特別感が出すぎずにやれたのが良かったですね。背伸びせず、飾らない僕らの魅力を出せたんじゃないかと。」
KOUHEI
「日本武道館に立つことができて自信にはなったけど、未だにハングリー精神はあるし、まだできるって思っています。」
──結成時から日本武道館までは想定内でした?
KOUHEI
「日本武道館みたいな場所を目標にしていたら燃え尽きていたかもしれない。昔は名古屋のDIAMOND HALLをワンマンで埋めることをゴールにしてたけど、すでにキャパを超えるお客さんの応募があったので、ここを目標にしてた自分とは違うんじゃないかと…そこから意識は変わりましたね。」
──現在(7月末)は『Human Communication tour』の真っ最中ですが、これをやろうと思った理由は?
GEN
「リリースに関係がないツアーをやったことがなかったので、やってみたくて。あと、行ったことがない場所にも行こうと思って。対バンも今までやったことがない人を呼んでます。」
──それは新たな刺激が欲しかったから?
GEN
「そうですね。僕らが憧れていた先輩にはほぼ会えた気がして。だから、今回は下の世代のバンドを呼んで、僕らが育てる番なのかなと。最近のフェスでは僕らの世代がトリを務めたり、世代交代を感じますからね。」
──『SATANIC CARNIVAL’17』出演時にも“世代交代だ!”とRYU-TAさんが叫んでましたよね。
KOUHEI
「まぁ、あいつ、噛みましたけどね(笑)。」
GEN
「面白い感じになっちゃって残念でした(笑)。」
──下の世代を育てたいという意識が芽生えてきた理由は?
GEN
「追随してくれてるのがMy Hair is Badで、いつも食って掛かってくるし、もっとそういう刺激が欲しいんです。僕らも先輩に呼ばれた時には、その先輩を食う気持ちでここまでやってきたから。今度は自分たちがそういう番なのかなと。」
──なるほど。そして、今作は日本武道館後の初シングルですけど、最初の作品像はどんなものでした?
GEN
「前作は向こう岸を差しながら、“あそこに行こうぜ!”って感じだったけど、今回は新しい岸に来て、その一歩目を踏み出そうというイメージです。ただ踏み込むんじゃなく、新しい靴を履いて踏み出したかった。“新しい靴”と言いながらも、新しい武器や引き出しではなく、僕ららしいというか…もともと持っていた武器を研いで使ってる感覚かもしれない。」
──なぜそういう考えに?
GEN
「う~ん、海外に行ったことが自分の中で大きいかもしれない。3月にアジアを回った『SPACE SHOWER RETSUDEN ASIA TOUR 2017 powered by MCIP』と4月の『YON FES 2017』を終えて、お休みをもらったのでひとりでLAに1週間ぐらい行ったんですよ。“普段、無駄なストレスを感じてるんだな”とか、“こっちの人は細かいことをあまり気にしてないんだな”とかを感じました。人種もたくさんいるけど、お互いに認め合ってる感じもするし、もっと心を開いていきたいなと思いました。」
──今までは無駄なストレスを感じていた?
GEN
「どう見られているかを気にしてたし、自分に正直に生きている人のほうが魅力的だなって。」
KOUHEI
「俺はアジアツアーに行って、ステージ上で無駄なことを考えなくなりました。以前は、後ろで観ている人たちをどうやったら乗せられるだろう?って考えていたけど、アジアでは何も考えずに、“これが俺らの全力だ!”という気持ちでやってみたら空気が変わりました。それが成長した点ですね。」
──もっと自分らしくやっていいんだと?
GEN
「クリアーになった気がします。今回の歌詞も、今までより最低限の言葉で書けたし。無駄な形容詞もなくなって、分かりやすくなりました。「Squall」は特にそうですね。」
──「Squall」はすごくいい曲ですよね。
GEN
「僕もそう思います(笑)。」
KOUHEI
「かなり気に入ってますね。」
──メロディーは切ないけどバンドアンサンブルは激しくて、フォーリミらしさがガツン!と伝わる曲調で。
GEN
「ストレートだけど、エモい。ポップだけど、泣ける。それが僕らの一番の持ち味かなと思ったんです。サビのメロディーは、泣きながら全力疾走してるイメージですね。「swim」(2014年9月リリースのシングル「YON」収録曲)もそうだけど、あの曲は晴れているんで。この曲は雨が降ってる中で走ってるから、泣きは意識しました。」
──なぜそうしようと?
GEN
「感情をしっかり入れたかったんです。前作のアルバム『eureka』の「Horizon」では希望を歌っているんですけど、向上心は入っていたけど、“悔しい”“負けたくない”とか、そういう気持ちが入っていた「climb」(2016年6月リリースのシングル「AIM」収録曲)のほうがみんなに共感してもらえたのかなと思うんで。よく手紙をもらうんですけど、この曲に励まされたと書かれてるんですよ。だから、今回は確実に力を与えられる曲にしたかった。」
KOUHEI
「シングルは自分がその時に抱いてる感情とリンクする歌詞が多いんですよ。「climb」もそうだけど、今の自分に刺さる言葉をGENが書いてくれました。」
GEN
「僕も書きながら、“きっとメンバーも共感するだろうな”と考えるし。むしろ、メンバーがこの歌詞で火が点くかなって。」
──メンバーも焚き付けたかったと。日本武道館後のシングルなので、もっとイケイケの曲がくるかと思ってました。
KOUHEI
「でも、まだ一番は獲れてないですからね。」
GEN
「悔しいと思うことのほうが多いんですよ。昔の自分に言ってるようなこともあるし、バンドマンにグッとくるかなと思って書いた部分もあります。地元の後輩バンドを含めて、悩んでいるバンドマンに勇気を与えられるかなと。」
KOUHEI
「特に《生まれや育ちを理由にして 生まれ変わらず ここまで生きた》の歌詞なんですけど、最近、黒人ドラマーの映像を観て、“黒人だからこの音が出せるんだよな”って卑屈になってる自分がいたんですよ。」
GEN
「感じなくてもいい劣等感を感じてしまうんですよね。」
KOUHEI
「そう、駄目な自分をハッとさせてくれた歌詞なんですよ。」
GEN
「みんな、諦める理由が欲しかったりするのかな?とも思ったんです。“センスがない”って言う人がいるけど、それを親や環境のせいにしている人が多い気がして…それは親に失礼というか、どれだけ本気で自分を磨いたかっていうのが大事だと思うから。自分を含めて、甘えている人が多いなと。現にうちのメンバーはみんな普通の家庭の子なんですよ(笑)。日本武道館のMCでも言ったけど、特別金持ちでもなく、頭が良いわけでもなく、コネがあったわけでもないけど、ここまで来れた。そう分かっているはずなのに…今回はそれをちゃんと言い切ったというか。」
──「Squall」は“土砂降りの雨に降られても前に進もう!”という曲ですしね。
GEN
「映画『ショーシャンクの空に』で刑務所から出た人が雨に打たれて、ウォー!となるシーンがあるんですけど、雨で洗い流されて、また生まれ変わるというイメージもありますね。」
全力を出しても勝てない先輩がいるからこそ 悔しい気持ちを持てる

──続く「happiness」はメニコン『1DAY Menicon PremiO』CMソングですね。
GEN
「CM用に歌詞を書いたけど、若干内容は変えました。」
KOUHEI
「Aメロしかなかったので、それに肉付けしていきました。」
──これもストレートな曲調で、歌詞のリフレインも従来のフォーリミらしいアプローチと言えますよね。
GEN
「CMの話をもらった時には映像が完成してたんです。CMの主人公の有村架純さんが寝坊するストーリーなんですけど、そんな日もスマートにいけます!みたいな内容だったので、とりあえず有村さんと同棲してるイメージから始めました(笑)。寝起きだったり、いろんな部分も見えるわけで、それが幸せなんだけど、本人には言えないイメージですね。」
KOUHEI
「有村架純ちゃんには言ってよ!(笑)」
GEN
「ははは。僕、猫を飼っていて。可愛いんですけど、むかつくところもあるんですよ。でも、大好きだし(笑)。そういった想いは、なかなか伝えられないんだよって。」
──それで《素直じゃない》と歌詞で連呼してるのですね(笑)。
GEN
「はい。曲はやったことがありそうな4つ打ちですね。」
KOUHEI
「ドラムはちょっとダサさも入れてみました。」
GEN
「今までやったことがあることを、より良い音と良いノリで録りました。あと、今回は初めてベーシックを全員で録ったので、バンド感のあるノリも出てると思います。」
KOUHEI
「“せーの、ドン!”のグルーブは一番出せたと思う。」
──3曲目の「capture」はその真骨頂みたいな生々しさで。ここまで激しさゴリ押しの曲調も珍しいですよね?
GEN
「わざと分かりやすく録った感じですね、前後のスタジオの雰囲気を含めて。ずっと2ビート押しの曲はなかったし。」
KOUHEI
「フェスに出るとやれる曲も限られてくるから、1~2分でサクッとやれる曲が欲しかったんです。」
GEN
「短い曲なんですけど、僕らの持ち味を発揮できる曲にしようと思いました。韻の踏み方、歌詞のフレーズも昔っぽいところがあるから。」
──今作は3曲通して“終わりの始まり”を歌った歌詞が多いなと感じたのですが。
GEN
「確かに。いつも終わりの始まりを歌ってる気もするし、今いる場所から離れる別れの匂いはしますね。」
──フォーリミが決別したかったものとは?
GEN
「甘えかな。」
KOUHEI
「間違ってないと思う。」
GEN
「僕は誰に対してもそうなんですけど、いいと思ってないものにはいいと言いたくなくて。友達の作品やライヴに関しても正直に感想を言うし…それは自分が正直に言われたいからなんですけど。ここまできたからこそ、馴れ合いではやりたくないんですよね。」
──自分や全ての物事に対して、より誠実に向き合おうと。そして、Hi-STANDARDが10月に発表する18年振りのアルバム『THE GIFT』に伴うツアーにフォーリミも呼ばれていて、しかも、地元名古屋の日本ガイシホールで対バンですよね?
GEN
「去年末に一度ハイスタとは対バンしたので、すでに夢は叶ってるんですけど、またあの気持ちになれるんだな…と。しかも、僕、その日が誕生日なんですよ。」
──えっ、本当ですか!
GEN
「最高のギフトですよ。前回はハイスタと対バンできるだけで嬉しかったけど、今回は地元だし、僕らのお客さんもいると思うんですよ。前回は“夢が叶った少年たち”という感じだったけど、今回は対バンで呼ばれたので、先輩を倒す気持ちで臨みます。前よりも闘えるようになってるという自信もあるし。」
KOUHEI
「うん。常にその気持ちはありますね。俺らが全力を出しても勝てない先輩がいるからこそ、悔しい気持ちを持てるので。」
──「Squall」の内容ともつながりますね。
GEN
「そういうことです。地元だし、ハイスタと対バンする僕らのライヴを観たいと思う人も多いだろうし。『YON FES』を始めたきっかけもそうだけど、ハイスタは一番憧れてるバンドですから。“フォーリミ、良かったじゃん!”って、ハイスタのファンにも思わせたいですね。」
取材:荒金良介
シングル「Squall」
2017年8月30日発売

日本コロムビア

【初回生産限定盤(DVD付)】

COZA-1371~2 ¥1,600(税抜)

【通常盤】

COCA-17323 ¥1,000(税抜)

『Squall tour』
11/16(木) 神奈川・CLUB CITTA’

11/23(木) 広島・BLUE LIVE

11/24(金) 福岡・DRUM LOGOS

11/26(日) 香川・高松festhalle

11/30(木) 長野・松本キッセイ文化ホール 中ホール

12/07(木) 新潟・LOTS

12/09(土) 宮城・仙台PIT

[ 2018年 ]

 1/06(土) 北海道・Zepp Sapporo

 1/13(土) 大阪・Zepp Osaka Bayside

 1/14(日) 大阪・Zepp Osaka Bayside

 1/18(木) 東京・Zepp Tokyo

 1/19(金) 東京・Zepp Tokyo

 1/25(木) 愛知・Zepp Nagoya

 1/26(金) 愛知・Zepp Nagoya
04 Limited Sazabys
フォーリミテッドサザビーズ:2008年に名古屋にて結成。15年4月に1stフルアルバム『CAVU』で日本コロムビアよりメジャーデビュー。16年4月2日&3日に地元・名古屋のモリコロパーク(愛・地球博記念公園)で開催した初の主宰野外フェス『YON FES』は計2万人を動員。9月に2ndフルアルバム『eureka』をリリース。17年2月11日に行なった日本武道館でのワンマンライヴは即日完売と成功を収め、同年4月1日&2日には2年目となる『YON FES 2017』を開催した。
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