上北健『LAYERED』リリースツアー〈心の断面は美しいか〉オフィシャル・ライヴレポート

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上北健『LAYERED』リリースツアー〈心の断面は美しいか〉オフィシャル・ライヴレポート

7月22日東京・渋谷duo MUSIC EXCHANGEにてアルバム『LAYERED』リリースツアー〈心の断面は美しいか〉を開催したシンガーソングライターの上北健。

そのオフィシャル・ライヴレポートをお届けする。

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「LAYERED」Release Tour『心の断面は美しいか』@渋谷duo MUSIC EXCHANGE

4月12日に2枚目のミニアルバム『LAYERED』をリリースしたシンガーソングライターの上北健。2014年にネットシーン発のボーカリスト“KK”として、同年9月にアルバム『心音』をリリース。2015年9月に上北健としてのデビューアルバム『SCOOP』を発表し、メッセージ性の強い歌詞と高い歌唱力で多くの人を魅了してきた。

そんな上北が、ミニアルバム『LAYERED』リリース記念ツアー『心の断面は美しいか』を開催。6月18日の北海道・DUCE Sapporoを皮切りに、大阪、名古屋、福岡、広島、仙台を周り、7月22日、東京・渋谷duo MUSIC EXCHANGEでファイナルを迎えた。開演時間となり、サポートメンバーに続いて上北がステージに現れる。大歓声に呼応するように「渋谷! 『心の断面は美しいか』ファイナルです。最高の時間にしたいと思う。よろしく!」という上北の言葉に続き、ミニアルバム『LAYERED』1曲目に収録の『笑って咲いて』でライブが始まった。心のささくれ立つような日々の、悲しみ、憎しみ、怒りも笑って、今ここからまた始めよう。そんなメッセージが込められた開演にふさわしい言葉。観客も手拍子で盛り上げ、早くも会場が一つになったように感じた。

続いて『GROWING POINT』『スイマー』『約束』などを繰り広げながら、随所ではツアーテーマ曲にあたる「心の断面は美しいか」に乗せた語りを交える。どの曲も心に残るフレーズがたくさんあり、観客それぞれが自分自身の気持ちを重ねて聴いているようだ。「内側と外側。表と裏。僕らは人間ですから、外に向けてる顔と内側に隠してしまっている自分が共存していると思います。でも、内側にしまい込んだ自分を、これは偽物だから、と言って嫌いになってしまうのはとても悲しいことなんじゃないかな」と、共感度の高い『心分け』を披露。自分自身と向き合う大切さを考えさせられる。

中盤、サポートのバンドメンバーがステージから退き、ファーストアルバム『SCOOP』収録曲の『アイニイキル』と“KK”としてのファーストアルバム『心音』に収録されている『心根』の2曲を上北のアコギによる弾き語りで聴かせてくれた。シンプルなサウンドだけに、歌詞に込められたメッセージがよりリアルに伝わったのではないだろうか。「渋谷の皆さん、ファイナルです。ありがとうございます! 東京が7ヶ所目なんです。北海道、大阪、名古屋、福岡、広島、仙台。みんな本当にいい顔を見せてくれました。本当に素晴らしいライブをみんなが作ってくれました。そのおかげで今日、僕は幸せな気持ちでライブをやらせていただいています。今日来てくれた東京のお客さんも最後を見届けてくれる大事な大事なお客さんなので、より一層感謝を込めてもう一度言います。どうもありがとうございます!」オープニングから12曲目まで一気に聴かせてきたが、中盤を過ぎ、後半に入る前に、ファンへの感謝の気持ちを伝えた。バンドメンバーの紹介後、「ここからは笑って、手を挙げて、歌って、帰ってほしいなと思います。後半戦です!」と話し、『緑閃光』『false color』『新しい日』を演奏。再びのテーマ曲『心の断面は美しいか』では、「あなたの心に触れ合って、今改めて言おう。その断面は美しい」という語りの言葉から、♪ラララ~の大合唱に。さらに「声を揃えよう! 今日が消えてしまわないように。明日に続くように」と声をかけ、『フラワーパズル』、そして最新ミニアルバムのラストに収録されている『Fly Fly Fly』で本編を締めくくった。

アンコールではツアーTシャツを着てステージに登場。『DIARY』で再び会場を盛り上げた後、うれしいお知らせをしてくれた。一つ目は、今年4月に東京・日本橋三井ホールで行ったワンマンライブ『上北健 HALL LIVE IN TOKYO“僕と君が、前を向くための歌”~生きゆく街に海を見る~』がDVDとして9月6日にリリースされるというニュース。このライブは“歌”と“語り”と“コンテンポラリーダンス”で表現した本人完全セルフプロデュースによるステージだった。「僕としても今までになかったことができたし、(映像作品として)残してもいいのかなと思いました」と。そして2つ目のお知らせは、初のライブDVDのリリースを記念して9月1日に下北沢440でアコースティックライブ『海を渡る者』の開催決定のお知らせだった。そしてもう一つ。オフィシャルファンサイト『ココロノツドイ』も開設。

最後に、今回のツアーに込めた思いを語った。「出会いもたくさん感じることができたツアーでしたが、離れていった人の存在も感じたツアーになりました。当然、生きているわけですから、出会いも別れもあります。自分には人を遠ざける才能があるのかもしれないと思ったりもするけれど、そんな自分だからこそ、言葉や文章が何かしらの力を持つのであれば、それでいいのかなと思うんです。それでもやっぱり僕のことを知ってほしいし、何か形として残したい。これまでに上北健として3枚、KKとして1枚のCDを出していますが、もう一度、「最初の一歩」という気持ちでツアーを作れたらいいなと思いました。これまでのライブでは喋ることも最小限、飛び跳ねて歌うこともなかったけど、そうしてみたらみんながうれしそうだった。であれば、それも僕の歌い方かなと。新しい上北健の姿を見せられたツアーになったんじゃないかと思います」

その言葉通り、これまでの殻を破り、一つ開けた世界に足を踏み込んだ姿を見せてくれたライブとなった。「もう一曲、声を出せる曲がいいと思ったのでこの曲を歌います」と『COMPASS』を歌い、ファンも手拍子をしながら一緒に歌った。大盛況のうちにライブは終了、かと思われたが「もう一曲やらせて」と新曲『ラストワン』を初披露。さよなら(別れ)を歌うこの曲は、人との出会いや絆の大切さを訴えかけており、大きな意味で、1曲目に歌った『笑って咲いて』にも繋がるような印象を受けた。

9月1日のライブ、9月6日の初のDVDライブの発売、そして全国各地でリリース記念のイベント(ミニライブ&サイン会)の開催が決定。新しい一歩を踏み出した上北健の今後の活動にぜひ注目してもらいたい。

text by 田中隆信

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上北健の活動についての詳細は、下記オフィシャル・ウェブサイトからチェックしてほしい。(岡)

・上北健オフィシャル・ウェブサイト
https://www.kenkamikita.com/

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