3D印刷の常識を覆す人工肌を米大学が発明!医療・軍事・環境など多方面での活用を示唆

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触覚を持つロボットに注目が集まるなか、米国のミネソタ大学の研究チームでは人間の肌との親和性を考え、3D印刷技術の常識を覆す手法をもってよく伸び縮みする“人工肌”の開発に着手している。

その新手法は、2017年5月5日付の材料工学専門誌「Advanced Materials」の電子版で紹介された。

・”耳”から”手”、そして”身体”へ―3D印刷の限界に挑む

以前3D印刷技術による“人工耳”の開発で名声を上げたマイケル・マッカルピン氏もまた、主要研究メンバーとして今回の開発プロジェクトに関与。

同研究チームは研究室内で独自に開発した3Dプリンターを用いて人工肌を製作した。ちなみに、従来の3Dプリンターとは異なり、複数層の印刷が可能だ。

結果、凹凸のある手の表面上での操作であるにもかかわらず、感度が良く、リアルタイムの鼓動を検出することに成功。マッカルピン氏はその予想外の展開に驚愕するも、「人間の肌の上で3Dプリント製品を生み出す上でのヒントが見出された」と言及した。

研究者らは次なるステップとして、「手」ではなく「身体」という大枠で3Dプリントの難題に挑んでいく。

・伸縮性に富む

液体樹脂を使用する従来の3D印刷は、高温かつ伸縮性に欠けるというデメリットがある。

これらの欠点を払拭したのが今回の新技術だ。3Dプリンターで印刷されたセンサーは伸縮性に富んでおり、3倍の大きさまで延ばすことが可能であるという。

・多用途

”人工肌”の応用領域は実に幅広い。例えば、 “人工肌”が搭載された外科ロボットが手術室に導入されたとしよう。外科医は手術時の患者の思いを“人工肌”を通じて感じ取ることができ、その結果より痛みの少ない低侵襲手術が実現され得る。

その他にも健康状態のモニタリングをはじめ、戦場での化学物質・爆発物の探知、発電など、様々な用途での活用が模索されている。

University of Minnesota

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