佐藤大樹・増田俊樹W主演『錆色のアーマ』 「前日の最終稽古まで、台本が続々とカットされていった」【動画あり】

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ネルケプランニングが仕掛ける新プロジェクト、舞台発、逆2.5次元とも言える『錆色のアーマ』が、現在AiiA 2.5 Theater Tokyoにて6月18日まで上演中。6月22日~25日には大阪公演を予定。

本作は、EXILEの最年少パフォーマーとして活躍する佐藤大樹さん、声優として実力と高い人気を得ている増田俊樹さんの異色のW主演。殺陣に歌にダンスありのミュージカル作品になっており、佐藤さんは鉄砲傭兵集団・雑賀衆の雑賀孫一を、増田さんは織田信長を演じます。

初日ゲネプロ前にお二人の会見が行われ、稽古中のエピソードなどが語られました。一部動画もあるので、そちらも見てください!

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久々に舞台に出演する増田さんと、初めて歌を歌う佐藤さん

――開幕を迎えての意気込みをお願いします。

佐藤:僕は早くこの日を迎えたい気持ちが強くて。ここまで本当に最高のスタッフさんとキャストの皆さんと力を合わせてゼロから創り上げてきた舞台なので、早くお客様に見て欲しいという気持ちでいっぱいです。

増田:倒れる仲間たちとともに一ヶ月間稽古に励んできて、すごく素晴らしい舞台が出来ているという自負はもちろんあります。ただ、自分一個人としては、久しぶり立つ舞台ということで、一体舞台の上で何が起こるんだろう、と。

舞台の上には魔物が住んでいるとよく言われますが、本番を迎えるにあたって、良いことがたくさん起こることを望みながらも、やっぱり危ないことも多々ありますので、怪我のないように頑張らなきゃいけないという部分で怖さとともに座長(佐藤)がしっかり前を向いて行って、その背中を追うように歯向かいながら、僕も共に前を歩きたいと思います。

――この舞台が原作になることについて。

佐藤:逆2.5次元でこの舞台が原作になるということで、僕達がそのままアニメになったり、さまざまなメディアミックス展開を予定しているので、稽古の段階からセリフの言い回しの特徴など気をつけていました。雑賀衆で言えば、それぞれアーマがあるので、その武器の名前や必殺技を考えているキャストもいましたし、ポージング一つ一つ、自分たちが原作なんだってことを意識しながら取り組んでいたので、今後の展開もすごく楽しみです。

増田:織田陣営としては、実際の歴史の史実にある名前の人間たちなので、そこをなぞりながらも、『錆色のアーマ』オリジナルというものを探りながら作ってきました。でも、雑賀の面々が史実の中で描かれていることが少ないがゆえに、オリジナルの要素がすごく強いので、タイトルになっているように、アーマの使い方ひとつとってもそれぞれの違いがあるので、面白く感じると思います。

――ご自身が演じるキャラクターの紹介をお願いします。

佐藤:雑賀孫一といって、史実上にもいるんですけど、女性であったり、少し歳のいった男性であるとか、物語によって描かれているものが違うので、割りと決まったものがなくて。逆に今回、これが原作となるので、それを自分に置き換えて演じていいよ、と(演出の)元吉さんは言ってくださったので、もし、自分が歴史上にいたらこういう孫一になっているだろうと意識してやりました。あと自分が暗くなってしまうと舞台全体が暗くなってしまうと思うので、笑顔と喜怒哀楽をとても意識して演じています。

増田:織田信長は史実上、最も皆さんが紐解いて探られた人物かと思います。その中で描かれきれなかったであろう、「信長自身がどういう思いを持って生きていたのだろう」ということを、『錆色のアーマ』オリジナルで考えるとどこまでいけるのか着目して僕は作りました。史実上あるように光秀との関係だったり、一向宗との関係だったり、そういった部分をなぞるように通りながらも『錆色のアーマ』ゆえの信長の弱さという部分を意識して作っています。

――歌とダンスについて。

佐藤:自分は今回の舞台で初めて歌に挑戦させていただきました。今まで本当にやったことがなかったのですごく不安だったんですけど、いざ稽古に入ると、歌の先生はじめ、キャストの皆さんが頼もしく力を貸してくださいまして、みんなでたくさん練習したので、もう不安要素はひとつ消えました。

でも、雑賀の敵役の織田さん(増田)はじめ、顕如(輝馬)、数珠坊(市瀬秀和)が……。そしてまた、織田信長と顕如の2人の歌が個人的に好きで。声も良いし歌も上手いし、存在感も華もあって。これは負けていられないな、という思いもあったので、自分は雑賀衆で踊る場面もあるので、そこでチーム力や、普段ダンスをやらせてもらっているのでそこでも負けないように頑張りたいなと思っています。

増田:いやぁ、褒められちゃったらね。

佐藤:上手いですよ~。

増田:雑賀衆もいいですよ。7人いてチームを持っているっていうのは、アンサンブルの人たちと共に作る個ではなくて全というか。グループの存在感は雑賀衆が一番持っているし、そういったものを合わせるのは、たぶん稽古期間中大変だっただろうし。

雑賀衆は殺陣とダンスと歌があって……。僕もまだまだそんなに経験はないですけど、今まで経験した舞台の中でもすごい入り乱れ方をしてるよね。元吉さんも、「ごめん、大変な作りにしちゃって」っておっしゃるくらい、本当にいろんなものをランダムに入れていくような作品になっていますので、稽古は一ヶ月で足らなかったかもしれませんし、もしかしたらこれからもっと変わっていくかもしれません。それだけ挑戦的な舞台を作っていると思います。歌、ダンス、殺陣、すべてに見どころがあると思います。

稽古した内容がどんどんカットされていった!

――稽古中のエピソードは?

佐藤:雑賀で歌いながら踊る1曲があって、その振付けをもらったときから、みんなで合わせようって居残り練習をしていました。稽古が終わってもその曲を10回通して踊ったり、次の日も稽古前にアップ代わりに踊ったり。チーム感を意識して稽古の後や前にみんなで踊りました。あと、稽古場に日替わりでいろんな人が差し入れをくださるので、みんなの個性豊かな差し入れ祭りが僕の中では印象的でした(笑)。

増田:前日の最終稽古まで、台本のあらゆるところが続々とカットされていって。それは描ききれなかっただけで、実際に全員が通っている道ではあるという、いわゆるボツではないシーンがたくさんありました。そんな部分が稽古して煮詰まれば煮詰まっただけ、今度は元吉さんの中で「うーん、ここは描きすぎると説明しすぎるから“なし”にしよう」ってなって。元々あった尺からどんどん洗練されていく様っていうのを一ヶ月間ずーっと見続けたのは、演者という目線だけではなくて演出、脚本という視点でもとても面白い作品づくりをしているなって思いました。

せっかく覚えても「あ、ここなくなるんだ!」ってことがあったりして。でも元吉さんは「それは、心の中ではなくさないで」ってシーンが多くて。そういった作り方は初めてだったので面白いな、と思いました。

――個性的な衣装について。

佐藤:やっぱり男の子の本能として、昔から憧れだった武器などを持つとすごくテンションがあがります。雑賀衆はそれぞれキャラによってテーマカラーがあって、僕だったら赤なんですけど。八咫烏ってカラスがそれぞれいろいろな部分に入っていたり。キャラクターによって衣装や武器“アーマ”にこだわっています。でも一番は武器“アーマ”を見てほしいですね。

増田:カッコイイよね、オリジナルの武器って。僕も甲冑で、男に生まれたからにはこういう装備って憧れましたし、着れば着るだけ織田信長の気持ちが宿る感じもしました。ただ、稽古中ずっとしっかり納刀した刀を持って稽古してたんですけど、後半に「信長の刀ができました」って渡されたのが、抜き身で! 僕も実際オリジナルの武器ってずーっと憧れを持っていて「いいな、いいなー、俺は刀なのかなー?」なんて思っていたら(鞘がない)“抜き身の刀”ってことで。

僕が稽古で3週間作ってきた織田信長という人物像に対して、“鞘に収まらない”というのは、僕の中で腑に落ちる部分がありました。そういった意味では、こういったオリジナルの刀を作ってもらえたのは、僕としても嬉しかったですし、これを持って戦う意味というのを改めて考えさせてくれる衣装だったり、小道具だったりで、すごく身が引き締まる思いでした。

<演出 元吉庸泰さんコメント>
ようやく来たぜ、この場所に。そんな思いが心に満ちています。逆2.5次元、ここが原作。言うのは簡単ですが、ここまで沢山の壁がありました。「よい原作」であるためには、「よい演劇」でなくてはならず。
それでいてしっかり2.5次元の作品でなくてはならない。その為に俳優たちは、膨大な量のキャラクター考察と実験と実践を繰り返し、物語の追及をし、そして歌・振付・殺陣の難しいバランスを乗り越えて来ました。ここに、ふたりの座長である佐藤大樹・増田俊樹が率いる座員一同が信じる『錆色のアーマ』があります。
そうやって創り上げてきた舞台、『錆色のアーマ』。その美学を、存分に楽しんで頂ければと思います。


動画:佐藤大樹・増田俊樹『錆色のアーマ』初日会見
https://youtu.be/t1ilRR7xkDE[YouTube]
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2人の演技はもちろん、増田さんの美声と佐藤さんのキレのあるダンスも見どころの『錆色アーマ』。

ゲネプロ本編の紹介はこちらの記事で↓
【動画】効果音は生演奏! 逆2.5次元プロジェクト『錆色のアーマ』織田信長と雑賀衆の生き様を描くオリジナルミュージカル
http://otajo.jp/68569[リンク]

<あらすじ>
鉄砲ひとつで戦乱の世に名乗りを上げた孫一という男がいた。
その鉄砲技術を手中に収め、天を食らおうとする信長という男がいた。
始めのうち、信長は孫一たち雑賀衆を利用しようとし、孫一もまた故郷の村を襲った信長を嫌い憎んだ。
信長暗殺を企み、信長の袂に潜り込んだ孫一率いる雑賀衆。
次第に信長は孫一たちの才能に惹かれ、孫一は信長の求心力に惹かれていた。
そこに忍び寄る第三の目、顕如が率いる一向宗という存在。
救済信仰を傘に信長打倒を狙い、織田軍の内部に謀反の種を蒔く。
そして、自らの野心の火を抑えられぬ明智光秀は顕如と手を組んでしまう。
孫一は光秀の罠に陥り、雑賀衆の仲間と完全に分断される。
次第に進む信長暗殺計画。バラバラになる雑賀衆の仲間達。
すべてがその場所、本能寺へと集約されていく。
果たして、孫一と信長は、その場所で何を見るのだろうか?

【公演概要】
◆公演名 「錆色のアーマ」
◆原案 「錆色のアーマ」プロジェクト
◆脚本 なるせゆうせい
◆演出 元吉庸泰
◆出演 佐藤大樹(EXILE/FANTASTICS) 増田俊樹/
荒木健太朗 永田崇人 平田裕一郎 章平 神里優希 崎山つばさ/
穴沢裕介 井上 圭 KEN 小南竜平 西田健二 宮垣祐也 鮫嶋 樹 山口拳生
栩原楽人 市瀬秀和 輝馬
◆公演日程・劇場
東京公演 2017年6月8日(木)~6月18日(日) AiiA 2.5 Theater Tokyo
大阪公演 2017年6月22日(木)~6月25日(日) 森ノ宮ピロティホール
◆チケット料金
8,500 円 (前売・当日共/全席指定/税込)
※未就学児入場不可
◆主催 ネルケプランニング

公式サイト:
http://www.nelke.co.jp/stage/rusted_armors/

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