高校2年生で新人賞を受賞! 22歳の漫画家に聞く、好きなことで進路を切り開くための秘訣

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高校2年生で新人賞を受賞! 22歳の漫画家に聞く、好きなことで進路を切り開くための秘訣 フロムエーしよ!! 高校2年生で新人賞を受賞! 22歳の漫画家に聞く、好きなことで進路を切り開くための秘訣 フロムエーしよ!! 高校2年生で新人賞を受賞! 22歳の漫画家に聞く、好きなことで進路を切り開くための秘訣

内海瀬戸(うつみ・せと)さんは、漫画を使った自己推薦で明治大学へ入学し、在学当時より『君に贈るロードショー』を月刊誌のミラクルジャンプへ連載していました。

2017年の春に明治大学を卒業。『君に贈るロードショー』の連載は卒業後も続け、連載終了後の4月19日に一冊の単行本へまとめられました。

フロムエーしよ!! 高校2年生で新人賞を受賞! 22歳の漫画家に聞く、好きなことで進路を切り開くための秘訣今回は、プロの漫画家として歩むことを決めた内海さんに、好きなことで進路を切り開く方法や、学校との両立で苦労した話などをお聞きしました。

 

まっすぐには答えられなかった幼なじみからの問い「瀬戸くんは描かないの?」

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Q:まずは、大学卒業後の進路として選んだ、漫画家としての現状を教えてもらえますか?

大学4年生のころから始めた月刊誌での連載が終わり、4月19日に、その連載をまとめた単行本が発売されたところです。

僕の名刺代わり、じゃないですけど、一冊の単行本として自分の作品がまとめられ、「これから、漫画家として食べていけるよう頑張るぞ」という気持ちで、モチベーションを高めています。

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Q:そもそも、内海さんが漫画を描くようになったのは、いつからですか?

高校生からです。

もっとも影響されたのは、中学生のころに読んだ『バクマン。』です。この作品のおかげで自分の趣味だった絵を描くことが仕事にできることを知りました。

まず、漫画を描く道具をそろえました。でも道具をそろえて満足しちゃったのか、当時はほとんど使ってなくて(笑)。そんな僕が変わったのは幼なじみがきっかけでした。

僕が高校生になったときに、幼なじみが、自分で描いた漫画をある少年誌の新人賞へ投稿して、賞をとりました。受賞作は手直しをして少年誌へ掲載されることになり、僕は幼なじみに声をかけられて、作品の手直しを手伝ったんです。

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Q:当時はどんな気持ちでしたか?

「自分が部活したり友達と遊んだりして、漫画を描いてないときに、幼なじみは、自分で一本の作品をちゃんと完成させ、デビューにこぎつけたのがスゴイなあ」

そう思ったことをよく覚えてます。そして、「自分は何をやってるんだ」という歯がゆい気持ちでした。作業を手伝っているうちに、幼なじみに聞かれるんですよ。

「瀬戸くんは、漫画描かないの?」

その質問に、まっすぐには答えられない自分がいるんですよね。高校1年生でデビューすることになった幼なじみの活躍には、すごく刺激を受けました。

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「自分は何かできるんじゃないか」そういう自分への期待は、なんとなくずっとあったんですが、「漫画家として僕が食べていくのはムリだろう」と、僕は挑戦する前から、“漫画家は遠い存在”と決めつけていたのかもしれません。

そこへ、身近な存在である幼なじみが漫画家としてデビューし、「憧れの存在だった漫画家が近くに降りて来た」そんな風に感じました。

「もしかしたら、自分にもできるんじゃないか」

僕のやる気に火がつきました。高校1年生の冬のことです。

 

“漫画家・内海瀬戸”誕生へ

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Q:やる気に火のついた瀬戸さんは、高校2年生になって、どんなことを始めたのですか?

真剣に漫画を描くため、まずは高校の部活を辞めました。そこから、学校が終わったら、まっすぐ家に帰って漫画を描く日々の始まりです。

初めての漫画制作は、手探りの3か月間でした。僕は、なんとか完成させた漫画を憧れの週刊少年ジャンプの新人賞へ投稿しました。

そのときに何かの賞をとることはできませんでしたが、編集部の人より、励ましの電話をもらえたんです。

それをきっかけに、僕はちょっとずつ、いろんなことを経験しながら、もがきながら、漫画へ取り組み、結果的に一つの進路を見つけられた感じです。

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Q:どんな進路を見つけたのですか?

漫画を使った自己推薦で大学へ入り、漫画家として食べていく、という進路です。

1作目以降も漫画を描き続けた僕は、週刊少年ジャンプとは違う少年誌へ応募し、初めて新人賞をとることができました。それをきっかけに明治大学へ自己推薦で入学できたんです。

それなのに、岡山から出てきたばかりの僕は、すぐに、キラキラと輝く東京の生活のとりこになってしまって(笑)。

大学2年生くらいまでは漫画制作へなかなか本腰を入れられませんでした。

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Q:漫画へ本腰を入れるようなにったきっかけに、心当たりはありますか?

強いてあげると、幼なじみの活躍ですかね。

幼なじみは、当時すでに少年誌で自分の漫画を連載していたのに、自分は大学で遊んでばかり。僕は、その状況にすごく焦りました。

学生生活を振り返ると、ここが一番大変な時期でした。漫画家を職業にしたいと思う僕にとっての本当の闘いは、ここから始まります。

 

漫画、サークル、バイト、大学の4つをやりくりし、つかんだものとは

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Q:一番大変な時期には、何があったのでしょう?

「今すぐに結果がほしい」と思った僕は、新人賞の実績を持って、これまでとは違う、青年誌の編集部へ漫画のアイデアを持ち込んだんです。

青年誌の編集部を選んだ理由は、「僕の考える物語は青年誌向きなのかも」そう思ったからでした。

迎えてくれた編集部の人は僕の漫画のアイデアを気に入ってくれて、僕と編集部の人は、一緒にその青年誌の新人賞受賞を目指すことになります。しかし、当時の僕には、漫画のほかに、文化祭へ向けたサークル活動、アルバイト、授業の3つを並行させる必要もあったんです。

朝まで漫画を描いて、翌日の日中は文化祭の出し物を準備するためのサークル活動が大学であって、大学1年生から続けていたアルバイトも遅刻をせずにやり通し、「4年生は漫画だけを描く」と決めていたので、4年間で必要な128単位のうちの124単位を3年生までの間にとりきりました。

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そうして完成した漫画を、目指していた新人賞へ応募し、結果は、佳作・審査員特別賞を受賞。青年誌での新人賞受賞という成果によって、漫画の進路をさらに開くことができたように思えて、本当にうれしかったですね。

この受賞をきっかけに、次は青年誌での連載を目指し、再び編集部の人と試行錯誤を続け、『君に贈るロードショー』を作り上げました。

今の僕は、プロとして歩き出したばかりで、まだまだ漫画だけで生活できるような状況ではありません。でも頭のなかは、漫画にしたい面白いアイデアでいっぱいなんです。

やっと自分の進む道に、自分で自信を持てるようになったので、これからは漫画だけで食べていけるよう、地道に漫画を描き続けたいと思ってます。

 

重要なのは、デメリットを含めて好きでいられるか

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Q:最後に、好きなことで進路を切り開くためのコツ、アドバイスなどをお願いできないでしょうか?

思うのは、どんなに好きなことでも、「始めてみたら、思ってたのと違うな」ということは、あるだろうなってことです。その「違うな」を含めて、好きでいられるかが重要なんだと思います。

漫画には、自分が面白いと思った物語は、どんなに現実離れした世界観の物語であっても、形にすることができる、という素晴らしい一面があります。

でも、一人で作業場へこもってコツコツと夜遅くまで作業をすることが多い、という孤独な一面もあります。

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何事にもメリットとデメリットがあり、デメリットを含めて好きでいられるなら、その好きなことへ、もっと夢中になっていいのかなって。振り返ると、僕の場合は、そうやって好きなことが進路や将来へつながっていったように感じます。

それを見つけるのは、なかなか難しいことだとは思いますけど、でも、必ずみんなが体験することだとも思うんです。

新しい何かを探すのも手ですが、いま興味のあることをそうした視点で見つめ直すのもありなんじゃないでしょうか……って、アドバイスになってますかね(笑)。

 

まとめ

フロムエーしよ!! 高校2年生で新人賞を受賞! 22歳の漫画家に聞く、好きなことで進路を切り開くための秘訣

いかがだったでしょうか? 漫画、アルバイトを含めた学生生活は、苦労の連続だったようですが、そうした苦労を含めて、好きなことを好きでいられるか、という視点は、経験者ならでは。

みなさんが、デメリットを含めて好きでいられることを学校生活やアルバイトのなかに見つけられるよう願っています。

 

取材、構成、文:verb

撮影:芹澤 裕介

※瀬戸さんは素顔を公表せずに、プロの漫画家として活動を続けています。今回は瀬戸さんのご厚意で、プロフィール用のイラストを描いていただけましたので、そのイラストを取材時の写真へ貼り付けています。

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