ガジェット通信 GetNews

見たことのないものを見に行こう

「あたりまえポエム」が本に! プランナーでもある作者がTwitterにネタを投稿し続けるワケ

DATE:
  • ガジェット通信 GetNewsを≫
「あたりまえポエム」が本に! プランナーでもある作者がTwitterにネタを投稿し続けるワケ

 決して明るい話題ばかりではない昨今、SNSを眺めていれば悲しい事件や憤りを覚えるようなニュースがタイムラインに流れてくることは少なくありません。しかしそんな殺伐としたタイムラインの中に、時にクスリと笑ってしまうような投稿を見かけることがあります。

 昨年11月、Twitterから誕生した「あたりまえポエム」もそのひとつ。「あたりまえポエム」とは、その名の通り、当たり前のことをあたかもポエムかのように呟くというものですが、これが「じわじわくる」「癒される」と大人気なのです。

 そんな話題沸騰の「あたりまえポエム」が、なんと一冊の本になりました。本のタイトルにもなっている『君の前で息を止めると呼吸ができなくなってしまうよ』も、まさしくこの「あたりまえポエム」の好例です。今回は同作の作者である氏田雄介さんにお話を伺います。

—-ご自身のTwitter(@ujiqn)では度々ネット上で話題になる”ネタ”を投稿していらっしゃいますが、まずはこの「あたりまえポエム」が誕生した背景からお聞かせいただけますか?

「Twitterは完全にプライベートのアカウントなのですが、僕自身Twitterが大好きで、よくタイムラインを眺めていました。すると、ある日『ポエムって中身がないよね』というツイートを目にしたんです。これは『ポエムっていかにも意味ありげな言葉を並べているけれど、結局は大したことを言っていないよね』という、”ディスり”のツイートだったのですが、『じゃあ逆に、中身がない言葉を意図的に並べてポエムを書いたら面白いかもしれない』と思ったのが着想の原点でした。綺麗な画像と一緒に『あたりまえポエム』をセットにして投稿したのは、10年くらい前、綺麗な写真にポエムを載せた待ち受け画面が流行っていたのを思い出して、あれをイメージしたんです」

—-書籍化の話はすぐに決まったのでしょうか?

「実は『あたりまえポエム』の前に、同じように『あたりまえ新書』というシリーズも作っていて、ハッシュタグをつけて投稿していたんです。『人は90%が9割』『パワーの力』など、あたりまえのことを新書のタイトルっぽく言うという大喜利ネタだったのですが、たくさんの人がこのネタに参加してくれて、これがある日、まとめ系ニュースサイトでまとめられたんです。でも、なんとも残念なことにそのニュースを見てみたらどこにも発案者だった僕のツイートがない。盛り上がって、埋もれちゃったんでしょうね。ずっといつか自分のネタで本を出したいと思ってもいましたし、ちゃんと『僕が考えました!』という記録を残すためにも、今回は話題になってすぐ知人伝いで出版社の方に『書籍化したいんです』と相談しました」

—-なるほど。「あたりまえポエム」や「あたりまえ新書」のような氏田さん発のネタをよく投稿するようになったきっかけはありますか?

「僕は今、面白法人カヤックという会社でプランナーやコピーライターの仕事をしています。職業柄、クライアントの方から『ネットで話題になる企画を考えてください』と相談されることがとても多いのですが、クライアントの立場からすれば、普段から話題をつくっている人に企画を頼みたいと思うはず。だから、まず自分のTwitterのフォロワーを1万人にしようと思ったんです。面白い投稿をして、フォロワーが増えれば、きっとクライアントの方も『こんな面白い投稿をしている人になら、仕事を頼みたい』と思ってもらえると考えました」

—-自分のTwitterが、クライアントの方への説得力になる、と。

「そうですね。それに先ほどもお伝えしましたが、やっぱりTwitterが大好きなんです。僕、実は『うまいことを言う』のが自分の特技だと中学生くらいから思っていて。あまり人前に出てみんなを引っ張っていったり、ふざけて周囲を笑わせるようなタイプじゃなかったので、学生時代は『あぁ、今こう言えば面白いんだろうけどなぁ』と心の中で思っていたことがよくありました。でも、それがインターネットやTwitterという存在によって、僕でもいつでも『うまいことが言える』ようになった(笑) だから、仕事に繋がるからという理由以上に、こうして自分でいろんなネタを投稿するのが楽しくて仕方ないんです」

—-Twitterでこうしたネタを考える時、気をつけていることやこだわっていることはありますか?

「やはり投稿するタイミングでしょうか。Twitter上のネタは話題になるのも、忘れ去られるのも一瞬ですから、一番盛り上がりそうなタイミングでツイートするのは大事ですよね。お正月、エイプリルフールといった行事から、話題のドラマや映画をパロディにしたものまで、『ここだ!』というポイントを逃さずに投稿する。あと、ツイートする時の言葉にも気を遣っています。文字もひらがなを使うか、漢字を使うかまで考えたり……日々実験ですし、ここで学んだことがお仕事でのTwitterキャンペーン企画で生きたりしているんです」

—-ありがとうございます。最後に、今回出版されるご本のポイントやこだわりを教えてください。

「たまに『作者のツイートをまとめただけの本なのでは?』と思われる方もいらっしゃるようなのですが、作中のポエムはすべて書き下ろしです。ポエムには1ページ毎に男女のラブストーリーが添えられているのですが、これもまた全くと言っていいほど中身がない(笑) 帯にもありますが、『心が震えそうで震えない』世界観を、楽しんでいただければと思います。それと、この本はぜひ読書に疲れた方に読んでもらいたい。世の中には感動する話や中身のぎっしり詰まった本はたくさん溢れていますが、そうした素晴らしい作品って『本を読むぞ』という心構えが必要なんで、かなり重労働なんです。でも、この本はその心構えも一切必要なし! 美しい写真といっしょに、5回くらいは読んでもらえると思いますよ」

*  *  *

 ちなみにあたりまえのことを綴り続ける同作の中で唯一”中身がある”と氏田さんが言うのが「あとがき」。実際、レビューサイトやTwitter上でも「あとがきに感動した」という感想も届いているとのこと。最後のページまでじっくり読みたい一冊に仕上がっています。

■関連記事
ライフハッカーの米田編集長が描く、日本人の「移住地図」
ドローンと一緒にハネムーンへ! BBCで世界的に話題になったカップルの壮大な400日間
珍スポトラベラー・金原みわさんが伝えたい、さいはての現場とは?

BOOKSTANDの記事一覧をみる ▶
  • 誤字を発見した方はこちらからご連絡ください。
  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちらから
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。