発電エネルギー源は“尿”!スタンフォード大学開発の長寿命バッテリーに期待集まる!

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urinebattery先日、胃酸を利用して発電するバッテリーを紹介したが、今回はスタンフォード大学が開発中の“尿”で発電するバッテリーを取り上げたい。

これはアルミニウムイオンバッテリーに、主成分が尿からできた尿素を使った電解物を用いる方法だという。

・2015年にオリジナル版を開発

Hongjie Dai氏を中心とする研究チームでは、2015年にオリジナルバージョンのバッテリーを開発した。これにはEMIC (1-ethyl-3-methylimidazolium chloride、1-エチル-3-メチルイミダゾリウムクロリド)という化学混合物が使われていて、塩化アルミニウムと混ざると、 液体塩、イオン性液体を生み出す。

・尿素ならコストが100倍ダウン

ところでバッテリー開発につきものなのが、物質や生成手順にかかるコストの問題。また、環境問題への影響も気になる。

このEMICは値段が張るため、代替品を探していたところ、尿素にたどり着いたという。尿素は肥料に使われる成分の1つで、EMICに比べると100倍コストが安く、パフォーマンスは良好とのこと。EMICが1キログラムあたり50ドルかかるところ、尿素はたったの0.5ドル。圧倒的なコストダウンが図れそうだ。

・長寿命の充電サイクルも大きな魅力

ただし、普通のリチウムイオンバッテリーと比べると、エネルギー密度は半分以下となる。だが充放電レート特性が高く、不燃性であるため安全性も高い上、コストがはるかに安い。チャージは45分以内に完了するという。

バッテリーのクーロン効率は99.7パーセントと非常に高く、長寿命の充電サイクルが期待できるという。ラボの実験では1500回以上の充電サイクルを達成したとのこと。

・低コストなので大規模発電施設に有用

とにかく低コストがなのがウリなので、プラントなど大規模な発電施設などで有用性が高そうだ。とはいえ、この研究が実用化されるのはもう10年ほどはかかる見込みで、チームではさらなる化学プロセスの改善、改良をおこなっていきたい意向。

Stanford University

 

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