出演順からアデルVSビヨンセの行方まで、匿名協会員が【第59回グラミー賞】を大予想
現地時間2017年2月12日に【第59回グラミー賞】授賞式が開催される。同賞を主催する協会、ナショナル・ アカデミー・オブ・レコーディング・アーツ・アンド・サイエンス(NARAS)の長年の会員で、ノミネート作品と受賞作を決定する投票権を持つ第一線のソングライターが、匿名で2017年の【グラミー賞】の行方を予想した。
<アーティストの出演順>
ニール・ポートノウ(NARASの代表)とケン・アーレック(Ken Ehrlich、製作会社AEG Ehrlich Venturesエグゼクティブ・プロデューサー)の立場だったらビヨンセにオープニング・パフォーマンスを任せるだろうな。彼女に授賞式の開幕を任せて、パフォーマンスの途中でチャンス・ザ・ラッパーを登場させるんだ。そうすることで、トランプ大統領に対する“F— you”という明確なメッセージになるじゃないか。当日のスピーチはそういう内容が満載になるだろうし。そして翌日に彼(トランプ大統領)が全員のことを“過大評価されている”(【ゴールデン・グローブ賞】でのメリル・ストリープのスピーチへのトランプ大統領の反論)とツイートするんだろうね。
<年間最優秀アルバム>
この(米音楽業界)ビジネスが発展したり崩壊したりする中、【グラミー賞】のトップがいまだにすごく企業的なのはおかしいよね。今年の<年間最優秀アルバム>ノミネート作品の内の4つは確かに候補に値するとは思うけれど、全部業界主導な印象がある。そして5番目の“prestige” (世間的に評価が高い)ノミネート作品のスタージル・シンプソン(Sturgill Simpson)に至ってはレコード会社による大プッシュの恩恵を受けたとしか思えない。
自分はドレイクに票を投じたけど、『レモネード』が受賞するだろうね。今の米音楽業界で一番影響力のあるアーティストはドレイクだ。(票を投じたのは)彼が記録した10億回だかなんだかのストリーミング再生回数に報いたかったからだ。でも『レモネード』は、今の時代に危険なほど適している政治的な作品だ。ビヨンセのライバルはアデルだな。ただ、アデルの作品は美しく構成されていてボーカルも非の打ち所がないけれど、当たり障りがないんだよね。そして誰もが『25』が『21』ほど印象的でないことが分かっている。
<年間最優秀楽曲>
ビヨンセの「フォーメーション」のあの落ち着きのない感じがすごく好きで、最初の45秒間が特に素晴らしいと思うんだ。歌詞も素晴らしい。とはいえ、<年間最優秀楽曲>を受賞するほどメロディーが印象的な曲じゃないと思う。ビヨンセはすごいアーティストだけれど、彼女の楽曲は少し過大評価されていると思う。彼女の存在があまりにも偉大になりすぎて、もはや楽曲の質は関係なくなっている。個人的にはビヨンセよりリアーナのシングルの方が優れていると思う。
<最優秀新人賞>
チャンス・ザ・ラッパーだろうね。個人的にはアンダーソン・パークが好きで票も入れたけれど、勝ち目はないと思ってる。チャンス・ザ・ラッパーは完全にムーブメントだったからね。しかもあれがインディーズだったなんて本当にクレイジーだよ。
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