音楽ファンも存分に楽しめる名曲尽くしの映画『SING/シング』サウンドトラック(Album Review)
全米では2016年12月21日に公開された、ユニバーサルとイルミネーションのタッグ最新作『SING/シング』。映画の大ヒットを受け、12月9日に発売されたサウンドトラック盤が、最新の米ビルボード・アルバム・チャートで21位から8位に急上昇し、最高位を更新した。
『シング』は、動物たちの住む街を舞台に、劇場を再建するため、コアラのバスター・ムーンが活躍するミュージカル・コメディ。笑える、泣けるシーンはもちろん、“歌”も映画のみどころの一つで、同サントラ盤には、キャストに加え、名だたるシンガーたちが参加している。
先行シングルとしてリリースされた「フェイス」は、ソウル界のレジェンド、スティーヴィー・ワンダーと、現代のポップ・クイーン、アリアナ・グランデのコラボ曲。2人が掛け合うように歌う、ミュージカル調のナンバーで、12月16日には、オーディション番組『ザ・ヴォイス』で披露され、話題を呼んだ。
本作は、キャストによるカバー曲が主となっていて、ゴリラのジョニーを演じるタロン・エガートンは、ゾンビーズの「ザ・ウェイ・アイ・フィール・インサイド」(1965年)を、原曲のイメージを崩さないよう、丁寧に歌い上げている。今年ブレイクが期待される、カリフォルニア州出身の女性シンガーソングライター、トリー・ケリーは、象のミーナ役を担当していて、2016年11月に死去した、レナード・コーエンの「ハレルヤ」(1984年)、そして同サントラ盤にも参加している、スティーヴィー・ワンダーの「くよくよするなよ」(1974年)の2曲を、トリーらしく、ポップに仕上げた。
『アベンジャーズ』シリーズで、日本でも知名度を高めた女優、スカーレット・ヨハンソンは、『サタデー・ナイト・ライブ』のレギュラーを務めた、ベック・ベネットとデュエットし、母ブタのロジータを担当した、女優のリース・ウィザースプーンは、コメディアンとして活躍しているニック・クロールと、ショッキング・ブルーの全米No.1ソング「ヴィーナス」(1969年)をカバーしている。サントラ盤ならではのコラボレーションも、聴きどころ。
ハツカネズミのマイク役を務めるセス・マクファーレンは、その美声を活かし、フランク・シナトラの名曲、「レッツ・フェイス・ザ・ミュージック・アンド・ダンス」と「マイ・ウェイ」を見事に歌い上げている。2016年1月に急死した、デヴィット・ボウイと、ロックバンド、クイーンの共作による「アンダー・プレッシャー」(1981年)は、キャストによるカバーではなく、原曲として10曲目に収録された。
2006年の大ヒット映画『ドリームガールズ』で大ブレイクを果たしたR&Bシンガー、ジェニファー・ハドソンが、アルバムの最後に披露する「ゴールデン・スランバー」と「キャリー・ザット・ウェイト」のビートルズ・メドレーは、見事としか言いようがない。さすがと唸らせるジェニファーの圧倒的歌唱力に、映画のエンディング・シーンが目に浮かぶようだ。
映画『SING/シング』は、2017年の3月17日に日本公開予定。本作を聴いてから映画を観ると、また違った楽しみ方ができるかもしれない。
Text: 本家 一成
◎リリース情報
『SING/シング』
サウンドトラック
2017/3/8 RELEASE
2,700円(tax incl.)
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