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建築の聖地「メム メドウズ」を訪ねて[前編] 実験住宅を楽しむ

建築の聖地「メム メドウズ」を訪ねて[前編] 実験住宅を楽しむ

北海道に“建築の聖地”ともいうべき場所があったなんて、この地に移住して5年になるが、まったく知らなかった。その名はメム メドウズ。実験的な住宅が多数建てられており、これまでの常識を覆すような新鮮な体験ができる場だ。

北海道には、まだまだ知らないスポットがたくさん。メム メドウズってなに?

あるとき、SUUMOの池本洋一編集長から「メム メドウズを取材してみないか?」という依頼があった。「メム メドウズって?」 初めて耳にしたこの名前に、最初はピンとこなかった。ネットで調べてみると、十勝地方の大樹町という街にあり、運営母体は住宅設備機器メーカーで業界最大手のLIXILが設立したLIXIL住生活財団。世界的な建築家として知られる隈研吾さんが設計した住宅をはじめ、実験的な建築の数々が建っているという。なにやら面白そうな場所というのは分かったが、建築というのは写真や図面だけでは全貌がつかめない。とにかく取材に行ってみることにした。

わたしが住んでいる岩見沢から大樹町までは車で約3時間半。今回はJRで向かうことにしたが、今夏の台風の影響で一部区間が代行バスによる運行となっており、待ち時間を合わせると現地までたっぷり5時間以上!

電車とバスを乗り継ぎ帯広へ行き、大樹町の地域おこし協力隊の中神美佳さんに送迎をしてもらい、ようやく施設に着いたのは夜8時ごろだった。あたりに街灯はなく月明かりだけの世界。満天の星に心を奪われつつも、暗くてどんなところかまったく分からない不安を感じながら、この施設に一泊させてもらうことになった。【画像1】約5万6000坪という広大な敷地のなかで、この日宿泊したのはわたしだけ。なんとも贅沢な気分だが、一抹の寂しさも。夜が明け馬を見たとき心が和んだ(写真撮影/來嶋路子)

【画像1】約5万6000坪という広大な敷地のなかで、この日宿泊したのはわたしだけ。なんとも贅沢な気分だが、一抹の寂しさも。夜が明け馬を見たとき心が和んだ(写真撮影/來嶋路子)

もと競走馬の牧場を改修。環境全体をリノベーションするビッグプロジェクト

まだ薄暗い早朝。気温はマイナス4度ほど。ひんやりとした空気のなか、外へ出てみることにした。地平線から太陽が次第に昇っていくにつれ、メム メドウズの様子が目の前に現れていった。

ここはもともと大樹ファームという競走馬を育てる牧場だったそうで(競馬ファンにとっても“聖地”!)、あちこちに厩舎(きゅうしゃ)や倉庫など、当時をしのばせる建物がある。わたしが泊まったコンファレンス・センターも、もとは厩舎だった建物。回廊にはゲージが残され馬が飼われていた当時を彷彿とさせるが、扉のなかに入ると一転。居心地のよい宿泊施設となっている。【画像2】左:わたしが宿泊したコンファレンス・センター(写真撮影/來嶋路子) 右:回廊には緑色のゲージが残されていた。一般の宿泊施設とはまったく異なる様相が新鮮!(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)

【画像2】左:わたしが宿泊したコンファレンス・センター(写真撮影/來嶋路子) 右:回廊には緑色のゲージが残されていた。一般の宿泊施設とはまったく異なる様相が新鮮!(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)

そのほか競走馬の屋内走路だったという楕円形の大型施設の一部を改修したレストランやバーカウンターもあった。競走馬の施設という特殊な空間を、人間の営みの場へと転換させることによって、いままで見たこともない風景が生まれていることに驚かされた。

「この場所には堆積した時間があるからこそ、ここがとても新しく感じるんです」と、リノベーションを手掛けた隈さんは、施設内で見られるメム メドウズの紹介映像のなかで語っていた。

このほか、建築家の伊東豊雄さんが改修を手掛けた建物もあった。もと牧草保管用倉庫に大きな暖炉とキッチンカウンターを新設。ワークショップスタジオへとなり、人々がこの場に集うきっかけをつくり出している。【画像3】楕円形をした馬の屋内走路につくられたバーカウンター。隈研吾建築都市設計事務所が改修とインテリアデザインを担当。大型の建物のため改修は一部のみ。今後さらに新しい施設が設置される予定だ(画像提供/LIXIL住生活財団 (C)Erieta Attali)
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