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京の路地奥に潜む「日本酒BAR あさくら」でヘンタイ酒に出会う【京都】

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営業マンからBAR店主へ

こんにちは、メシ通レポーターの泡です。

最近夢中になっている「打首獄門同好会」というバンドの曲で『日本の米は世界一』というのがあるんですが、お米は本当に素晴らしい食べ物ですよね。どうしてあんなにうまいのか。食べても食べても飽きないのか。和食にも洋食にも中華にも合うって天才にもほどがある。食べても太らないようになってたらもっといいのに。

……で、食べるのは当然、米を使って醸す日本酒も大好きなわけです。すきあらば飲みたい。知らない酒を知りたい!

今回ご紹介するのは、京都は木屋町にある「日本酒BAR あさくら」。周りの飲兵衛に品揃えが個性的だとすすめられたお店です。

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地下鉄東西線の京都市役所前駅②出口から東へ。

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木屋町通を南へ下がり、東側にある1本目の路地へ入ります。

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日が暮れるとこんな感じ。両側にぱらりと飲食店が並んでいます。

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右側にある看板を目印に。

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f:id:mesitsu_la:20161024065034j:plain細い階段を上がった2階の右手にあります。

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バックバーには一升瓶がずらり。店内はカウンター7席とテーブル1卓。

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店主は朝倉康仁さん。洋書の専門書を扱う営業マンを経て2005年に自店を開店した、一風変わった経歴の持ち主です。

なぜ日本酒を専門に扱おうと思ったのでしょうか。

「学生時代から日本酒は好きでした。といっても、20年くらい前だから今ほど地酒があれこれ飲めたわけじゃなくて。大バコ居酒屋さんで出てくるナショナルブランドのものでもおいしく飲んでたんですよね」

コンパとかで飲まされたその手の酒がもとで、日本酒嫌いになった人もけっこういますよね。実は私もあれにはだいぶやられました……。でもめげずに飲み続けてますけどね。

「そうなんです。僕の周りも『日本酒? 苦手や』『飲みたくない』という友人ばかりで。まぁ僕はそんな中でも飲み続けていて、元が凝り性なのもあって試飲会なども積極的に参加していたんです。当時、日本酒は人気がなくて、若い参加者はほとんどいなかったから目立ってたんでしょうね。蔵元さんたちもいろいろと話してくれるようになって、ますます心酔していきました」

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その頃はいまほどネットも発達していなかったので、情報はほぼ人づてだったそうです。だからこそ、ひとつずつが貴重で縁深いものだったんでしょうね。

「造り手の話を聞くにつれ、こんなに一所懸命いいお酒を造ってるのに、飲まず嫌いの人が多くて虐げられてるなぁと感じました。お酒のおいしさを誰かが世に知らせなければならない。そのために僕ができるのは何だろうと考えた結果、飲食店をしようと思ったんです」

「どんなスタイルの店にしようかと考えたとき、料理+お酒だとどうしてもお酒は脇役のイメージになってしまう。それではダメだと思いまして。例えばウイスキーなら料理がなくてもそれだけで成り立つのに、なぜ日本酒はそうじゃないのかと。それなら僕が日本酒を主役にしたバーを作ろうと思ったんですよ」

酸っぱい酒から○○の20年古酒まで!

扱うお酒は銘柄や地域で選ぶのではなく、「単体で楽しめる」というのが基準。

全国の酒屋さんから取り寄せる在庫は常に100種以上。すべて朝倉さんがそうやって選んだものです。

「味わい的には、すっきりしたものからいわゆるヘンタイ系の濃い酒まで広く揃えています。メニューには書ききれないので、普段飲んでいるお酒やその日の気分、食べてきたものなどをお伝えいただいて、お好みに合うものを選ばせてもらいます」

初めてならこちらを、とすすめられたのがきき酒セット。3種類のお酒を60mlずつ味わえるので、より多くの味に出合えます。

私は「篠峰」(奈良・千代酒造)、「早瀬浦」(福井・三宅彦右衛門酒造)などのスキッとしたお酒が好みなのでそう伝えて選んでもらいました。

「全部その系統にしますか? それとも違うタイプも飲まれます?」と聞かれたので、ぜひとも違うタイプもとお願い。どんなん来るかな~、ワクワク!

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きき酒セット1,620円~(お酒の種類によって変動)。

左から、「美和桜 特別純米」(広島・美和桜酒造)、「花垣 米しずく 純米ひやおろし」(福井・南部酒造場)、「田从(たびと) 山廃純米 21BY」(秋田・舞鶴酒造)

来ました!

「左から順にお飲みくださいね。『美和桜』はちょっと香りがあってわりとサラッとしたタイプです」

おお、これはまさに私の好きなタイプ! 人に例えると、背筋が伸びた薄化粧の夏着物美女。はかなげなようで芯はしっかりしている感じ。

「真ん中の『米しずく』は、米の香りが豊かですが、火入れしてあるのでシュッとした味わいです。若草系ですね」

なるほど、先の一杯に比べるとお米のふくよかな風味が前面に出ています。これはあれだ、働き者な農家の若いお嫁さん(色白お多福顔)。彼女が作るおむすびはなぜかうまい、そんなタイプ。でももんぺに隠れた脚は意外にすらりとしてる、みたいな。

「最後の『田从』は古酒です。でもいい意味で古酒っぽすぎないところが僕は好きですね」

まず芳醇な香りが鼻孔をくすぐります。確かに古酒特有の深みはまだないものの、ちょっとチョコレートっぽい香りが面白い。思わぬ所で知り合った褐色肌の年齢不詳な美女を思わせます。もっと彼女のことを知りたくて追いかけるとスッと逃げるような(味の余韻にキレがあるので)……って私の妄想、オッサン入りすぎでしょうか。大丈夫ですか。

朝倉さんがおっしゃるように、どれもお酒だけで完結して楽しめます。

いつもはしっかりと食事をしながら飲む派の私も、気づけばこれだけでけっこうな時を過ごしていました。

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とはいえ、付きだし(チャージ 540円)のほか、酒肴も10品以上揃ってます。やわらぎ水も添えてくれるのがうれしい。

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ほやの塩辛 702円。この海のマンゴーのような香り、大好きだ! ちびっとひと切れ口に含んでお酒をツィー……たまらん。

お次は、私の好みではなく、朝倉さんに「このお店らしいものを」という視点で選んでもらった3種類を。

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「花嵐 純米大吟醸 生原酒」(滋賀・吉田酒造)

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「舞美人 山廃純米」(福井・美川酒造場)

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「小笹屋 竹鶴 生酛 純米生原酒 18BY」(広島・竹鶴酒造)

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左から、「花嵐」「舞美人」「竹鶴」。

「まず『花嵐』は、流行りには関係なくしっかりとしたうまい酒を造る蔵元の姿勢が好きで。知名度がまだそんなにないので、多くの人に知ってほしいと思っているんです」

「『舞美人』は、実は僕の実家の近所で造られているお酒。ここも面白くて、時代に逆行した甘くて重くてもったりした酒を造ったりしていたんですけど、近年山廃仕込みを始めてから酸のあるお酒をウリにするようになったんです。最初はちょっと驚くほど酸味があるというか酸っぱいでしょ?(酸っぱかったです)でもこれがイイ!」

そして『竹鶴』は石川達也杜氏の造りに感銘を受け続けているお酒。酵母を健全に完全発酵させることで、口の中でスパッとキレるお酒になるんです。『人がお酒を造るのではなく、微生物たちが造る環境を整えてお手伝いするだけだ』という石川杜氏の考えも素晴らしいと思います。これは10年古酒ですが、余韻が深いのにキレるでしょう。こういうことなんです」

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メニューには必ずフルーツを1、2種類。「途中で口の中をリフレッシュしたり、最後にデザートとして食べてもらったりしています」。りんご 432円。

1本ごとに、そのお酒がもつ背景と物語があり、それを知ることでより楽しく味わえるということを朝倉さんに教えてもらった気がします。

「人見知りなんで、実は話すのが苦手」とのことですが、お酒に関して話すときの真摯かつ楽しそうな表情はそう思えないほどいきいきとしていました。

常連さん曰く「ここはお酒の話だけじゃなくて、自転車やサッカー、読書からゲームまでいろんな話題を楽しめる」そうで、通うほどにさらなる魅力にハマる予感。

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そして最後に味見させてもらったのは、なんと「大関」の20年モノ!

「最初はすっごく香りがよくてびっくり。そして飲んでみたら香りを裏切るようなあっさり味にまたびっくり(笑)。不思議です」

確かに衝撃的な味でした。こんな洒落の効いたお酒まで揃える懐深さに改めて感服。

ここに来れば、予期せぬお酒との出合いがきっとあります。ぜひあの階段を登ってあさくらワールドに飛び込んでみてください。

店舗紹介

日本酒BAR あさくら

住所:京都府京都市中京区木屋町通御池下ル一筋目東入ル 大久ビル2F

電話番号:075-212-4417

営業時間:19:30~1:00(LO 0:00)

※不定期で昼酒営業あり。スケジュールはブログで確認を。

定休日:火曜日、第2・4水曜日

ブログ:http://ameblo.jp/sakebar/

※金額はすべて消費税込です。

※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新情報はお電話等で直接取材先へご確認ください。

書いた人:泡☆盛子

泡☆盛子

ライター。沖縄出身、京都在住。京都の水というか食がカラダに合い、40kg肥えたのが自慢。立ち呑みと、おかずケース食堂での昼酒が好き。

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