体験を伝える―『ガジェット通信』の考え方

面白いものを探しにいこう 本物を体験し体感しよう 会いたい人に会いに行こう 見たことのないものを見に行こう そしてそれをやわらかくみんなに伝えよう [→ガジェ通についてもっと詳しく] [→ガジェット通信フロアについて]

全国の公務員は、もっと自ら動いて欲しい!塩尻市職員・山田崇の挑戦

f:id:tyo-press:20161202120743j:plain

塩尻市のプロモーションのため、年間に100回近くの講演を行う長野県塩尻市職員の山田崇さん。

地元商店街の空き店舗を借り、さまざまなイベントを仕掛ける「空き家プロジェクト nanoda(ナノダ)」や、ソフトバンクやJTなど民間企業のメンバーと共に地方の先進課題について行政施策立案を行う「MICHIKARA(ミチカラ)」。彼を中心とした斬新かつユニークな取り組みは、全国から多くの注目を集めています。

山田さんが考える地方移住・UIターンへの課題や、地域創生についての意見をインタビューしました。

<プロフィール>

山田崇(やまだ たかし)

1975年塩尻市生まれ。千葉大学工学部応用化学科卒業。長野県塩尻市職員。空き家/空き店舗を活用した「空き家から始まる商店街の賑わい創出プロジェクトnanoda」を2012年より開始。2014年「地域に飛び出す公務員アウォード2013」大賞を受賞。「公務員っぽくない公務員」として注目を集めている。

始まりは、個人の時間と資金を費やした活動から

——山田さんが千葉大学を卒業後、地元・長野県塩尻市に戻って就職したのはなぜだったのですか?

f:id:tyo-press:20161202121854j:plain

私の実家はレタス農家なのですが、一度地元を出たのは農家の手伝いをさせられるのが嫌だったから(笑)。ですが私が長男ということもあり「戻ってこい」と言われ、実は公務員試験も親の勧めでイヤイヤ受けたんです。当時、私自身は建築関連の仕事に就きたくて、設計事務所や住宅メーカーの内定も取れていました。でも結局、公務員試験に受かってしまい……。

父親から「一週間でいいから行ってみろ」と言われたのでいざ勤めてみたら、配属先が税務課の固定資産税係で、新築の家を見て評価するという仕事だったんです。年間で500~600件の家を見ることができたので「将来建築の仕事につくときにすごく役立つぞ!」と非常に興味が湧きました。市役所にこんな仕事があることも知りませんでしたし、先輩にも恵まれてすごく楽しかったというスタートでしたね。

——そして、現在のシティプロモーション係に就任した経緯は?

その後、市町村が共同で広域消防を運営する消防局「松本広域連合」に出向しました。そこは消防のほか、介護や観光などを市にとらわれない広域で活動をしています。その環境下で、外から塩尻市を見たことが大きな転機でしたね。

また、これまで私自身が市民活動をしたことがないのに市民活動の支援をする点にも疑問を感じました。そこで私も勤務時間外に自分の時間とお金を使って、興味のある分野から地域活性の活動を始めたんです。

私、元ナンパ師としてTED×Sakuに登壇しているとおり「モテたい」という気持ちがあるんです(笑)。若い人にもっと集まってもらいたいし、彼らを応援したい。そこでキーワードになったのが「アート」でした。

例えば、長野県には美大がないので美術の勉強をしたい高校生は東京へ行ってしまいます。一方で、長野県には木曽平沢という漆器の産地があり、東京芸術大学の学生が漆を創作活動に使うために空き家を借りて、都心から3~4時間かけて通ってきます。でもその事実を、美大を目指す地元の高校生は知らない。 この行き違いを結びつけようと開催した「Shiojiring(シオジリング)」というアートのワークショップが最初の活動でした。

その後空き家を借りて始めた「nanoda」も、実は私のアート作品のひとつ。3ヶ月間、朝7時から夜8時まで目的を持たずにシャッターを開けて、空き家にいる様子をインスタレーション作品にすることが目的でした。そして私以外の若い人たちも空き家を利用するようになっていったんです。

1 2 3次のページ
リクナビNEXTジャーナルの記事一覧をみる
  • 誤字を発見した方はこちらからご連絡ください。
  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちらから
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。