映画『悪人』にも登場した「いか本家」で、呼子名物「ゲソの躍り食い」を体験【佐賀】
映画『悪人』のロケ地になったお店
「九州で新鮮なイカを食べたい」そんなときに行くべきなのは……そう! 佐賀県最北部にある港町、呼子!
……突然すいません、メシ通レポーターの栗山です。
無性に美味しいイカを食べたくなって、気持ちのいい秋晴れの中、佐賀の呼子に足を運んできました。
平日の昼過ぎということもあり、人通りもそこまで多くなく穏やかな様子。
呼子は日本三大朝市の一つに数えられる「呼子朝市」や海産物で知られる観光地。特にイカが名物とされ、漁港周辺には10店舗ものイカ料理店が軒を連ねています。
そして今回は「躍り食い」ができると評判の「いか本家」を訪れました。
看板には「名物 ゲソの踊り食い」とあります。
そして入口にこんな看板が!
そう、こちら「いか本家」本店は2010年に公開された映画『悪人』のロケ地とのこと。
ん? 『悪人』は見たことあるけど、こんなお店が出てくるシーンあったかな……?
とりあえずお店の中に入ってみます。と、すぐにたくさんのイカが泳いでいるいけすが!
ここから活きのいいイカを出すんですね。
2階に案内され、畳とそこから見える漁港の光景を一望。
あ! この眺め……思い出した!!
映画の中で妻夫木聡さん演じる清水祐一が殺人事件を起こし、馬込光代(深津絵里さん)を連れて逃避行した際、最初に訪れた場所ですね。
この席で祐一は重大な告白をするのですが、こんなにのどかなお店で、なんとも悲しく切ないシーンが繰り広げられていたとは。
吸盤が口の裏に張り付く!
それはさておき、目的はイカです。
「いか活造り定食」を注文して数分後、運ばれてきました!
▲「いか活造り定食」(2,700円)
おかずはメインのイカの活造りに加えて、
イカしゅうまいや、
イカの煮付け、
小鉢(この日はイカしゅうまいのあんかけ)も付いてます。
それではお待ちかねの活造りをいただきます。
おおお!!
いけすから上げてきたばかりとのことで、お皿に盛り付けられているもののまだ元気に動いています!
そして、「いか本家」独自の食べ方という「げその躍り食い」!
お客さんの目の前で、お店の方がハサミで生きた状態のイカを切ってくれます。
なんとこちら「いか本家」が特許を取っているので呼子にある他のイカ料理店では体験できないそう。
切断しても、醤油をかけると……まだまだ動いてます!
そのまま口に入れます。
ん?
きゅ、吸盤が口の中で張り付いとるっっ!
口の中のイカと格闘し、なんとか飲み込みます。歯ごたえがありますね。
それにしても、日頃よく見るイカは真っ白のものが多いので、こんなに透きとおったイカはなかなかお目にかかれません。
まだ生きていて元気な状態なのでここまで透明なのであって、料理として出されてしばらく時間が経ってしまうと、やはり徐々に白くなってきます。
出てきたら早めに召し上がりましょう。
新鮮なイカが食べられる理由は
それにしてもこの鮮度。お店の方にお話を聞いたところ、
イカはまったく養殖ができずデリケートなため、長生きできません。水揚げしたイカは直接海水を引き込んだ生けすで管理し、活きが良いうちにお客様へご提供しております。(お店スタッフさん)
なるほど、新鮮で活きのいいイカだけを提供しているんですね。どうりであんなに吸盤が吸い付くわけかー。
イカには種類があって、5月頃から10月頃までに捕れるイカは「ケンサキイカ(呼子ではヤリイカとも呼ばれている)」と言われ、甘みが強く歯ごたえがあります。透明度も高いので、活造りにしたときの見た目も非常に美しいですよ。
一方で11月頃から3月頃までが旬なのは「アオリイカ(呼子ではミズイカとも呼ばれます)」。ぽっちゃりした形状で見た目からしてケンサキイカと大きく異なります。食べるとケンサキイカほどではありませんがこちらも甘味があり、身が厚く柔らかいんです。(お店スタッフさん)
調べてみると、「アオリイカ」は「イカの王様」と呼ばれているほど美味しいイカとされていますし、「ケンサキイカ」の方はスーパーで一般的に売られているイカとは価格が10倍ほど違う高級物だそうです。
「せっかくイカを食べに呼子に行くなら旬の時期に行きたい!」というのは当然かと思いますが、このように2種類、旬の時期が異なるイカをお店が提供してくれるので、
結果的にはいつ呼子に行っても美味しいイカを食べられます。
ちなみに今回僕がいただいたのは「ケンサキイカ」でした。ちょうど「アオリイカ」に切り替わろうとしていた時期で、今年最後といったところでしょうか。
天ぷらにして持ち帰りもOK!
活造りを食べ終えると、残ったヒレと足の部分は天ぷらにしてもらえるとのことでお願いしました。
こちらが天ぷら。
塩もしくは天ぷらのつゆでいただきます。
揚げたてで衣はサクサク。
中のイカは揚げたことでより柔らかくなったように感じます。
「いか活造り定食」はなかなかボリュームがあるので、お腹が満たされて箸が止まっていると、お店の方からうれしい一言が。
天ぷらはお持ち帰りもできますよ。(お店スタッフさん)
こんな可愛らしいイラストの描かれた、スタイリッシュなデザインの箱に詰めてくれます。
天ぷらにするのも、お持ち帰り用の箱も無料! 活造りの料金に含まれているとのことです。
福岡や熊本、さらには関西や関東からも多くのお客さんがイカを求めて集まる佐賀の呼子。美味しいイカを食べに来ませんか?
お店情報
いか本家 本店
住所:佐賀県唐津市呼子町呼子3086-2
電話番号:0955-82-5511
営業時間:10:00~不定 ※閉店時間は要問合せ
定休日:不定休
ウェブサイト:http://www.ikahonke.jp/
※金額はすべて消費税込です。
※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新情報はお電話等で直接取材先へご確認ください。
書いた人:栗山遼(くりやまりょう)
1989年生まれ、福岡で活動する編集者・ライター。「働き方を変えた人たち」を特集したリトルプレス『HOWLAND』を創刊。ライターとしては雑誌『ケトル』、ウェブサイト『福岡移住計画』などで執筆中。イベントのディレクションや企業のブランディングにも携わっています。和食好きです。
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