トランプ氏と“グリコ・森永事件”犯人の意外な共通点

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トランプ氏と“グリコ・森永事件”犯人の意外な共通点
J-WAVEで放送中の番組「JAM THE WORLD」(金曜ナビゲーター:青木理)のワンコーナー「BREAKTHROUGH!」。11月11日(金)のオンエアでは、“グリコ・森永事件”を題材にし、第7回山田風太郎賞を受賞した小説『罪の声』の作者、塩田武士さんが登場しました。

グリコ・森永事件は、1984〜1985年にかけて食品メーカーへ相次いだ脅迫事件。犯人は「かい人21面相」を名乗り、脅迫、役員の誘拐、商品への毒物混入、現金の恐喝などを繰り返しました。さらに、警察やメディアなどに挑戦状を送りつけるなどして、「劇場型犯罪」という言葉を生むきっかけにもなった事件です。2000年には一連の28件の事件が時効となり、警察庁指定事件では初の未解決事件となってしまいました。

現在37歳の塩田さんは関西出身で、事件当時は4〜5歳。母親から「お菓子食べたらあかん」と言われたことを強烈に覚えていたそうです。その後、大学でたまたま同事件のノンフィクションを読んだところ、初めて「子どもの声を録音したテープを犯行(脅迫電話)に使った」ことを知ったそうです。

「その利用された子どもの最年少は、だいたい僕と同じくらいで関西で生まれ育った…ということがわかったときに鳥肌が立ちまして。ひょっとしたら、この子とすれ違っていたかもしれないし、この子と僕が入れ替わっていたかもしれない…と感情移入したんです」(塩田さん)

もともと小説家になりたかった塩田さんは、同事件を小説にしたいと思い、勉強のために新聞記者の仕事を経て事件の取材にとりかかり、今回の執筆に至ったそうです。実際に取材をしていく中で塩田さんは改めて「凶悪事件だった」と感じたとか。

「一番は、青酸ソーダをお菓子に入れたこと。たまたま亡くなった子どもがいないだけで、食べる可能性は十分ありました。もう一つは、お上を揶揄したユニークな挑戦状を送りつけたことで、ある種“アンチ・ヒーロー”的な扱いを受けていますが、その裏で企業にはひどい言葉で脅迫状を送っていました。この陰と陽の使い分けを一つひとつ確認していくと、冷酷な犯人であって、決して『ルパン三世』のように格好良く描かれる人物ではないと改めて思いました」

同事件により被害を受けた企業はかなり追い込まれ、これにより解雇されたパートの人々の生活などが脅かされたそうです。

オンエアでは、犯人の動機や犯人像などについて話が展開していきましたが、最後にナビゲーターの青木が、今話題のあの人と同事件の意外な共通点について言及しました。

青木:犯人はメディアを利用したところがあるわけですよね。トランプさんが暴言をバンバン吐いたっていうのもメディアを利用しているわけです。面白く、劇的に動いていけばメディアは食いついていってしまい、逆に犯人を喜ばせて使われてしまう。まさに「劇場型犯罪」の最初でしたよね。

塩田:その点で犯人が狡猾だったのは、特定の新聞社に挑戦状を送っていたんですね。「ウチだけが情報を持っている、ヨソには載っていない」っていう商業主義みたいなところを突いてきて。そこは巧みに利用されたなと思いますね。

青木:「特ダネだ」ってなると犯人に利用されちゃう。それじゃまずいからって報道協定を結んでしまうと、今度は読者・視聴者の“知る権利”に寄与しなくなる、と。だからある種この事件は、両極端に報道・マスメディアの問題点が出ていますよね。

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【番組情報】
番組名:「JAM THE WORLD」
放送日時:平日 20時−22時
オフィシャルサイト:http://www.j-wave.co.jp/original/jamtheworld/

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