映画『PK ピーケイ』ラージクマール・ヒラーニ監督インタビュー「次はドキュメンタリーでこのテーマを撮りたい」

access_time create folderエンタメ 映画
PK3feofp

日本でもロングランヒットを記録したインド映画『きっと、うまくいく』のラージクマール・ヒラーニ監督と、アーミル・カーンが再タッグ! 映画『PK ピーケイ』が現在大ヒット上映中です。

本作は、大きな失恋を経験後、インドのテレビ局で働く女性主人公が、“PK”という名の宇宙人と出会い「神様」探しを手伝うという、笑って泣けるヒューマンドラマ。観た人の多くが「笑えるのに考えさせられる」「暖かい気持ちになった」と絶賛しています。今回はラージクマール・ヒラーニ監督のインタビューをご紹介。映画について、なぜこのテーマについて描こうと思ったのか? 色々とお話を伺ってきました。

PKピーケイ

―映画、大変楽しく拝見しました。本作は「宗教って何?」というテーマをコミカルに描いています。そうした難しいテーマに決めた理由を教えてください。

ラージクマール・ヒラニ監督:映画のテーマはいつも自分で選択していますが、「神や宗教」というのは常々自分の中で考えていたテーマなんです。皆さんが語っている神の存在、神のあるべき姿というものに対して、ちょっと違うのでは? と自分の中で違和感を抱いていて、それを映画にしてみようかなと思ったのが、この『PK ピーケイ』です。

たとえばヒンズー教の家庭に生まれれば、ヒンズー教の神を信仰します。キリスト教であればキリスト教を崇めるというように、それぞれ違いがありますよね。「神」という存在は一緒なんい、その違いがあること自体がおかしいのでは? と、昔から不思議に思っていたことがテーマなんです。

―私のイメージでは、インドはとても宗教を大切にしている国です。本作を作るにあたって反発等はありませんでしたか?

ラージクマール・ヒラニ監督:私の場合、『きっと、うまくいく』等、過去の作品が成功していることが、ラッキーな要因でした。通常であれば、こういうテーマを選択した場合、資金が集まらなかったと思うんです。それで映画化が実現したわけですが、この作品も幸運にもインドでヒットした、また作品を作り続けられます。

―その監督の疑問が発案になっている『PK ピーケイ』ですが、そのメッセージをアーミル・カーンさん演じる“宇宙人”が伝えていくのが、とても面白いアイデアだなと思います。

ラージクマール・ヒラニ監督:PKという宇宙人の存在を通して、観客にそれなりに伝える手段を選んだのは、彼は事情がわかっていないから、人々に神や宗教を問いただすことをしないんですね。自分が単に何もわかっていないから、純粋に聞いているんです。子どものように純粋な宇宙人だから、こういう描写になりました。神は何かと探し求めていく旅路の過程で、自分たちがいかに愚かしい存在であるかということを客観的に知る、それがPKという純粋な存在だからこそ出来るのです。

―なるほど、確かにPKの純粋なストレートな疑問には、日本の観客もハッとさせられる事が多いと思います。

ラージクマール・ヒラニ監督:自分たちの存在意義については皆が思っていることだけれど、この先も見つからない答えだと思います。そもそも、答えをみつけるためにこの作品を作ったのではなく、思ったことを表現したかっただけなんですね。私はこの映画で問いかけはしていますが、答えは誰も分からないのでは? とも思っています。疑問に感じる事が大切なのだと。

―そうした全世界の方に通じる深いテーマなのに、映画を観ている時はただ笑って泣いて楽しめるのが素晴らしいですよね。

ラージクマール・ヒラニ監督:メッセージを伝えすぎると観客を退屈させてしまうかもしれませんし、伝えすぎないと中身がなくなってしまうのでそこのバランスが難しかったです。フィクションを作る限りは観客を笑わせたいという思いがあるので、こういう構成になりました。いつかは同じテーマでドキュメンタリーを作りたいと思っています。

―その映画を観れる日をとても楽しみにしております。今日はどうもありがとうございました!

http://pk-movie.jp/

(C)RAJKUMAR HIRANI FILMS PRIVATE LIMITED

  1. HOME
  2. エンタメ
  3. 映画『PK ピーケイ』ラージクマール・ヒラーニ監督インタビュー「次はドキュメンタリーでこのテーマを撮りたい」
access_time create folderエンタメ 映画

藤本エリ

映画・アニメ・美容に興味津々な女ライター。猫と男性声優が好きです。

ウェブサイト: https://twitter.com/ZOKU_F

  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。