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気軽に石釜をDIY! 自宅でピザパーティーも夢じゃない!?

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石窯で焼き上げたナポリ風ピッツアは、香ばしい薪のフレーバーとパリッとした生地がなんとも美味。最近では「石窯キット」なるアイテムを使って自ら石窯をつくり、充実の「石窯ライフ」を送っている人が少なくないらしい。自宅で気軽に夢の石窯ピザパーティーができるのかどうか、そのヒントを探ってみた。

石窯の基本的な仕組みを知ろう

石窯料理の定番「ナポリ風ピッツア」。そもそも「ピッツア」と「ピザ」の違いや「ローマ風」と「ナポリ風」の違いなど気になる点はあるものの、それに関しては本題から外れるので省略するとして、まずは主役となる石窯の種類を調べてみた。

話を聞いたのは石窯キットを通信販売しているwebサイト「薪クラブ」を運営する、石谷林業。その社名が示すとおり、木材会社として薪も販売しており、関連アイテムとして10年ほど前から家庭用石窯キットの取り扱いをはじめた。

そもそも「石窯」とは、石、ブロック、耐火セメント、土などでつくった窯の内部で火をおこして調理ができる炉のこと。イタリアンレストランなどでよく見かける石窯は、大型でかなりの重量があり、もはや一種の建造物といえるだろう。

石窯で調理するときは、窯の中で薪などを燃やし、まず内部の温度を十分に上げる。蓄熱性が高い石窯は、しっかり時間をかけて予熱するのがポイントだ。蓄熱された石窯は輻射熱でさらに加熱され、家庭用オーブンでは出せない高温での調理が可能になる。ちなみにピッツアの適温は400度以上。専用の温度計もあるが、内部の黒いススが白く焼き切れたら適温に近い合図だ。

【画像1】薪を燃やしてしっかり予熱をとる。十分温まれば燃料を取り出しても調理できる。家庭用石窯キットなど開口部や炉自体が小さな石窯の場合は炭を利用する(写真提供/石谷林業薪クラブ)

「石窯キット」には果たしてどんな種類があるのか

DIYでつくる石窯キットには、形状の違いにより大きくふたつの種類がある。ひとつは「箱形」と呼ばれ、その名のとおりレンガやブロックを積み上げ、四角い形をしたもの。比較的製作しやすい半面、熱の滞留性にやや劣る。箱形には操作性を上げるため内部が二段構造になったものもある。

【画像2】耐火レンガを積み上げた箱形の石窯。これは二段式で下の開口部から薪を入れ内部を温める。なお薪クラブの全ての箱形の石窯キットは熱の滞留性もしっかり考慮されている(写真提供/石谷林業薪クラブ)

もうひとつは「ドーム型」と呼ばれる石窯。これは蓄熱性にも優れ、輻射熱が素材に集中する点、見た目の美しさなど、あらゆる点で理想的な形状をしている。欠点としては、製作に熟練の技が必要で、素人ではなかなか手が出せないことだろう。

とはいえ「石窯キット」のドーム型は、すでにドームが耐火コンクリートで成型されていて、設置場所さえ確保できれば比較的簡単に手に入れることができるのがうれしい。

【画像3】見た目もおしゃれなドーム型。しかしこれをイチからつくるにはそれなりの技術が必要だ。(写真提供/石谷林業薪クラブ)

「薪クラブ」で取り扱っている「石窯キット」の価格は3万円台から80万円台と幅広い。金額が大きくなればなるほど、石窯も大型化して見た目も本格的になる。80万円は無理でも3万円台からと聞けば、少しばかり奮発すれば十分手の届く範囲だろう。

はたして石窯は住宅街で設置できるものなの?

石窯キットの購入層は30代以上の人で「庭付き一戸建て」、もしくは「郊外に別荘」を所有する人に限られるようだ。これはつまり石窯を設置するための屋外スペースを確保できる人たちといえる。その広さは石窯の設置場所と作業スペースなど含め「畳2畳分」。この広さなら、郊外の別荘購入は無理だとしても、自宅の庭を活用できる人も多いはず。

例えば「耐火レンガ製家庭用ミニ石窯キット」(3万2054円/税込)なら、必要なときに耐火レンガを積み上げて、箱形の石窯をわずか15分程度でセッティングできる。レンガを固定しないので、使わないときはコンパクトに収納できる優れもの。

【画像4】「耐火レンガ製家庭用ミニ石窯キット」は簡単に設置でき、分解収納もできる。アレンジ自由で入門者にはおすすめ。※下のコンクリートブロックは付属しない(写真提供/石谷林業薪クラブ)

住宅街で石窯を使用する際にもうひとつ気になるのが、燃料を燃やす際の「煙」。薪クラブストアマネージャーの日下直紀さんによると「田舎だと石窯から煙が上がっているのを見ると、ご近所の人も一緒に石窯を楽しみに集まってくる(笑)」らしいが、都市部の場合、近所迷惑はもちろん、火災と誤解されたり、なにかとトラブルになる可能性もある。

煙を減らす方法として、スギやヒノキなどの針葉樹ではなく、ナラやクヌギなど広葉樹を燃料として使用する。またさらに樹皮を取り除いた薪を使用するなど、燃料にひと工夫が必要。しかしながら煙は少なくなるものの、根本的な解決には至らない。

そこでおすすめするのが、木炭を燃料として使用できる石窯。同サイトで扱う石窯の場合「ドーム型石窯キット『プチドーム』」(17万4960円/税込〜)シリーズになる。木炭ならホームセンターなどで手に入りやすい上、着火も着火剤やバーナーを使用すれば簡単。薪と違って煙もほとんど出ない。ちなみに本体の重さは約100kg。男性が3人いれば設置も難しくはない。

【画像5】「ドーム型石窯キット『プチドーム』+コンクリートカバー」(17万4960円/税込)。木炭利用で煙が少ない。先にドーム型で紹介したおしゃれなタイルカバーのシリーズもある(写真提供/石谷林業)

キットではなくほぼ完全手づくりで石窯造りに挑戦した人も

実際に石窯を設置した人を取材しようと調べた結果、石窯キットではなく、本を頼りにイチから自分で石窯をつくり上げた千葉県市原市の料理人・そーたろさんにたどり着いた。

そーたろさんは自宅の市原市から、母親の自宅がある館山市に石窯を設置するため一時間半ほど掛けて通い、約2カ月半でオリジナル石窯を完成させた。この期間には「どうやれば失敗せずにつくれるか」など対策を練る時間も含まれ、実際の作業時間は妻と二人で約10日弱だったという。

そーたろさんが選んだ本にはいくつかの石窯が紹介されており、そのなかから自分がつくれそうで、デザインも優れた二段式のドーム型に決定。道具はもともと所有していたものやホームセンターのレンタルを利用。「やったことないことばかりで、コンクリートに穴をあける機械は何なのかなど、細かいことを調べることに苦労した」というそーたろさん。

【画像6】そーたろさんがつくり上げたオリジナルの石窯。自然の風景にとけこみ、素人とは思えない仕上がり(写真提供/そーたろさん)

本来は料理人であり石窯職人ではないそーたろさんだけに、分からないことばかりだったようだが「思い切ってつくっちゃうと意外とできちゃうもんです」と笑う。そーたろさんのホームページにはつくり方が詳しく記載されているが、そのなかでもドームの製作過程は練りに練られた計画で行われており、驚くばかりだ。

この石窯製作にかかった費用はそーたろさんの場合、ブロック、耐火レンガ、耐火コンクリートなど材料費だけで7万3065円。使用した道具は所有していたものは除きレンタルや購入で1万4836円。材料費と併せて8万7901円。この金額を高いとみるか安いとみるかは人それぞれで、あくまで参考金額として紹介しておこう。

【画像7】ドーム型の自作の木枠を使いクサビをかませながらドーム状に積み上げていく様子(写真提供/そーたろさん)

石窯を完成させて以来、そーたろさんの周りにいる友人やご兄弟から「ピザパーティーに呼んでっ呼んでっ!」とのリクエストが多く寄せられている。

【画像8】石窯内で焼かれるピッツァ。着火してから適温近くになるまで1時間半かかっている(写真提供/そーたろさん)

【画像9】そーたろさん作のナポリピッツア。焼き時間は約3分。料理人だけあってさすがの仕上がり(写真提供/そーたろさん)

憧れの石窯も条件さえ整えば、自宅にも設置可能なことが分かった。薪クラブの日下さんも、料理人そーたろさんも口をそろえて言うことは「一度つくってしまえば長く楽しめる」のが石窯の特徴。それは年月のことでもあり、一日の時間の過ごし方にも当てはまる。ピザを焼き、グリル料理をつくり、デザートを焼くなど、半日から1日丸ごと「石窯遊び」ができるのが、なんといってもその魅力と言える。スペースと時間さえあれば石窯造りにチャレンジしてみる価値はあると断言していいだろう。●取材協力

薪クラブ

・そーたろさんのホームページ「いち歩」
元画像url http://suumo.jp/journal/wp/wp-content/uploads/2016/11/120787_main.jpg
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