ガジェット通信

見たことのないものを見に行こう

100倍の発電量&10倍の蓄電性能!新型シリコン熱光発電電池が発明され、商業化も検討中

DATE:
  • ガジェット通信を≫

限りある地球資源を有効に使い、自然環境を守ろうという観点から、再生可能なエネルギーに注目が集まっている。

その代表格といえばやはり太陽光発電だ。集めた太陽光を、効率的に蓄電しておく仕組は重要だ。

・従来比10倍の蓄電性能を誇る“熱光発電電池”

スペインのUniversidad Polytechnic de Madrid (UPM) のチームが研究しているのが、既存の熱エネルギー蓄電システムに替わる、“溶融シリコン”をつかったシステム。約10倍の蓄電性能を発揮するため、都市部の新世代のソーラーエネルギーシステムとして注目を浴びている。

太陽光や風などの再生可能エネルギーにより生み出された余剰分のエネルギーは、雨や無風のときなど、必要に応じて引き出して使える仕組みが必要だ。既存の方法としては、これらの余剰分のエネルギーを貯蓄しておくため、“太陽熱エネルギー”を“溶融塩(カリウム、カルシウム、硝酸ナトリウムなど)”の形状で溜めておき、熱ジェネレーターを通じて熱を電気に変換していた。

ただ、塩を基盤としたこのシステムは、働きは悪くないものの、複雑なポンプやパイプライン構造、熱変換流動体などが必要で、非常にコストがかかる上、繊細な取り扱いが必要だった。また塩は、地球上に潤沢にある物質でもない。

・地球上に豊富に存在するシリコンを活用

そこで研究チームが着目したのが、地球上で酸素の次に豊富に存在するシリコンの存在。太陽光という再生可能なエネルギーを使って発生した余剰分の電力は、コンテナ内に配置された熱されたシリコンに溜められる。

この“溶融シリコン”の温度は約1400℃にまで達し、熱エネルギーが電気エネルギーへと変換される。シリコンの特性のおかげで、1立方メートルあたり1メガワット(時)ものエネルギーを貯蓄できるというからすごい。これは塩基盤のものと比較すると、10倍もの蓄電効率となる。

・光と熱を電気エネルギーに

チームリーダーのAlejandro Datas氏によると、この“熱光発電電池”の新技術は、太陽が高温になると発光するのと同様、シリコンも同じように光り輝き、“熱光発電”によって放たれた光を電力に変換するという。

変換効率は50%以上を達成し、従来のソーラーセルと比較すると100倍の効率性になる。

・商業化へ向けプロジェクト立ち上げ

チームでは今後商業化を検討しており、「SILSTORE」というプロジェクトを立ち上げて、出資を募集する予定だ。

とにかく地球上に潤沢に存在するシリコンを使うことで、ローコストで、より安全に効率的に電気エネルギーを貯蓄できる仕組みが実現すれば、私たちの生活に大きな変革をもたらすことになるだろう。期待して待ちたい。

Universidad Polytechnic de Madrid (UPM)

カテゴリー : デジタル・IT タグ :
Techableの記事一覧をみる ▶
  • 誤字を発見した方はこちらからご連絡ください。
  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちらから
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。

TOP