2020年は人工知能と暮らす? 夢の住まいが実現間近

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2020年は人工知能と暮らす? 夢の住まいが実現間近

最近、何かと話題の人工知能やIoT。これらの最新技術を取り入れた私たちの暮らしは、どのように変わっていくのだろう? 2020~2030年の住空間をひと足先に体験できるショールームがあると聞き、東京・有明のパナソニックセンター東京内にある「Wonder Life-BOX」を訪ねてみた。

エントランスで人工知能「あかりちゃん」がお出迎え

「Wonder Life-BOX」の玄関の前に立つと、顔認証システム搭載のセキュリティカメラが作動する。家の人と判断すると白い壁に「OWNER」の文字が表示され、扉が自動的にオープン。同時にエアシャワーが作動し、家に入るとき、服や髪の毛に付いた花粉を吹き飛ばしてくれる。

エントランスには土間をイメージしたコミュニティスペースがあり、大きなパネルに「あかりちゃん」と名付けられたキャラクターが映し出される。入り口からして、すでに未来感あふれる仕掛けが満載だ。【画像1】「ようこそ、こんにちは。暮らしのパートナーあかりです」(写真撮影/ヨシダミホ)

【画像1】「ようこそ、こんにちは。暮らしのパートナーあかりです」(写真撮影/ヨシダミホ)

ホワン、という近未来っぽい音とともに壁やテーブル、鏡など、家中どこにでも現れる「あかりちゃん」。音声や画像技術、センサーやネットワークを活用して、双方向の対話で家の人に寄り添う。いわば、人工知能搭載のパートナーだ。例えば、こんな提案も可能。【画像2】あかりちゃん:「あと30分でひかりちゃんが学校から帰ってきます」 母親:「そっか。学校、午前中で終わりだったんだ。ランチの準備ができていないな、どうしよう」 あかりちゃん:「それなら、最近オープンしたインドカレー屋さんが評判ですよ」(写真撮影/ヨシダミホ)

【画像2】あかりちゃん:「あと30分でひかりちゃんが学校から帰ってきます」 母親:「そっか。学校、午前中で終わりだったんだ。ランチの準備ができていないな、どうしよう」 あかりちゃん:「それなら、最近オープンしたインドカレー屋さんが評判ですよ」(写真撮影/ヨシダミホ)

GPS機能を使って家族の位置情報や、「あかりちゃん」がすすめる飲食店やデリバリーの情報がさっと表示される。提案を採用するとうれしそうな表情で「うんうん」とうなずき、不採用だと困った表情をすることも。機械的な会話だけでなく、人間らしさを感じさせるコミュニケーションだ。【画像3】エントランスには、除菌や殺菌ができる収納スペースも。屋外に設置した専用パネルとつながった純水素燃料電池もある。自立したエネルギーを家でも確保できれば、災害時でも安心(写真撮影/ヨシダミホ)

【画像3】エントランスには、除菌や殺菌ができる収納スペースも。屋外に設置した専用パネルとつながった純水素燃料電池もある。自立したエネルギーを家でも確保できれば、災害時でも安心(写真撮影/ヨシダミホ)

「あかりちゃん」が特に活躍するのがキッチン。家族の好みや健康状態、冷蔵庫の中身などから、その日のおすすめメニューをいくつか提案してくれる。さらに分量やつくり方の手順、材料のカット方法から盛りつけにいたるまでを丁寧に教えてくれるという親切ぶり。これなら、毎回の献立に悩む時間やレシピのマンネリも解消できそうだ。【画像4】(左)家庭菜園のいちごの食べごろもお知らせ、(右)誕生日やホームパーティーなど特別な日も余裕をもって準備できる(写真撮影/ヨシダミホ) 【画像4】(左)家庭菜園のいちごの食べごろもお知らせ、(右)誕生日やホームパーティーなど特別な日も余裕をもって準備できる(写真撮影/ヨシダミホ)【画像5】キッチン横の壁は、外の宅配ボックスとつながった冷温庫に。24時間宅配便を受け取り、自動で適温管理してくれる(写真撮影/ヨシダミホ)

【画像5】キッチン横の壁は、外の宅配ボックスとつながった冷温庫に。24時間宅配便を受け取り、自動で適温管理してくれる(写真撮影/ヨシダミホ)

家族が集まるリビングルームにも、デジタルな仕掛けがたくさん。テーブル上で本を広げると、本の場所を検知してその部分が照らされたり、おもちゃの電車の線路やゲームボードが投影されたり、さらには壁一面が映画のスクリーンになったり、家そのものがさまざまなエンタメ空間に早変わり。家族が思い思いに好きな時間を過ごすことができる。【画像6】スマホやタブレットとプロジェクターをつなげれば、リビングがホームシアターに早変わり(写真提供/パナソニック株式会社) 【画像6】スマホやタブレットとプロジェクターをつなげれば、リビングがホームシアターに早変わり(写真提供/パナソニック株式会社)【画像7】模様替えもワンタッチで(写真撮影/ヨシダミホ) 【画像7】模様替えもワンタッチで(写真撮影/ヨシダミホ)【画像8】「あかりちゃん」がセンサーなどを活用し、屋内外の環境を感知。「日差しが強くなってきたので、リビングのブラインドを閉めますね」と、適切な照度や室温にコントロールしてくれる(写真撮影/ヨシダミホ)

【画像8】「あかりちゃん」がセンサーなどを活用し、屋内外の環境を感知。「日差しが強くなってきたので、リビングのブラインドを閉めますね」と、適切な照度や室温にコントロールしてくれる(写真撮影/ヨシダミホ)

主体的に選べることが、自分らしい暮らしにつながる

一方、2階のベッドルームは、ヘルス&ビューティ機能が充実したリラックススペース。【画像9】就寝中には、ベッド上に組み込まれたセンシングデバイスが心拍数や呼吸数、寝返りの頻度、レム・ノンレム睡眠まで感知し、天井にデータを表示。0.1mmの体の動きもキャッチするので、布団にくるまっていても、どんな寝相でも感知できる(写真提供/パナソニック株式会社)

【画像9】就寝中には、ベッド上に組み込まれたセンシングデバイスが心拍数や呼吸数、寝返りの頻度、レム・ノンレム睡眠まで感知し、天井にデータを表示。0.1mmの体の動きもキャッチするので、布団にくるまっていても、どんな寝相でも感知できる(写真提供/パナソニック株式会社)

朝、目覚めると、その日の天気予報やよく使う電車の運行状況、近所の焼きたてパンの情報がひと目で分かるように表示される。また、鏡にはカメラが組み込まれていて、写る画像を分析。顔色や心拍数、リラックス度、血圧、笑顔レベルなどを知らせてくれる。自分では気がつかないちょっとした心の変化まで分かるとは、心強い。【画像10】鏡の前に立つだけで、「あかりちゃん」は体の状態に加え、気持ちまで感知。暖かい色の照明に変わり、ゆるやかなBGMが流れ始める(写真撮影/ヨシダミホ) 【画像10】鏡の前に立つだけで、「あかりちゃん」は体の状態に加え、気持ちまで感知。暖かい色の照明に変わり、ゆるやかなBGMが流れ始める(写真撮影/ヨシダミホ)【画像11】(左)鏡に映った顔に「デコラティブ」「カラフル」「ドーリー」など、メイクのイメージを映し出すことができる。(右)男性の場合は、ひげのシミュレーションも(写真撮影/ヨシダミホ) 【画像11】(左)鏡に映った顔に「デコラティブ」「カラフル」「ドーリー」など、メイクのイメージを映し出すことができる。(右)男性の場合は、ひげのシミュレーションも(写真撮影/ヨシダミホ)【画像12】洋服の色が瞬時に変わるデジタルミラー。屋外やオフィス、夜のレストランなど、その日の外出先の明るさに切り替えて、自分がどのように見えているのかシミュレーションまでできてしまう(写真撮影/ヨシダミホ)

【画像12】洋服の色が瞬時に変わるデジタルミラー。屋外やオフィス、夜のレストランなど、その日の外出先の明るさに切り替えて、自分がどのように見えているのかシミュレーションまでできてしまう(写真撮影/ヨシダミホ)

「Wonder Life-BOX」には、ほかにもさまざまな機能があるが、ここではより「未来の暮らし」をイメージしやすい例を挙げてみた。

全体を見ると、やはり際立つのがパートナーである「あかりちゃん」の存在感。未来のロボットと聞くとどうしても人型、いわゆる「ヒューマノイド」を期待してしまうけれど、あえてこのキャラクターを採用した理由について、パナソニックセンター東京の生垣勉さんに聞いてみた。

「私たちが考える未来のパートナーは、物理的にいつもいる人型ロボットではなく、陰で暖かく見守りながら、必要なときにふっと出てくるというものだったんです。音と映像だけなら、階段の移動なども心配ありませんね。愛嬌のある家族のような存在を目指して、キャラクターデザインの企画・協力はバンダイナムコエンターテインメントさんにお願いしました。ネーミングには、“明るいナショナル”のCMに代表される会社のイメージも重ねています」

「あかりちゃん」は学習機能を備えているので、会話をすればするほど賢くなっていく。そのうち、家族の関係性や微妙な空気まで読み取ったり、ケンカの仲裁をしてくれるようになるかもしれない。「あかりちゃん」なしでは暮らしが成り立たなくなってしまったら……と考えると、少しこわい気もするけれど。

「あかりちゃんはあくまでサポートする立場として、住む人の目指す暮らしに合わせた選択肢を出してくれます。私たちがそれを主体的に選択していくことで、より自分らしい時間を過ごせるようになるでしょう。暮らしが便利になりすぎると、人間が怠惰になるのでは? と思われがちですが、家事の負担や無駄が省けることで時間が確保でき、より快適でクリエイティブな暮らしに変化していくと考えています」(生垣さん)

さて、これらが私たちの家に導入されるのはいつになるだろう? 具体的な時期は未定とのことだが、「Wonder Life-BOX」では、現在ビジネスパートナーや大学の研究チームと提携・協業を進めつつ、早期の実用化を目指しているという。2020年といえば、もう4年後。この夢のような住空間の実現は、手を伸ばせばすぐのところまで近づいているのかもしれない。●取材協力

パナソニック株式会社「Wonder Life-BOX」
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