食中酒としてのクラフトビールと国産シードルの魅力を「Noge West End」で知れ!【横浜野毛】

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横浜・野毛エリア。

『メシ通』でもすっかりおなじみの場所ですね! 野毛は横浜市中区にある繁華街で、最寄駅はJRの桜木町駅、もしくは京浜急行線の日ノ出町駅。約600店の飲食店が軒を連ねています。

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上の写真は都橋商店街と呼ばれる一帯で、野毛を象徴するスポット。商店街といっても入っているのはほぼ飲み屋さんです。正統派の赤ちょうちんやスナックはもちろん、ホッピー専門店やワインバーなど、お店の業態は百花繚乱。いろんなカラーのお店に酔客が集う、それはそれは魅力的な場所なんですよ。

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ちょっと引いてみると、こんな感じ。

その名のとおり、これが都橋です。橋の親柱には「昭和四年一月竣工」の文字が。手すりなどは新しくされていますが、歴史のあるものですね。もともとの橋自体は江戸時代からあるよう。

さてさて、前置きが長くなりました。きょうは野毛の新店をご紹介! この都橋から日ノ出町方面に向かい、徒歩1分もしない場所にあります。さあ、もうすぐ開店ですよ。橋を渡って向かいましょう。

食事とのマッチングを楽しんでほしい

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「Noge West End」

店名は「ノゲ・ウェスト・エンド」。野毛の西端という意味だそうで、オープンしたのは今年の4月8日です。

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ここは、クラフトビールと国産シードル(リンゴのお酒)の専門店

クラフトビール、人気は高まるばかりですね。以前は「地ビール」の名前でもおなじみでした。その定義もいろいろなんですが、ひとまず「各地の小規模醸造者が作るビール」とご理解ください。

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「クラフトビールと国産シードルを、食中酒として楽しんでもらいたい」というのがお店のメインテーマで、メニューはシンプルにこんな構成。その詳細はおいおいお見せするとして、まずは店長さんからごあいさつ!

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店長の東和彦さん。

今年31歳になる東さんは、神奈川県川崎市の出身。もともとは料理人として中華やフレンチで腕を磨いてきました。

それがたまたま、ここのオーナーと知り合う機会があり、都橋商店街にある系列店の「エル ヌビチノ」というクラフトビール専門店で働くことになったんです。そこでクラフトビールの面白さを知りました。なんといってもその味わいの幅広さ! この新店でも、クラフトビールのおいしさはもちろん、食事とマリアージュする楽しさを広めたいと思っています。

ビール4種の飲み比べセットが楽しい!

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クラフトビールの専門店も続々と各地で開店していますが、ピルスナー、ヴァイツェン、ペールエールにアンバーエールなどなど、用語も多くて「何がなんだか分からない」という人も多いのでは?

かくいう私も、そうなんです。そんなとき出合った「Noge West End」、こちらのスタイルがとても分かりやすく、ありがたかったんですよ。

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一番下に書いてある「4種サンプラーセット」(1,400円)というのがありますね。

日替わりで5~6タップ用意されるクラフトビールと、3種のシードル(こちらも日替わり)の中から好きなものが1種類選べて、あとはおまかせで用意されます。

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これがそのサンプラーセット。

1つを好みで決めたら、また違う個性のものをセレクトして注いでくれます。4タイプのクラフトビールを1度に体験できるシステム。味の好みって、比べることでよりクリアにもなりますね。ちなみにサンプラーはクラフトビールが130ml、シードルは80ml。この量も少なすぎず多すぎず、適量なんです。そして「これはあんまり好みじゃないな」と思うものがあっても、結論を急ぐなかれ。

おつまみは、いろんな味をちょこっとずつ

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つまみは盛り合わせが毎日2種類用意されています。写真は肉ベースの盛り合わせ。この日の内容は生ハムに自家製のローストビーフや鶏ハム、鶏レバーの山椒煮などなど。中華料理の経験がある東さんらしく、鶏ハムは八角や花山椒のフレーバーがきいて、オリジナリティーのある仕上がりに。

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こちらは魚介と野菜中心の盛り合わせ

ホタテのヒモ焼きにイワシの南蛮漬け、エビのヅケや青のり玉子焼き、わさび漬けなどが盛られていました。盛り合わせは基本、肉中心のもの、魚介と野菜中心のものの2タイプになっています(値段はそれぞれ1,300円で、内容は日替わり)。

今日は長野産のシードルがあるので、同じく長野のわさび漬けを入れてみました。お酒とつまみで、同じ地産のものを合わせるようなこともしています。

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味わいの異なる4種のビールと、それぞれのおつまみの相性を試しながらチビチビやるのが……なんとも楽しいんですよ!

クラフトビール、骨太な味わいや芳醇な香りを楽しむことは今までもしてきたけれど、日本酒的に「つまみとの口中調味を楽しむ」というのは初体験でした。食べものと合わせることで、各種ビールの個性もより際立って感じられてくるんです。そう、単体で飲んだ時にはさほど好みとは思えなかったビールでも、「あ、このつまみと合わせるとうまいっ!」なんて再発見があったりするんです。

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ホワイトエールとヨーグルトを使ったつまみが意外な相性をみせたりして、料理をしていて発見がいろいろとあるんです。お店は現在私ひとりでやっていますが、だからこそお客さんの反応がダイレクトに感じられます。感想を聞きながら「次はこんな料理をつくろう」と考えるのがとても楽しいですね。好きなビールが見つかったら、そのタイプや銘柄を覚えていただければ、他のクラフトビール店に行ったときでも好みの味わいを見つけやすいですよ。

きびなごの一夜干しが意外や柑橘系ラガーに合うことや、らっきょう漬とペールエールの不思議な相性の良さなど、このお店で初めて知りましたよ。

国産シードルが食中酒に向く理由は……

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もちろん単品の食事メニューもあります。取材日のメニューはこんな感じ。

ちょい飲みする人あり、じっくりマリアージュを探る人あり。ビール好きが自由に連座するカウンター、なんとも居心地がいいのです。

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そうそう、もう1本の柱メニューが日本のシードル。 柔らかな甘みがベースにありつつ、苦味や酸味もゆたかなその味わいにとても惹かれている…と東さんは語ります。

りんごから作られるシードルは、食中酒としても優れているんです。渋みのもととなるタンニンは料理に含まれる油分をすっきりと洗い流してくれますし、酸味は食事にアクセントを与えます。甘みと酸味のバランスの良いものをご紹介していますよ。シードルの味わいの複雑さは、料理とのマリアージュの幅をとっても広げてくれるんです!

暑い時期、さわやかで口当たりのよいシードルを一杯目にやるのもいいものですよ。クラフトビールより軽いタイプのものを飲みたい……という人と一緒のときにも、活躍してくれるお店です。

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こちらのお店は和食店をそのまま居抜きで使われているので、情緒も独特。というか……見た感じはまるっきり和食居酒屋さん(笑)。これが妙に落ち着くんです。野毛という飲み屋街独特の「なんでもあり。なんでもwelcome」な雰囲気と妙にマッチ。

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ネタケースの中に詰められたビヤつまみの数々。その上には東さん特製の鶏ハムが。

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さて東さん、今宵もごちそうさまでした!

縄のれんのあるビ―ル専門店は日本でここだけかもしれませんね。また遊びにきます。

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さきほどの都橋商店街を反対側から見たところ。

だんだんと看板に火が灯ってきました。

早く飲み始めたこともあり、空がまだ薄明るいなあ。「これから飲むぞぉ」ってな人がひとり増え、ふたり増え、歴史ある酒の街に活気がよみがえってきました。この時間にあてどなく野毛を歩くと、なんともいえぬ昂揚感をいつもおぼえます。戦後に栄えて今に長らえ、飲み屋街としての情緒と独特の“あやしさ”を保ち続ける、野毛という場所。

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都橋商店街の入口からは、みなとみらいの観覧車が見えます。まったくもって対照的な、近代的な光景。ふた昔前ぐらいの繁栄の象徴。あの観覧車の中で夜を楽しむ人もあれば、野毛の夜を楽しむ人もあり。人間もいろいろだ。

さて、せっかく野毛に来て一軒では帰れません。どこかでもう一杯飲んできます。

また面白いお店と出合ったら、お伝えします!

お店情報

Noge West End

住所:神奈川県横浜市中区宮川町2-16 藤井ビル 1-A

電話番号:045-231-0133

営業時間:基本的に18:00~23:30(金曜日・土曜日~0:00)

定休日:木曜日

書いた人:白央篤司

白央篤司

フードライター。雑誌『栄養と料理』などで連載中。「食と健康」、郷土料理をメインテーマに執筆をつづける。著書に「にっぽんのおにぎり」「にっぽんのおやつ」(理論社)「ジャパめし。」(集英社)がある。 facebook:atsushi.hakuo ブログ:独酌日記

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