3品でも30分以内! 異色のデザイナー料理人、ツジメシ氏に教わる簡単ナンプラーおかず【付箋レシピ】
誰でも一目で把握可能! デザイナーが描くレシピ
辻村哲也さんという料理人がいます。
本職は家電や生活用品などのプロダクトデザインをされる方なのですが、料理好きが高じて食イベントの開催や出張料理などをされ、さらには『付箋レシピ デザイナーときどき料理人のスケッチごはん』(アース・スターエンターテイメント刊)という本も上梓されました。付箋レシピ デザイナーときどき料理人のスケッチごはん 作者: 辻村哲也 出版社/メーカー: 泰文堂 発売日: 2013/09/18 メディア: 単行本
ほんの少しだけ中身をご紹介。
▲分かりやすいビジュアル感がいかにもデザイナー!
付箋レシピというのはその名のとおり、付箋にあらわされたレシピ。レシピって、材料と手順をしっかり読むのが面倒なときはありませんか? 慣れていないと料理用語もわかりにくいし、どうするのかイメージしにくいことも多いかと思います。
辻村さんは調味料や材料などをイラストにして、最小限の文字数でその手順をあらわします。そして、内容的にはすべて付箋1枚に描けるぐらいの、かんたん料理。このイラストつきレシピカードが、とってもわかりやすいのです。
辻村さん、はじめまして。付箋のレシピ、わかりやすいですね。頭に手順がスーッと入ってきました。
ありがとうございます。もともと、料理すること自体よりも、レシピを考えるのが好きだったんです。頭の中にある手順を一度整理するために、メモ用紙にイラストを描いてレシピ化していたんですね。もうそれが何百枚あるかな。2009年から料理ブログをやっているのですが、そこで反響のあったものをまとめたのが、この本なんです。
“ツジメモ”の数々。ブログはその名も『ツジメシ』です。
ブログの方では辻村さんのイベント料理が見られるのも楽しいですね。こちらは付箋レシピとはまた違って、ハレの日の料理というか。
ええ、『付箋レシピ』は日常の料理を中心にしています。じっくりと時間をかけて、手間をかける料理も好きですが、日々の料理はやっぱり手順が少なくて、洗い物も少ないのがいいですよね。ブログでもやはり、かんたんレシピの反響が圧倒的でした。
また、ナンプラーの登場回数が多いですね。タイ料理を作るんじゃなくて、和のおかずやアレンジ料理に活用されている。
ナンプラーをこれだけ使っている料理ブログは、エスニック系のブログ以外では他にないと自負しています(笑)。ナンプラーって、料理に「ちょっとうま味を加えたいとき」にいいんですよ。一般的なレシピだとこういう場合、出汁やブイヨンなどを加えますが、その都度出汁をひくのも面倒ですね。なおかつ僕は、出汁の素やキューブのブイヨンの味が好きじゃなかったんです。
出汁の素やコンソメキューブなどの代わりに、ナンプラーを使うということですか?
そうです。うま味を加えるアイテムとして、ナンプラーはとても便利なものなんです。
そう語る辻村さんに今回はナンプラーを使ったレシピ3品を教わります。どれも手軽で、10分もかからずに完成しますよ。ブログで最も反響があったというレシピも登場します。
1品目:料理未経験でも楽勝な「豆缶サラダ」
まずはナンプラーと缶詰を使った豆サラダから。「アジア風サラダ」と思われるでしょうが、ナンプラーはうま味となって陰の功労者になり、クセのないシンプルなサラダになります。見た目もきれいで、サイドメニューにぴったりです。
▲材料(2人前) ミックスビーンズ缶 1個(食塩無添加、110g入りのものを使用) キュウリ 1本 プチトマト 3個 カイワレ大根 少々 コショウ、ナンプラー 少々
まず、缶詰のフタを開けてコショウを少々ふります。
続いてナンプラーを4~5滴ほど。「簡単にやる場合はこれだけでもつまみになります」と、辻村さん。野菜を切ったりは面倒、というかたはこのまま食べちゃってもOKですよ。その際は、よく全体を混ぜてくださいね。
さて、トマト、キュウリは角切りにして、カイワレは3㎝程度に切ります。
すべてをボウルで和えれば、もう完成。洗い物を少なくしたければ、盛り皿で混ぜてもいいですよ。
味をみてもの足りなければ、コショウ、ナンプラーを足して調整してください。レモンをしぼってもおいしい。これだけのことなのに、デリで買うような仕上がりと味わいになっています。野菜を切るのに慣れていれば、ここまで5分以内でいけますよ。
2品目:鍋ひとつで出来る「厚揚げと小松菜のナンプラー煮びたし」
和風のおかずにもナンプラーは活用できます!
作っていただくのは「厚揚げと小松菜のナンプラー煮びたし」
▲材料(2人前) 小松菜 100g程度 厚揚げ 1個
水 150ml ナンプラー 小さじ2 醤油 小さじ2 みりん 小さじ1
まずは材料を上の写真のように切ります。小松菜は3㎝長さ、厚揚げは軽くキッチンペーパーで包んで余分な油を取り、1.5㎝幅ぐらいに切ります。小松菜は葉と茎の部分を分けておいてください。
さあ、ここからは一気にいきますよ。
↓
鍋に小松菜以外のもの(油揚げ、水、調味料すべて)を入れて火にかけます。
↓
沸騰したら、小松菜の茎の部分を入れる。
↓
1分ほど経ったら、小松菜の葉を入れて、ひと煮立ちさせる。
熱々でも、冷ましても。お好みでどうぞ。
多めにつくって、ひと晩置いたものもまたおいしい。
3品目:パスタにもナンプラー! 「手抜きフィデウア」
最後はしっかり一食になるものをご紹介します。
スペイン料理にパエリアというものがありますよね。あの料理のお米の部分がパスタになったものが、フィデウアです。シーフード・パエリアが日本では有名ですが、現地では肉を使ったものなど種類もいろいろ。今回の手抜きフィデウアは豚とキャベツが具となります。本来のフィデウアは別にスープを用意したりと手間がかかりますが、このやり方ならフライパンひとつで作れますよ。
▲材料(1人前) 豚バラ肉 70~80g キャベツ 100g程度 ニンニク ひとかけ オリーブオイル 小さじ2 豆板醤 少々 ナンプラー 小さじ2 水 150ml
ニンニクはスライスし、キャベツはせん切りにしておきます。
スパゲティ(太さは好みのものでOK)は3等分ぐらいに手折りしておきましょう。このバキバキとパスタを折るの、やってみると中々気持ちのいいものですよ。
このレシピ、豆板醤を使うんですね!
ペペロンチーノを豆板醤でやってみたらうまかったんですよ。以来パスタに豆板醤、よく使います。それに豆板醤ってけっこう余ったりしませんか。トウガラシの代わりに使うの、おすすめです。キャベツはやわらかい春キャベツなら1㎝幅に、一般的なキャベツならもう少し細めに切ってください。
作り方は拍子抜けするほど簡単。
まずフライパンにオリーブオイルをひき、豆板醤とニンニクを散らし、その上に折ったスパゲティを平らになるように敷きます。さらにキャベツ、豚肉の順に重ね、水、ナンプラーをまわしかけます。
あとはフタをして、強めの中火にかけます。沸騰したら弱火に。
加熱時間は、パスタのゆで時間+1~2分が目安です。時間が近くなったら様子を見て、水分が多いようならフタを取って火を強め、逆に水分が飛んでパチパチいっているようなら適宜水を足すなど調整してください。慣れるとビール片手にできますよ。ちなみにこのフライパンのサイズは20㎝大。1人前だとこの大きさがちょうどいいです。
完成!
キャベツと豚肉はもともと相性の良いものですが、両者のうまみがパスタに染みてなんともおいしい。『付箋レシピ』にはこのほかにもフィデウアのレシピが掲載されています。『ツジメシ』ブログでも一番反響の大きかったものが、このフィデウアシリーズなのだそうです。
こちらには、そのフィデウア写真がいっぱい。
ツジメシさんはSNSも積極的に活用、ツイッター(@tsujimeshi)でもおいしそうなつぶやきを発信されています。
この日は、ペンネでフィデウアをされていますね。納豆に玉子にペンネという組み合わせ!
フィデウアはショートパスタでやってもおいしいですよ。フジッリやファルファレ、なんでも応用してみてください。手抜きフィデウアはレシピというよりシステムなので、やり方を覚えたらあとはアレンジ自由自在です。スペイン料理のフィデウアは厳密な作り方がありますが、これはあくまで、“手抜きフィデウア”。正解がないぶん、間違いもありませんからね。
家にある材料でさっそくトライしてみます。辻村さん、今日はありがとうございました。
書いた人:白央篤司
フードライター。雑誌『栄養と料理』などで連載中。「食と健康」、郷土料理をメインテーマに執筆をつづける。著書に「にっぽんのおにぎり」「にっぽんのおやつ」(理論社)「ジャパめし。」(集英社)がある。 facebook:atsushi.hakuo ブログ:独酌日記
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