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家業を継ぐってどんな気分? ハチミツ起業家の紆余曲折

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親がお店や会社をやっていて「自分が継ぐのかな…」と少しモヤモヤしている人、いない? それとも、そういう家業がある人を「うらやましい」「大変そう」と思う側にいる?

 

瀬戸内海の島の一つ、周防大島。

 

そこで養蜂業をする笠原さんは、高校生のときは「絶対にやりたくなかった」親の仕事を、今は継いでいる。そこにはどんな気持ちの変化があったのか、お話をうかがった。

 

ミツバチが花から集めた蜜を、巣箱から採取して瓶詰めする。

 

幼いころからそれを手伝ってきた笠原さんには、養蜂業は「地味で大変」で高校のころは魅力を感じなかったという。

 

 

何より、当時の笠原さんには「好きな野球を続けたい」という夢があった。だから高校の次の進路に選んだのは、山口県の実家を離れ、野球の強い福岡の大学に入ることだった。

 

でも、どんなに好きでも、野球を仕事にできるとは限らない。

 

「大学3年になるまで思う存分野球をやったけど、将来を考えたとき、自分が野球で食っていくのは難しいな、と思いました」

 

じゃあどうする?

 

ふり返ってみると、昔から料理を作るのも好きだった。

 

「調理師を目指そう」

 

そう決めた笠原さんは「中途半端にやるより一つを選ぼう」と考え、野球部を辞めた。そしてアルバイトをして、貯めたお金で、大学に通いながら調理師専門学校にも通い、調理師免許を取った。

 

調理師になってわかった両親のすごさ

 

大学卒業後、調理師として博多のホテルに就職。いずれはフランスで修行することを夢見て、フランス語の辞書を買って勉強した。そこにまた転機が訪れる。

 

「先輩から『おいしい料理を作るには素材のことを知らないといけない』とよく言われていたので、職場で使われる食材のことを一つひとつ調べるようになって」

 

 

そのなかで、国産のハチミツは日本で消費されるハチミツのわずか5%ほどしかないことを知った。しかも、海外産のハチミツや水あめを混ぜたものもけっこうあるという。

 

「両親のことを思い出してみると、うちでは、ミツバチが集めた自然のハチミツをそのまま瓶詰めしていたんですよ。あれは当たり前じゃなかった。それを知ったら、国産のハチミツを守りたいという思いがすごく強くなって、料理の勉強もしたかったけど、調理師を辞めることにして、家に戻ったんです」

 

戻った1年め。両親の養蜂場を手伝った。

巣箱作りや、女王蜂の交代など、養蜂業はただハチミツを採取する仕事ではなく、「1年間の準備」が大事なのだと学んだ。

 

2年め。周防大島に自分の養蜂場を開き、起業した。

その年の天候によってミツバチや花の育ち方は違い、同じことをくり返す仕事ではなく、毎年が試行錯誤と創意工夫の連続なのだと知った。

 

 

7年めの今年。ハチミツ入りのドリンクやスイーツを出すカフェをオープンさせ、調理師時代に出会った奥さんと一緒にその経営も始めた。そして新しい夢もできた。

 

「今後は自分たちの仕事で、人を雇っていきたいです。この島で活躍できる人が増えますから。地元の子には、一度は外に出ることを経験してほしいのですが、その子たちが『戻ってきたい』と思えるような場所にしたい。それはぼくたちの世代の役目だと思うので」

 

 

とことんやったことは未来につながる?

 

笠原さん自身は、二転三転したこれまでの歩みをどう思っているのだろう?

 

「後悔はないです。思っていたのは、高校生なら高校生、大学生なら大学生で、今やりたいことをとことんやれば、後悔しないんじゃないかな、ということなんです。やりたいことがいくつかあって選ばないといけないなら、選んだほうを全力でやる。そこで全力を出さないと『あの選択が間違いだったのか』と後ろ向きになるから」

 

どの経験もプラスになった、とも感じている。野球部で学んだ礼儀正しいあいさつや態度は、調理師の先輩から「だからかわいがられるんだ」と褒められるほど仕事で役立った。調理師時代に学んだ「食は命にかかわる仕事」という考えは、ハチミツ販売やカフェ経営にも生きた。

 

だから笠原さんは、今の高校生にも

 

「将来の不安もあるだろうけれど、その日その日に全力を注ぐことも大事してほしい」

 

と思っている。

 

 

「家業がある人は、それだけにとらわれず、いずれは継ぐかもしれないけれど『まずはやりたいことをどんどんやろう!』と考えてもいいのかな、と。家業がない人は、それこそ何にでも挑戦するチャンスがあるわけで。自分が今やりたいこと、やれることを手を抜かずにやっていくと、それがいろいろなことにつながってくると思います」

 

将来とは一見、関係なさそうでも何でもOK。まずはやりたいことを、とことん、やってみる。

 

そう考えたとき、さてあなたの頭にはどんな「やりたいこと」が浮かんだ?

 

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