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<ワープ>の安定感を象徴するグループ、プラッド『The Digging Remedy』(Album Review)

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 アンディ・ターナーとエド・ハンドリーによる、UKエレクトロニック・ミュージックのベテラン・ユニット=プラッドが、オリジナル・アルバムとしては通算9作目となる『The Digging Remedy』をこの6月にリリースした。1990年代初頭から活躍しているグループだが、2010年代に入ってからも3作のアルバムを発表しており、堅実な活動には頭が下がる。

 長らく、ワープ・レコーズの看板アーティストでもあり続けているプラッドだが、ワープとの関係は2人がザ・ブラック・ドッグ・プロダクションズ(現在はザ・ブラック・ドッグ)に所属しリリースを行っていた時期にまで遡る。その頃にはプラッドとしての活動も並行して行われており、1995年に2人がプラッドに専念する形で、以降20年余り鉄壁のコンビネーションでその道のりを歩んできた。また日本では、この10年ほどの間にアニメ映画『鉄コン筋クリート』やドラマ映画『ヘブンズ・ドア』と、マイケル・アリアス監督作品のサウンドトラックを手がけてきたことでも知られている。

 プラッドはもともと、ワープの同門だったエイフェックス・ツインやオウテカらに比べて、触れる者を驚かせるような前衛性というよりも、職人気質の端正な楽曲制作を得意としてきたグループだ。いわば、レフトフィールドな作品を紹介し続けながらも巧みにレーベル運営を行ってきたワープの、その安定感を象徴するようなグループなのである。

 新作『The Digging Remedy』では、まるでクラフトワークのようなジャーマン・エレクトロのルーツを辿る「Do Matter」に始まり、緩急自在に甘美なトランス感を描く「CLOCK」、スリリングなスピード感でサウンドトラック曲のように繰り出される「Yu Mountain」、そして管楽器のエキゾチックなフレーズが立ち上る「Lambswood」と、多彩なアイデアを盛り込んでいる。時代に媚びず、しかし時代を踏み外さない、これぞプラッド道というアルバムだ。

 《救済法の採掘》というタイトルの職人堅気と豊かな情緒を証明するかのように、作品の終盤に配置された「Held」と「Wen」は、エレクトロニックな楽曲でありながら人間臭く生々しい、またそれ以上に美しいクライマックスを担っている。現在、彼らのオフィシャルHPのトップでは、音楽パズルのような仕掛けを通してさまざまな情報が伝えられたり、サウンドのサンプリング素材がダウンロードできたりするが、いつまでも人懐っこい、豊かな遊び心を持ったプラッドの2人がいてくれることは、喜ばしい限りだ。(Text:小池宏和)

◎リリース情報
『The Digging Remedy』
2016/6/10 RELEASE
2,200円(tax out.)

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