賃貸住宅にキケンを感じたら「いやや(188)!」に相談

access_time create folder生活・趣味
賃貸住宅にキケンを感じたら「いやや(188)!」に相談

安全であるはずの住まいで、命に関わる事故が起きているーー。なにやら気になる情報を発信したのは、消費者庁。2009年から2016年1月までの間に、「生命身体に危害を及ぼす不具合情報」が実に653件寄せられているという。ではその内容とは? 大家さん/不動産管理会社に相談しても対応してもらえない場合はどうしたらいいのかを解説していこう。

賃貸住宅の不具合件数は毎年100件程度、寄せられている

今年3月、消費者庁から「賃貸住宅の建物及び付帯設備に不具合はありませんか?」というお知らせが発表された。その内容はというと、賃貸の建物や設備が原因で、大小さまざまなトラブルが起きているというもので、最悪のケースでは1人が死亡、ケガなどが発生した事故情報も323件ほど寄せられているという(2009年9月〜2016年1月まで)。1年間にするとおよそ50件前後の事故情報が寄せられているということになる。【図1】賃貸住宅の不具合件数(出典:消費者庁「賃貸住宅の建物及び付帯設備に不具合はありませんか?」)

【図1】賃貸住宅の不具合件数(出典:消費者庁「賃貸住宅の建物及び付帯設備に不具合はありませんか?」)

では、具体的にどのような事故が起きているのか、データをみていこう。

まず、不幸な死亡事故というのは、換気扇が故障した状態でガス瞬間湯沸かし器を使用したことにより、一酸化炭素中毒を起こしたというもの。ケガをして治療が必要になったケース(323件)のうち、医者にかからずというケースが103件、治療期間不明125件もあり、危害としては軽度のものが多いようだが、一方で、治療に1カ月以上かかったケースは25件、3週間〜1カ月という人が12件という結果に。【図2】賃貸住宅による危害の程度(出典:消費者庁「賃貸住宅の建物及び付帯設備に不具合はありませんか?」)

【図2】賃貸住宅による危害の程度(出典:消費者庁「賃貸住宅の建物及び付帯設備に不具合はありませんか?」)

次に事故が発生している場所についてチェックしていこう。いわゆる付帯設備(ガスや電気設備、給排水設備)が最も多く、338件と半数以上をしめている。例としてはガスでは給湯器や瞬間湯沸かし器、電気コンロやエアコンなどのトラブルで、発火やガス漏れなど、命に関わる事故が発生している。なかには、初めて浴槽に足をいれたところ、底が抜けて右足関節捻挫の重症になった人も。【図3】賃貸住宅の建物及び付帯設備の不具f合箇所の内訳(出典:消費者庁「賃貸住宅の建物及び付帯設備に不具合はありませんか?」)

【図3】賃貸住宅の建物及び付帯設備の不具合箇所の内訳(出典:消費者庁「賃貸住宅の建物及び付帯設備に不具合はありませんか?」)

こうした設備まわりの製品は毎日使うだけに、経年による劣化は避けられない。適切なメンテナンスが必要になるが、基本的には大家さんの負担で修繕してもらわねばならない。そこにこの問題の難しさがあるといえそうだ。

消費者庁のホットラインは「188」。「いやや」の呼び方で覚えておこう

また怖いのは、事故は起きてないものの、「定期点検でガス湯沸かし器が危険と判定され、使わないよう言われた」「電気コンロがリコール対象製品だった」というものも。これもひとたび間違えば、火事や大怪我を招きかねないだけに、注意したいところ。

設備以外にも建物関係での不具合も多く、外壁や天井の落下、手すりの腐食といったトラブルも起きているよう。「エレベーターに閉じ込められた」「外階段の腐食がはげしく、踏み板がガタガタしていた。階段から落下してケガをした」なんてケースもあれば、「雨漏りが原因でカビがはえ、子どものアレルギーが発症した」や「床が傾いて、めまいがする」という事例も報告されている。「今どきでもあるんだ……」と思ってしまうが、設備同様、建物も適切な修繕が行われていないと、こうした不具合は発生してしまう。

こうした事例の多くを見ていると、不具合が起きた場合に大家さん/不動産管理会社に一報をいれていて、対処をお願いしている。だが、問題はそれからで、「都市ガスの定期点検で危ないといわれたが、不動産会社が対応してくれない」「何度伝えても、放置される」という切実な声があがっている。

消費者庁では、こうした場合の対応として、賃貸住宅に関する相談窓口や消費生活センターに相談しよう、と呼びかけている。また、電気やガス、水道といった供給事業者に、一度意見を聞いたうえで連絡するのも良いとアドバイスしている。もちろん、賃貸住宅に入居前には、ガス器具や電気器具等の状態をよく確認し、気になる点は十分な説明を受けてほしい。

ちなみに、消費者ホットラインは188(いやや)というもので、全国共通。身近な消費生活相談窓口を案内してくれる。ほかにも、相談先としては、「賃貸住宅管理協会の相談コーナー」「公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センター電話相談 住まいるダイヤル」「宅建協会の不動産無料相談所」などがある。

家や住まいの不具合は、放置しておいて直ることはない。「困ったな」と思ったら、すみやかに対処し、安全に暮らしてほしい。●参考

消費者庁/賃貸住宅の建物及び付帯設備に不具合はありませんか?

・公益財団法人日本賃貸住宅管理協会/相談コーナー

・公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センタ/電話相談 住まいるダイヤル

・47都道府県宅建協会/不動産無料相談所
元画像url http://suumo.jp/journal/wp/wp-content/uploads/2016/06/113505_main.jpg
住まいに関するコラムをもっと読む SUUMOジャーナル

関連記事リンク(外部サイト)

契約した建築会社が倒産! 建てている最中の家はどうなるの?
土地の測量、ちゃんと測ってないと税金を払いすぎているかも!?
室外機が爆発する!? エアコンを自分で取り外すのは危険

  1. HOME
  2. 生活・趣味
  3. 賃貸住宅にキケンを感じたら「いやや(188)!」に相談
access_time create folder生活・趣味

SUUMOジャーナル

~まだ見ぬ暮らしをみつけよう~。 SUUMOジャーナルは、住まい・暮らしに関する記事&ニュースサイトです。家を買う・借りる・リフォームに関する最新トレンドや、生活を快適にするコツ、調査・ランキング情報、住まい実例、これからの暮らしのヒントなどをお届けします。

ウェブサイト: http://suumo.jp/journal/

TwitterID: suumo_journal

  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。