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この味が嫌いな人っているの?京都丼界の新番長「大鵬」の「てりどんきんし」とは?【地獄盛もあるでよ】

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はんなりだけが京の味じゃない!

こんにちは、メシ通レポーターの泡です。

京都を訪れる観光客にも手軽なランチの定番として人気の丼。京都の丼といえば、親子丼や湯葉丼を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。もちろんそれらもおいしいのですが、すきあらばこの『メシ通』をチェックしてる食いしん坊には、ぜひ、もうひとつディープな丼を食べていただきたい!

お好きでしょ、もっと濃い~やつ?

いざ目指すはJR二条駅。

その裏手の住宅地にあるのが……中国料理店「大鵬」です。

飲食店にとっては不利な、はっきり言って行きにくい立地。しかしながら、連日昼も夜もお客さんが途切れない人気店。とにかくいっつも満員御礼です。

その理由はいくつかあるのですが、まずひとつは創業以来のオリジナルメニュー「てりどん」がここにしかない味であること。特に昼時は9割近くの人がオーダーするといっても過言ではありません。界隈でこれを知らない人はいないくらいなんです。

いざ開陳、これがみんなのお目当て「てりどんきんし」!

「てりどん」はプレーンな「てりどん」、錦糸玉子ものった「てりどんきんし」の2タイプがあり、それぞれにミニから地獄盛なる倍量以上の大盛りまでサイズを展開しています。今回は、普通サイズの「てりどんきんし」をご紹介。

まずはその作り方を見ていただきましょう。

あらかじめ下味をつけた豚バラ肉のスライスに卵液を揉み込んで軽く炒めておきます。卵を揉み込むのはお肉をふっくらさせるためだそう。

注文が通ったら、中華鍋に肉を投入して強火であおり、余分な脂を落とすのがポイント。

火力が命の中国料理だけに、38,000kcalのハイパワーで一気にイキます。ジョワジョワジューーーーッと高まる音、鉄鍋の周りに舞う炎、漂う香ばしさ!

あー、早く食べてぇ。

仕上げに特製のタレをジュワッと回しかけ……

ご飯と錦糸玉子がスタンバった丼に盛りつければ……完成!

てりどんきんし 850円

てりってりです。もうおわかりでしょうが、「てりどん」とは、豚の照り焼きをのせた丼のこと。ひと口めで「んめぇ!」と声が出るほど、パンチのある甘辛肉にそっと寄り添うマイルドな錦糸玉子。ファサーと振った花椒粉のシャープな辛さが味を引き締めます。

まぁ、白飯に合うの合わないの、合うに決まってますやんこの組み合わせ! 一度食べた人はかなりの確率でリピーターになる、実に中毒性の高い丼なのであります。

「てりどん」誕生秘話

「てりどん」は、今から42年前、このお店の始まりとともに誕生しました。現在の店から徒歩10分ほどの旧二条通に「大鵬」をオープンしたのは渡辺敏博さん(写真右)。

もともとはデザイナーでしたが、行きつけの大衆中華料理店で大将と親しくなるうち、「ちょっと洗いもん手伝って」「ちょっとこれも作ってみいひんか」とエスカレートし、あれよあれよと気づけば自らお店を持つまでになったという不思議な経歴をお持ちです。なんかすごい。

その頃に、まかないとして作ってもらっていたのが「てりどん」の原型となるもの。

「昔は今みたいに簡単にいろんな肉が買えへんかったし、店で塊肉をさばいてましたんや。その時に出た端肉を甘辛うに炒めたのを丼にしてくれてね。『こら、うまいナァ~』思て、いつか自分がお店をしたら絶対メニューにしたろと決めてたんです」

周辺の先輩料理人たちにも「独立したら看板メニューを作れ」と言われていたので、迷わず「てりどん」に決めたという渡辺さん。

しかし、当時、京都で肉といえば牛肉のこと。

「ちょうど牛丼チェーンが流行りだしたのもあって、お客さんには『なんや、豚かいな。いらんわ』って言われたりもしましたね」

もったいないなぁ、その時食べ損ねたお客さん。こんなにおいしいのに! それでも食べてみたお客さんからは好評を得て、徐々に人気を集めていったといいます。

途中、これまたまかないで余った冷麺の錦糸玉子を「てりどん」にのせたところ「アリや!」となり、「てりどんきんし」も誕生。以後、20年前に現在の場所への移転を経て今日まで、堂々の横綱メニューとして君臨しているのです。

名物は「てりどん」だけにあらず!

四川料理の定番、夫婦肺片 1,800円

四川でとある夫婦がホルモンを煮て薄くスライスした料理がはじまり。新鮮な近江牛ホルモン(ちょう希少!)を、八角やシナモンなど18種の香辛料入り塩だれでじっくりと煮込んでいます。

シャクッとした歯応えが小気味よいハチノス、コリコリッと弾力があるセンマイはどちらも臭みなどなく、スパイシーな味付けにも負けぬよい風味を感じさせます。

これは紹興酒がほしくなりますなぁ。

本格派の中華メニューを提供するのは息子の幸樹さん。「僕はお腹にいた頃から『てりどん』を食べてましたしね」という幸樹さんは、13年前から渡辺さんと共に厨房に立っています。「俺と一緒のことはするな」との父の言葉を受けて、創作料理系の中国料理店などで修業を重ね、店に新しい風を吹き込みました。

四川重慶式 黒酢スブタ 1,300円

「尊敬する点心料理の第一人者・茂手木 章さんとの出逢いをきっかけに点心に興味を持ち始め、それから“本場”を意識するようになったんです」

家族やスタッフと四川へ毎年のように足を運び、現地の料理人との交流を経て調味料やレシピもどんどん取り入れ、メニューには本場さながらの四川料理が並ぶように。

料理の進化とともに、自然派ワインや5年原酒などのレアな紹興酒も揃えはじめたのも注目を集めるようになった理由のひとつ。

今では、「てりどん」をかっこむおじさんの隣で、ワインのボトルを置いて鳩料理に舌鼓を打つ東京からのお客さん、なんて光景も日常的なものに。このミクスチュア具合がとってもイイ! 大衆中華と本格中華が同時に味わえるお店なんてなかなかありません。

28日熟成とろとろピータン 650円

濃厚でクリーミーな卵黄が、紹興酒をどんどん奪っていく!

さらに幸樹さんの快走っぷりはイキオイを増すばかり。

「実は四川の料理専門誌に僕の料理も載せてもらったんです。それはすごく光栄なことでうれしかったのですが、ふと気づいたのは『なんで僕は(四川の人と)同じことをしてるんやろ』ということ。現地の味を再現できても、これをわざわざ日本で、京都で食べる意味があるのかと」

考えた結果、最近は日本料理など他ジャンルの手法も取り入れているのだそう。

「『夫婦肺片』に入っているタケノコの下味にもわからない程度に昆布とカツオのダシを使ったり、現地では一気に大鍋で炊き上げる肉料理も、まず骨でダシをとってから、ゆっくりと火入れしたりと、日本人ならではの工夫を凝らしています」

本日の中国野菜の炒め物 1,500円

自家製の発酵海老味噌を使ったコクのある味!

飛躍する息子の料理と、がっしりと地に根を張った父の料理。そのどちらもが強い吸引力をもってお客さんの心をとらえています。両方を味わってこそ、それぞれの魅力をより深く知ることができると断言させていただきたい。

必ず、お腹を空かせて行ってね!

※ 金額はすべて消費税込です。

店舗情報

大鵬

住所:京都府京都市中京区西ノ京星池町149

電話番号:075-822-5598

営業時間:11:30~14:30(LO 14:20)/17:30~22:30(LO 22:00)

定休日:火曜、月1回水曜不定休

※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新情報はお電話等で直接取材先へご確認ください。


書いた人:

泡☆盛子

ライター。沖縄出身、京都在住。京都の水というか食がカラダに合い、40kg肥えたのが自慢。立ち呑みと、おかずケース食堂での昼酒が好き。

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