激辛のうえに大盛りって勘弁してください!「味の三平」のラーメンに震えて挑む
こんにちは、メシ通レポーターの裸電球です。
北海道旭川市から、激辛なうえに、大盛りという驚愕の一杯をご紹介します。
昭和46年創業の老舗、「味の三平 神居本店」1番人気のメニューは、そこらの「激辛」とはワケが違います。
ギブアップする人が多発、あまりの辛さに泣き出す人もいるほどです。
その日のコンディションはもちろん、万が一次の日、寝込んでもいいようにスケジュールを調整して挑みました。
知る人ぞ知る激辛ラーメンのお店
旭川駅から車でおよそ10分、旭川市神居にお店を構える「味の三平」は、想像を絶する激辛ゆえに、このあたりでは有名なお店です。
私の辛さ耐久レベルはといいますと、よくラーメン店などで見かける「ピリ辛」にはノーダメージといったところでしょうか。
辛いものは、そこそこ強い方ではないかという自負があります。
今回はお店の看板メニューにして、激辛。
それなのにリピーターが絶えないという、
「激辛三平みそらーめん 800円」に挑戦します。
「味の三平」のラーメンは学生さんたちの間では伝説。
「A組のあいつが完食したらしい」
「C組のあいつ、途中で逃げたらしいよ」
など、根性試しの1杯として挑戦することもあるからです。
そんなお客さんたちの「悲鳴」を、時にうれしそうに、時に心配そうに聞くのが、
店主で「三平おばちゃん」と愛される馬場さんです。
「激辛三平みそらーめん」に誇りを持ち、創業者のご主人が亡くなられてからも、その味を守ってきました。
戦いの火蓋が切られる!
激辛のうえに、大盛り。
噂どおりの派手な登場です。
特大のドンブリではありませんか!
真っ赤を通り越して、黒々としたスープの上には、大量の野菜が。
もやしと白菜で、麺は見えません。
ちょっと不安になってきました。
なんといいますか、「香り」の段階でかなり辛いのです。
ごふっ!
ズズズッと麺をすすろうと思ったのですが、無理です。
からい、からい、からい、からい!
なんという辛さでしょう!想像していたはるか上です。
「すする」なんて行為は諦めました。
効果音にすると、「ハモハモ」食べることにします。
辛さが脳天をスコーンと貫きます。
それに「謎」の震えです。
ワナワナします。
でも、不思議なんですよね。激辛なのに、美味しいんです。
普通、この手の料理って苦しんで終わりじゃないですか。もだえるほど辛いのですが、最後にフワッと「美味しい」がやってきます。
実はほんの3年前まで、メニュー表に激辛の文字はなく、あくまで普通のラーメンとして表記されていました。
これがお店のデフォルトなのです。
常連さんは、あまりにも辛いのを知っているので、
「ちょい辛」や「中辛」などの頼み方をするようになったといいます。
しかし、それらの注文方法はあくまで「裏メニュー」であり、
メニュー表には今でも、一切の表記がありません。
お店が本当に自信を持って提供しているのは、激辛であり、その他の辛さを抑えたメニューは、そもそも作り方が違うんですって。
激辛に使用する味噌は特別で、お店の開店時から継ぎ足してきたものだといいます。
そんな話を聞くと、ますます激辛に挑戦したくなりますよね。
当たり前のように野菜を食べてきた人生でした。
今日はじめて、
野菜を食べて「痛い」と言いました。
店主の馬場さんも、野菜が踏ん張りどころだよ、と笑っています。
攻略方法を教えてもらった
その方法に私は自分の耳を疑いました。
なんと、水を飲まないで食べろというのです。
理由①:『水を飲むと次の一口がもっと辛い』
そう言われると、確かに。リセットされますからね。
辛さに耐えて次の一口を進めるほうが、少し楽な気がします。
慣れるって言葉がぴったりかもしれません。
理由②:『水を飲むと朝まで戦うことになる』
怖い怖い! なんですか、その朝までって!
水をがぶ飲みしすぎてお腹をこわし、トイレにこもることになるそうです。
ちょっと遠くに置いておきます。キリッと冷えていて美味しそうです。
辛い、痛い!水に頼らないと決め、食べ進めます。
あああ、水!みず~!
はぁはぁ。ほんの一口だけ、一口でやめれば大丈夫。
ごっきゅ、ごっきゅ、ごっきゅ。
ぷはー!
やっちゃいました。これで今夜はトイレとお友達かもです。
無理ですって、水無しなんて!
ここで「チーズ 100円」の登場です。
うわ、これ入れると全然違います。
辛さがまろやかに。
激辛には変わりはないのですが、ダメージは大幅に軽減される気がします。
見てくださいよ、このドンブリのフチ。
このまま天日で干して、サラサラと集めたら、よくあるサイズの「一味」の瓶くらい回収できるのではないでしょうか。
普通のラーメンくらいの量は食べているのに、なかなか終わりが見えません。
その時です。ドンブリの底、先ほどまでなかった感触が箸先に伝わります。
創業以来、入っているという「お餅」です。
箸でちょっとつまめるサイズの餅ですが、常連さんはこれを楽しみにしています。
激辛の海の中で、宝物を探すような感覚でしょうか。見つけると、なんだかホッコリうれしくなります。
そして食べると、やっぱり辛くてもだえます。
そして……
マラソンのような、登山のような、そんな気分になるラーメンです。
自分を鼓舞し、なんとか完食しました。
こんなに頑張ったのは久しぶりです。
これだけ辛いにもかかわらず、味噌の芳醇さやごま油の香り、野菜の甘みを感じるのですから、すごい1杯です。常連さんが多いのも頷けますね。店主の馬場さん曰く、だんだん辛さに免疫がつくそうです。
最初は一口でギブアップした人も、徐々に強くなり、最後には完食するのだとか。
なんだか人間の「進化論」を聞いているようです。
ということで何とか勝利した、「激辛三平みそらーめん」でした。
※ 金額はすべて消費税込です。
お店情報
味の三平 神居本店
住所:北海道旭川市神居2条16丁目3-13
電話番号:0166-61-3312
営業時間:11:00~19:30(月曜日11:00~14:00)
定休日:火曜日(祝祭日は営業)
書いた人:
裸電球
北海道を拠点に食べ歩き。CATVでグルメ番組のレポーターを担当したことをきっかけに、ハシゴ酒が趣味となる。入りづらいお店に突撃するのが大好き。現在はフリーで、映像制作とライターの仕事をしている。 ブログ:「裸電球ぶら下げて」
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