学習院大学 鈴木亘教授 待機児童対策を考える (6月13日シンポジウム)

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6月13日 東京丸の内で開催される緊急公開シンポジウム「 待機児童対策を考える」について
学習院大学経済学部教授  鈴木亘氏

学習院大学鈴木亘です

この度、万年野党主催による緊急シンポジウム「待機児童対策を考える」が6月13日に開催されます。

パネリストは昭和女子大学グローバルビジネス学部の八代尚宏先生、NPO法人フローレンス代表の駒崎弘樹さん、そして私の鼎談となっております。驚くべきことに無料です、太っ腹なのでどしどし皆様おこしください。

さて、テーマの待機児童問題ですが皆様御存知の通り話題になっております。今現在認可保育所にはいれない子供がたくさんいるということです。昨年の10月現在で4万5千人くらい公式の統計では保育園にはいれていない、もう少し定義をかえると8万人程度いるのではないかと厚労省が発表しました。保育園には申込しないけれども自ら諦めてしまっている人を含めると80万人くらいいるので大変大きな問題ではないかということです。保育園に入れない子供はかわいそうなことですが保育園に子供を預けられないということはお母さんが働けないということですから労働人口が減っている日本においても大きな損失であり問題です。

以下書き起こし
保育園に子供をあずけようとするときの断られ方がこれまた理不尽な断られ方をします。これは社会主義における一種の配給のような仕組みになっておりまして保育サービスをうけたいとおもってもこれは配給のくじに当たらないと入れない。対策ができない。怒りがつもります、そして怒りがピークになってでてきたものが有名な話ですが「保育園落ちた、日本死ね」という匿名ブログです。2月15日に発表されて話題になりました。同じ思いをしている子育てママが非常におおいということでこれが非常に拡散され共感をされました。

折しも次の参院選のテーマになるだろうということで与野党が飛びつき一種のアピール合戦、大騒ぎになりました。どんな騒ぎかと申しますとどういうわけか「待機児童問題=保育士の給料が低い」ということになりました。これは本当かどうかはシンポジウムで話し合いたいと思いますが「保育士の給料を上げれば問題は解決だ」という話になってそうすると、バナナのたたき売りのごとく、「1万円上げます」「三万円上げます」「5万円上げます」「うちの党は10万円だ」というようなアピール合戦になってしまいました。またどういうわけか保育園に子供をあずけたり、もったことのない人たち、30年蔵前に子供を産んで苦労したので日本死ねとか原発反対とか安倍やめろとかわけのわからない主張もひっついてきて大騒ぎになりました。しかし、人の噂も七十五日といいますが、もう待機児童対策という話も下火になってきました。これは舛添さんの貢献も大ですがそれ以外にも下火になってきました。

これだけ参院選のテーマになると思われていましたが昨日の骨太方針の閣議決定、一億層活躍の閣議決定では保育士の給料の問題は2%、4000円引き上げるということで話が終わってしまうようです。しかも消費税引上げも先送りになりましたから財源すら用意できるかどうかわかりません。景気が良くなった分を使うといっても景気はどんどん悪くなってきていますから1万円!、3万円!、5万円!というセリのような状態が終わると4000円に戻ってきたという現状です。

もっとひどいことになってるのは保育園の待機児童の問題が大きくなってきて「とにかく保育園をつくろう」という話になったわけですが、千葉県の市川市はまわりの住民が「子どもたちがうるさいからやめろ」ということで作れなかったり、杉並区が公園の一部をつかって保育園をつくろうとしたところこれも住民が大反対して待機児童を持つお母さんが涙ながらに「公園に保育園を作らせてください」と住民集会が訴えているわけですが近隣のおじさんたちは「そんなの関係ないだろ!」とヤジを飛ばしているということでなかなか現実は厳しいことを思い知らされる今日このごろです。

一時期のお祭り騒ぎからは落ち着いてきていますが解決はしておりません。いまだからこそこの待機児童問題をどう解決するか建設的に話し合いましょうというのが今回のシンポジウムの趣旨です。保育士の給料をただ上げましょうとか、地域住民は迷惑施設と思っているなんてけしからんとか、ではなくそもそもこの待機児童問題はどうして起こるのか、またその背景にはどういうメカニズムがあって解決しないのか?どうしたら解決できるのか?こまったことに消費税も上げられませんからわれわれには財源がないわけです。そういう時代において知恵をつかってどうしたらお金をあまりかけずに解決できないかを話し合いたいと思います。

どういう結論になるのか三人とも打ち合わせしておりませんがそれぞれ人やアイデアをもつ連中、先生方ですので楽しみにご覧いただければと思います。議論にも参加していただいてせっかく待機児童対策も盛り上がったので これを一過性のお祭り騒ぎでおわらせないで次のあらたなステップに繋げてゆくよう建設的な議論をしたいともいますのでどうぞよろしくお願いします。

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