【議論】クラウドソーシングで大量生産される「コピペ記事」「薬事法違反記事」が問題視 / 体験せずに体験記事の執筆も

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企業がインターネットを介して仕事を依頼し、「できそうだな」と思った人が応答して仕事を引き受けるクラウドソーシングサービスが急成長している。特に記事を執筆する仕事(ライティング)は非常に人気で、信じられないことに100~500円といった低価格のライティングが星の数ほど発注されている。

・大手サイトでも問題だらけ
そんなクラウドソーシングで大きな問題となっているのが、「コピペ記事」、「薬事法違反記事」、「知ったかぶり記事」、そしてそられを含む「規約違反記事」である。クラウドソーシングの人気サイトと言えば「クラウドワークス」や「ランサーズ」だが、そんな大手サイトでもそれらの記事が大量に急募されており、大量生産され、インターネット上に吐き出されているのが現状だ。たとえば、それらの記事によって以下のような問題が生まれる。

・コピペ記事
他のサイトやブログ、SNS、ニュースなどから、引用の範囲を超えて大量に原稿をコピー&ペーストして作成した記事である。大手企業やサイト運営者が「簡単ほぼコピペ / キュレーションメディアの記事作成」などというタイトルでクラウドソーシングで大量に発注し、粗悪なコピペ記事がインターネット上に生まれている。

・薬事法違反記事
クラウドソーシングで特に多いのが薬事法違反にあたる執筆依頼。ざっと調べただけでも、水素水、サプリメント、健康食品、医薬品など、無知の素人に対して執筆依頼をしている発注が複数あった。そもそもお金をもらってレビューや推奨記事を書くのは「個人の感想」の範疇を超えるだけでなく、広告と一体とみなされるため、複数の理由で薬事法違反となる。

・知ったかぶり記事
健康や病気、デジタル、時事、あらゆる分野の専門的な記事がクラウドソーシングで発注されているが、健康や病気などの専門的な詳細記事の執筆依頼をしているにもかかわらず、「特に専門的な知識は必要としておらず、ネットで検索して分かる程度の情報で大丈夫」と書いて依頼しているクライアントがおり、「専門的な記事を素人が書いている」という恐ろしい状況になっている。

・規約違反記事
「クラウドワークス」や「ランサーズ」などのクラウドソーシングプラットフォームでは、厳しい規約が用意されており、そのルールに沿って仕事を発注しなくてはならない。しかしながら、上記のような執筆依頼が猛烈な勢いで大量発注されており、規約違反記事が生まれる温床となっている。

・体験してないのに体験記事
クラウドソーシングで特に悪質なのが「食べていないのに食べたかのような記事」を大量に発注しているクライアント。ネタは他のサイトから大量にコピー&ペーストが基本で、○選やランキング形式で紹介されるパターンが多い。しかしライター本人は食べてもいないし写真も撮ってないパターンがほとんど。当初は食べてないのに食べたかのうように書いていたため世間から猛烈なバッシングを受けたが、最近は巧妙になり、言い逃れできるように「食べた」「ウマかった」「美味しかった」などの表現は避けて執筆されている。

・そもそも何が問題なのか
クラウドソーシングは非常に可能性を秘めたサービスであり、たとえ1本100円の記事だったとしてもクライアントとライターで合意があるからこそビジネスが成り立っているわけで、その点に問題はない。しかし問題はその先にある。100円でもマトモな記事であればよいのだが、違法や規約違反だったり、信用できない粗悪な記事が大量生産されているのが問題なのだ。

今後、クラウドソーシングがどのように粗悪な依頼を葬っていくのか、注目していきたいところだ。この記事のイメージ画像はパロディっぽくしてあるが、将来、クラウドソーシングから「優良誤認問題」や刑事事件等の騒動が発生するかもしれない。

もっと詳しく読む: クラウドソーシングで大量生産される粗悪記事(バズプラス Buzz Plus) http://buzz-plus.com/article/2016/05/27/crowdsourcing-hidoi/

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