超多忙でも理想を叶える。築46年のお部屋をわずか3週間で大改造

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超多忙でも理想を叶える。築46年のお部屋をわずか3週間で大改造

住人の手による改装を許容する賃貸物件が増えています。DIY好きには気になるムーブメントかと思いますが、憧れはあっても、実際やるとなるとやっぱりちょっと躊躇してしまいますよね。なんかめんどくさそうだし、忙しくてまとまった作業時間もとれないし……。しかし、それもやり方次第。今回は多忙な日々をぬって短期間で理想の空間をつくり上げた、とあるカスタマイズルームを取材。そこには、タイトなスケジュールながらも妥協なくこだわりを突き詰めた、入居者さんの理想の空間が広がっていました。

築50年に迫る老朽化物件が、明るいイマドキ部屋へ

くだんの物件は、神奈川県川崎市にあります。JR南武線「武蔵新城」駅から徒歩3分の好立地ながら、築46年とかなりの年数が経過した物件。室内も一部内装が剥がれ、コンクリートの下地が露出するなど、入居前は結構な傷みが見られたようです。そこが入居者自身のDIYにより、いかに生まれ変わったのか?

ともあれ、まずはビフォー・アフターからご覧ください。【画像1】ビフォー。築古のわりにきれいではありますが、細部には傷みがみられ、内装や設備もどこか古めかしい印象(写真提供:入居者) 【画像1】ビフォー。築古のわりにきれいではありますが、細部には傷みがみられ、内装や設備もどこか古めかしい印象(写真提供:入居者)【画像2】アフター。グリーンを基調に、壁・床、インテリアのすべてを一新しています。見違えるように明るいお部屋に(写真撮影:森カズシゲ)

【画像2】アフター。グリーンを基調に、壁・床、インテリアのすべてを一新しています。見違えるように明るいお部屋に(写真撮影:森カズシゲ)

ご覧の通り、築46年の面影をまるで感じさせない、爽やかで明るいお部屋に仕上がっています。特に、緑と水色を基調に爽やかで優しい配色、こだわって選んだ輸入壁紙や木の板を張り合わせてつくった腰壁が印象的。女性の入居者らしくやわらかい雰囲気に包まれた、心穏やかに過ごせそうな空間ですね。

そのコンセプト、こだわりポイントについて、入居者の山岸さんにお話をうかがってみましょう。

「まず直したかったのは壁です。最初は土壁に塩ビタイルが張ってあったんですが、どこか暗くて古臭い雰囲気でした。なんとかしたくて大家さんたちとアイデアを出し合いながら、最終的にはとてもすてきな腰壁になりましたね。色もペンキで塗り替えています。あとは床を張り替えたり、壁に棚をつけたり、大きなダイニングテーブルも手づくり。林業をしている知人から杉板を8000円くらいで譲ってもらって、近所のDIY工房で仕上げています。こういうテーブルって普通に買うと数万円はすると思いますが、材料費込みで1万円ちょっとでできちゃいました。ほかにはキッチンの戸板や取っ手をかわいいものにしたり、トイレのクロスも温かみのあるものに変えています。全体的に明るく、今風の部屋になったかなと思います」

作業期間は1カ月足らず。協力者のサポートで理想の部屋を完成させた「巻き込み力」

なるほど、随所にこだわりが垣間見えますね。でも、そこまでやるとなると、ものすごい大変そう。よっぽど時間に余裕がある人じゃないと難しそうですが……。

「じつは私自身、時間が有り余っていたわけではなかったんです。今もですが、札幌でも仕事をしていて、神奈川のこの家との二拠点生活をしながらカスタマイズを進めなくてはいけなかった。でも、だらだら時間をかけたくはなかったので最初に完成日のゴールを設定し、短い期間でやろうと決めたんです。私のように追い込まれないとなかなかやらないタイプは、周囲にも『いつまでに完成させる』と宣言して、自分にプレッシャーをかけるのがいいと思いますね」

結果、なんと改修期間は実質3週間程度。驚くべきスピードですが、時間がないからこそ最初にゴールを設定し、綿密なスケジュールを切り、さらには多くの仲間を巻き込んで、一気にパワーを注入したそうです。

「ここの大家さん自体がDIY用の建材や工法などにも精通されているので、私のぼんやりとしたアイデアを形にするための具体的なアドバイスをいただけました。ほかにも知人や妹などに手伝ってもらえたのが大きかったです。誰に何をやってもらいたいか、私が全体のスケジュールを細かく切って。あと、一人だと寂しくなるから(笑)、できるだけ誰かと一緒に作業をするように計画を立てましたね。これもモチベーションを維持するために大事なことかもしれません」【画像3】こちらが山岸さんこだわりの新しい腰壁。べニア板を造作したシンプルなものですが、部屋全体に清潔感と木のぬくもりを与えています(写真撮影:森カズシゲ) 【画像3】こちらが山岸さんこだわりの新しい腰壁。べニア板を造作したシンプルなものですが、部屋全体に清潔感と木のぬくもりを与えています(写真撮影:森カズシゲ)【画像4】キッチンは既存のものを使用していますが、戸板を張り替えるなどひと工夫。こちらもずいぶん印象が変わりました(写真撮影:森カズシゲ)

【画像4】キッチンは既存のものを使用していますが、戸板を張り替えるなどひと工夫。こちらもずいぶん印象が変わりました(写真撮影:森カズシゲ)

特に山岸さんが長けていたのは仲間を引き込む、いわば「巻き込み力」。ただサポートをお願いするだけでなく、周囲が自発的に、楽しんで参加したくなるような仕掛けも講じています。例えば、室内の手づくり家具の多くは、地元の工房でワークショップを開き、DIY家具に興味がある有志を募って1日で完成させたものだったりします。

「家具づくりに興味のある人をSNSで募って、最終的には20人以上が参加してくれました。ダイニングテーブルを組み立てたり、塗装したり、既製品のスツールに輸入クロスを張ってかわいく仕上げたり、1日でほとんどの家具が完成しましたよ。イベント化するなら基本的な加工は前もって準備しておいて、参加者に楽しんでもらえる部分を残しておくのがいいと思います」【画像5】20人以上が参加したワークショップの模様(写真提供:入居者)

【画像5】20人以上が参加したワークショップの模様(写真提供:入居者)

なるほど、いかに多忙でも、時間がなくても、工夫とやる気次第でどうにかなるもんです。ちなみにスケジュールだけでなくコスト面もかなり圧縮していて、自己負担分は家具づくりのための木材、塗料、インテリア、観葉植物など約12万円だったそう。床材と壁紙の費用を大家さんが負担してくれたこともあって、かなり安上がりですね。

最終的に30人ほどの協力者を得た山岸さんのバイタリティは相当なもので、なかなか真似できそうにありませんが、まずは周囲の友人たちから巻き込んでチャレンジしてみるのがいいかもしれません。●SUUMO「仲間と楽しく初DIY体験。築46年の1DKを明るいSOHOに」
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