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’91 VOLKSWAGEN GOLF GLi【~名車への道~】

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▲1983年から92年まで発売された2代目のゴルフ。初代からデザインやコンセプト、基本性能を受け継ぎ、さらに進化させたその実力は世界中から実用車のベンチマークと絶賛された。故徳大寺氏が当時の日本車と比べて、その質感、走りを絶賛したことでも広く知られている。その実力は現代でも十分通じ、今なお国内外に多くのファンを抱えている。カントリーやジェッタ、シロッコといった派生モデルも多数用意されていた

ボディのあらゆる箇所から品質の高さを感じさせる

EDGE:さて、今回は特集がVWなんです。それでようやく念願のゴルフ2にしようと思うんですよ。

松本:なかなか良い個体がなくてずっとできなかったんだよね、ゴルフ2は。若い頃に乗ってたよ、ゴルフGLE。

EDGE:本当ですか? 初めて聞きましたよ。ゴルフ1ですか?

松本:そうだね。品川57のナンバーで63ー68だったかな。スモールテールランプで、3速ATだったよ。

EDGE:中古で買ったんですか?

松本:新車で購入したのをずっとそのまま乗っていたんだけどね。サンルーフ付きで、色はワインメタリックだった。作りは素晴らしかったんだけど、トランスミッションを載せ替えたり、インジェクションが壊れたりして、それで手放したんだ。あの当時のゴルフはドアを開けたときの鋼板が厚くて、骨格は問題なかったけど、メカニカルトラブルは結構あったかな。

EDGE:じゃあ詳しいですね。でも松本さんにゴルフっていうイメージないですよね。

松本:当時自分で直せるところは直したけど、機械式のインジェクションは直せなかった。まだ21歳くらいだったかな。3速ATはDレンジに入れて信号待ちのときなんかは、振動が凄くてさ。当時のドイツ車はATなんかにウエイトをおいてなかったんだろうね。

EDGE:今回はゴルフ2なんですけど大丈夫ですか?

松本:もちろん。僕も新車でゴルフ2を購入しようと思って世田谷のヤナセに見に行ったんだ。シュトルツっていう限定車でさ。色はシャンパンゴールド、シートが黒のレザー仕上げでなかなか良かったけど、67年の911Sに変わっちゃってね。分かれ道だったな。

EDGE:あ、こちらのお店です。この車ですね。91年式のゴルフ2 GLiなんですけど、なんとワンオーナー車です。

松本:状態がイイね。ホイールもオリジナルだよ。ゴルフ1ではブレーキダストが表に出てホイールが黒ずんじゃったけど、ゴルフ2のスチールホイールは汚れにくくていいなぁっと思ったよ。何となくホイール自体が可愛いしね。

EDGE:内装もシンプルで素敵ですよね。

松本:そうだね。このダッシュパネルはゴルフ1から継承されているんだよ。この当時、サンタナというモデルがあったんだけど、それとも似ているね。当時は様々なデザインを車種によって投入するのではなく方向性を決めていたんだろうね。

EDGE:ドアの立て付けとかやっぱり凄いですよね……。

松本:ゴルフ1は人海戦術で作られていたけど、ゴルフ2からはHall54というロボットアッセンブリーラインを導入していたんだ。これは凄く新しい考え方だった。当時、日本でもスポット溶接のロボット化が進んでいたけれど、ゴルフ2はドライブトレインとサスペンションをサブフレームと一緒にボディに取り付ける。それをロボットがやっていたんだ。現在では当たり前のようにやっていることだけど当時としては斬新だったと思うよ。ボディの精度が良いからロボットでも組み付けられるんだ。ドアの閉まり方なんかポルシェの930みたいだよね。考えてみれば930ボディも89年まで作っていたからVWとどこかしら同様な考え方はあったかもね。

EDGE:なるほど。そういえばゴルフ2を後ろから見たときにトランクリッドの下の方が汚れている車をよく見かけたんですけど、あれって何だったんでしょうかね。

松本:あれは防錆処理のワックスが溶けて出ているんだよ。だからゴルフ2からは錆びにくいんだ。僕が乗っていたゴルフ1も錆びなかったけど、さらに防錆処理を完璧にしたのがゴルフ2なんだ。ドアの内側なんかベージュのワックスがべっとり付いていたもんね。

EDGE:なるほど……。

松本:この鋼板をふんだんに使ったワンプレスドアもイイね。折り目もきっちりしてる。VWの品質が本当に伝わってくるよ。こういった企業努力がエンジニアリングから伝わる車なんだよね、ゴルフは。

EDGE:エンジンとかってどうなんですか?

松本:GTIが積んでいた16Vなんかは派手だけど、この車のエンジン自体は地味な印象が強いよね。でも素晴らしいエンジンなんだよ。燃焼室はコンパクトに作ってあって、カムシャフトはSOHCながらバルブを直接動かすタイプなんだ。鋳鉄製のブロックは強度が高くてレース用にかなり使われたんだ。外観は地味でも本質はしっかりとした作りにする。それがVWが作ってきた嘘が許されないエンジニアリングだと思う。

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スピニングガレージtext/松本英雄

photo/岡村昌宏

※カーセンサーEDGE 2016年6月号(2016年4月26日発売)の記事をWEB用に再構成して掲載しています

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