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天草エアラインの社長こそ中小企業の社長のあるべき姿だ 【矢島雅弘の「本が好きっ!」】

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『矢島雅弘の「本が好きっ!」』第9回のゲストは、『天草エアラインの奇跡。赤字企業を5年連続の黒字にさせた変革力!』(集英社/刊)を出版された鳥海高太朗さんでした。

実は、僕はこの本を読むまで「天草エアライン」という会社を知らなかったのですが、今回の本で興味を持ち、たくさんのお話を伺ってきました。天草エアラインについて詳しくは、インタビュー音声をお聞き頂ければと思います。

実は、今回鳥海さんにお会いするにあたって個人的に聞きたかった事がありました。それは、航空・旅行アナリストである鳥海さんに「航空会社」の経営やビジネスについて「一般論」です。

まず、航空会社に一番必要なものは? と聞いてみると「それはもちろん、安全です。次に定時運行でしょうね」と即答して頂きました。

たしかに、飛行機を1機しか持っていない天草エアラインですら、安全…つまり、整備には力を入れていましたし、定時運行の可否が、会社の業績を左右していたと言っても過言ではありません。

「では、航空会社とは、華々しいサービス業のイメージが強いものの、本質的にはインフラを提供する会社ということなのでしょうか?」。そうお聞きすると「はい、その通りです。航空会社はインフラであることが第一義だと思います」とのお答えが。

うーむ。しかし、そこで気になることがあります。インフラの会社であるならば、飛行機の数は多いほうが、サービス面でも利益面でも戦略面でも良いはずです。「本書で取り上げられている天草エアラインは1機しか飛行機を所有していないではないですか?」と鳥海さんに聞いてみると「そうなんです。定期便を運行している航空会社で1機しか所有していない会社は、世界でも類を見ないでしょうね」とのこと。

なるほど、世界でも類を見ない稀有性。これこそが、天草エアラインが注目に値する会社たらしめている一つなのでしょう。

鳥海さんは本書を執筆するにあたり、数年前から天草エアラインを取材されてきたそうですが、中小企業である天草エアラインの強みは、五十数名の社員全員が「社長視点」で「他部署のことも理解」し、「必要とあらば他部署を手伝う」チームとしてのパワーだと言います。これは社長自身にもあてはまり、社長といえども、手が空いていれば荷物の積み運びや清掃を手伝うのだそうです。

さらには、インフラである航空会社が「天草エアラインに乗ること自体が観光」と、観光資源そのものになり、その立場を利用してメディアとしての役割を持つにまで至った、と本書では述べられています。

「こういった天草エアラインの成長の仕方は、大手航空会社にもできるのでしょうか?」という質問に対して鳥海さんからは、「(大手では)できないでしょうね。大手では飛行機で移動する、という事は当たり前のこととしてお客様が捉えているはずですから」と答えていただきました。

大手ではできないが、中小企業だからこそできたという天草エアラインの戦略、さらに「天草エアラインの社長こそ中小企業の社長のあるべき姿」とまで評されるその活躍ぶりを、皆さんもぜひ注目してみて下さい。

(文/ブックナビゲーター・矢島雅弘)

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【矢島雅弘の「本が好きっ!」】
ブックナビゲーター・矢島雅弘による書評ラジオ。毎回、話題の本の著者が登場して、本について掘り下げるインタビューを届ける。
オーディオブック配信サービス・FeBeにて無料配信中。http://febe.jp/honga

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