【連載】あなたの知らないリアルなニューヨーカー/第5回「NYCの食は僕たちが支えている」
ニューヨーク在住、TABIZINEライターの青山沙羅です。あらゆる国から人が集まっている、ニューヨーク。この街には集まった人の数だけ、異なる人生があります。世界の大都会を輝かせているのは、この街を目指した人々の希望、絶望、涙、吐息。筆者の心に残る、忘れられないニューヨーカーたちとの出逢いを語ってみましょう。絵空事ではない、あなたが知らないリアルなニューヨーカーとは。
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NYで生きていければ、世界中のどこででも生きていける
週末のクラスに、いつものように11時頃入ってきたのはワン(王)君。
授業開始から2時間も経っているので、すでに空いている席はないのですが、手慣れた様子で隣のクラスから自分の椅子を運んできました。
「ミスター・ワン、また今週も遅刻ね!」と先生が叫ぶのも、毎週のこと。そして、自分の席に座って10分もしないうちに、熟睡しているのもいつものことなのです。
中華レストランで働く毎日
彼が座った途端に居眠りするのも仕方のないこと。平日はマンハッタンにある中華レストランのキッチンで、日に15時間以上も働いているのですから。
中華レストランはほとんどが無休、朝早くから深夜まで営業しているところが多いので、忙しいニューヨーカーにはピッタリ。朝粥から、手軽に家で食べられるTo Go(持ち帰り)、夜遊びした後の小腹を満たせるなど使い勝手が良いのです。
1日15ドルの家賃
1日の大半をレストランで働き、食事は店でまかないを食べ、家は寝に帰るだけ。多い時には、日に20時間も働くといいます。家賃の高いニューヨークでは、独身者は住居をシェア(共同で生活すること)している人がほとんどですが、彼もその一人。
「君たちには、僕の生活は想像できないよ」と頭を振りながら語った彼の生活とは、
「家には寝に帰るだけ。1部屋を10人以上でシェアしているけど、ルーメイトは全員飲食店勤務。シフトが違うので、時間差で寝ている。」
「家賃は1日15ドル。」
家賃が日割りとは、何とも中国らしく合理的。ひたすら働く日々なので買い物する時間もなく、個人の荷物はほとんどないそうです。
多くの中国人はこうやって働いて、店を開く
何とも凄まじい生活です。
「若いから出来るんだよ。年をとったら無理。」
「働く時間が長いから、月に5000ドルは稼いでいるよ。」
「アメリカに来る中国人は、こうやってお金を貯めて、自分のレストランを開くのさ。」
疲れているであろうにも関わらず、夢を語る彼の目は生き生きとして、輝いていました。
世界最大級のチャイナタウン
NYCマンハッタンにあるチャイナタウンは、世界最大級であり、何千何百もの飲食店がありますが、ワン君のような人たちが食を支えているのです。
しかしながら、身体を酷使する生活のため、若死する人が多いとも言われます。
【連載】あなたの知らないリアルなニューヨーカー/第6回は、5月9日月曜日にお届けいたします。
(C)Hideyuki Tatebayashi
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