LCCで気軽にフィリピンの旅はいかが? ~観光編~
東南アジアの観光地と問えば台湾やタイ、シンガポールや香港が定番と言える目的地だ。
多くの人が訪問すれば団体旅行での運賃単価が下がり、さらに行きやすくなることは資本主義の摂理と言えよう。
しかしLCC(ローコストキャリア)の登場からしばらくたち、どこへ行っても大した違いはない運賃になってきている。
そこで、ジェットスタージャパンとフィリピン政府の協力を得て、マニラとその周辺を回ってきたので、交通編・観光編・宿泊編とカテゴリー別にレポートする。
フィリピンはセブ島など著名な観光地はある。しかし、治安の不安や昔からのイメージが先行し、他の定番国と比較して日本人観光客が少ないのが現状だ。
そんなこともあって、あえてフィリピンに行き、観光ガイドブックに載っていないことも含めてレポートする。
本稿は主に観光や食事に関する事項ついて記述することにする。
参考記事
LCCで気軽にフィリピンの旅はいかが? ~交通編~
https://getnews.jp/archives/1450590
もはや世界中で困ったときのコンビニ。
フィリピンも例外ではない。
ところで、この国で最も多いコンビニはミニストップだという。
店内では日本製のビールもちゃんと売られているのでどうしても飲みたい方は購入可能だが、フィリピンブランドのサンミゲルも結構美味いので、安いローカルビールもおススメだ。
ここはフィリピンで最も重要な記念碑があるリサール公園。
名称の由来はホセ・リサールというフィリピン独立の英雄から来ている。
スペイン植民地時代に非暴力による緩やかな独立を掲げていたホセは、最終的にスペインによってこの地で処刑された。
衛兵に守衛された記念碑は、全ての道はローマに通ず、日本の道はお江戸日本橋が起点になっているのと同様に、フィリピンではこの地が距離の起点になっている。
公園は広大なもので、市民の憩いの場所になっている。
観光地なので、馬車が客を求めて蹄(ひづめ)の音を響かせながら走っている。
サンチャゴ要塞付近はスペイン時代の建造物や街並みがそのまま残っている地域で、まるでヨーロッパに来たような錯覚を覚える。
スペイン植民地時代、短い日本統治時代を通して悲しい歴史の舞台となった場所だが、美しい街並みがせめてもの救い。
城郭に囲まれた堀は静かなたたずまいを見せている。
この洋館はポーランド大使館だという。日本大使館や米国大使館と比較すると何とも警備がゆるい大使館。
土産物屋が同居しているのが信じられないが、これも現実。
マニラ大聖堂もスペイン時代に建てられたが、現在のものは第二次大戦後に再建されたもの。
こちらはマニラで唯一の世界遺産であるサン・アグスチン教会。
世界遺産である「フィリピンのバロック様式教会群」のうちの一つで、フィリピンでは石造のもっとも古いカトリック教会。
1570年代に建造され、現在でも教会として使用しているが、その豪華絢爛(けんらん)たるや目を奪われる。
写真の天井はガイドさんいわく「2D、2D!」と叫んでいたが、要するに彫刻ではなく絵画だと言いたかったようだ。
まことに見事だ。ストロボをたかなければ撮影は自由。
旅行者はめったに来ないローカルのフルーツ市場は、現在新しい建物を建設中で、それまでは露店で営業しているとのこと。
外国人があまり来ないこういう場所では、色とりどりのフルーツに目を奪われて、スリやひったくりにあわないように注意したい。
City of Dreams Manilaというショッピングやカジノがある複合施設内に、米ドリームワークスと開発したDREAM PLAYというアトラクション施設がある。
ドリームワークスのアトラクション施設は世界中でここだけとのことで、人気は高い。
面白いのが、完全に子供向けの施設であるため大人の入場料金の方が安いということだろう。
アトラクションだけではなく、レストランや写真のようにワークショップも開催されている。
その模様の一部を動画でお伝えする。
■DREAM PLAY ~City of Dreams Manila~
https://youtu.be/B8B_LrAIsGc
パパやママは子供を見守りながらエアコンの効いたカフェで休んでいても、各アトラクションにはスタッフが付いているので安心だ。
ここで、フィリピンのカジノについて触れておく。
多くの国のカジノは外国人専用で、当該国民は立ち入れないことが多いが、フィリピンではそのような制限はない。
誰でも気軽にカジノを楽しめる場所として意外とどこにでもある印象だ。
さしずめ日本でいうところの、郊外の大型アミューズメント施設をさらにでかくしたようなゲームセンターのような雰囲気だ。
それこそ5000円もあればそこそこ楽しめるレートの卓もあるそうで、カジノをかじるには最適の国であると言えよう。
それとカジノの活用方法のもう一つは、外貨両替だ。
街中の両替商が最もレートが良い場合が多いが、深夜に到着して治安面で出歩くのが不安な場合はカジノに出向くとよい。
24時間営業のカジノは、ホテルよりも断然良いレートで両替してくれるからだ。
もし、宿泊しているホテルの中にあるいは近くのホテルにカジノがある場合は、迷わずそこで両替するといいだろう。
勢いあまって手にしたフィリピンペソをカジノで使い切ってしまわないように。
市内の大型ショッピングモールでは、日本語の看板も多い。
「大きい」と書いてあるのだが、何が大きいのかよくわからなかった。
アジアでは日本語が書いてあればそれだけでブランドなので、こういうことは良くおこる。
ちなみに、のぞいてみると和食店だった。
東京ではおなじみ「名代富士そば」もマニラにはある。
このショッピングモールでは間もなくオープンするとのこと。
吉野家もあるので、食事の選択に困ったら大型ショッピングモールに足を運ぶのも考慮したい。
マニラ市内を見る限り、もはや発展途上国とは言えない建設ラッシュで、そのパワーに圧倒される。
マニラから車で2時間ほどのタガイタイに行ってきた。
当地は標高634メートルでとうきょうスカイツリーと同じ。
それはともかく、フィリピン有数の避暑地だ。
二重カルデラの美しい湖を眺めることができるので、観光地が比較的少ないマニラ周辺では検討して損はない場所だ。
そこでノーチャースパという施設でマッサージ体験をした。
スパとはいえ、温泉があるわけではなくトラディショナルマッサージを受ける。
東南アジアでは有名なタイの古式マッサージとは違い、やさしいゆったりとしたマッサージだった。
あらかじめ問診票のような書類に重点的にマッサージをしてほしいところや、既往症などが聞かれそれに沿って施術してくれる。
宿泊もできるので、自然を満喫しながら体を休めるには最適な場所だろう。
ここでの食事はすべてオーガニック。
フィリピンの料理は東南アジアに多い辛いものはほとんどなく、どちらかというと甘い。
余談だが、フィリピン滞在中にどこで食べても美味しかったのはスイカ。
水分補給には水やジュースもいいが、スイカから取るのが一番だと思ったくらい美味しかった。
大皿に乗った料理を自分の小皿に取り分けて食べるのがフィリピン流。
その後、ここで食べる食材を栽培する農園を見学した。
ミミズすらここで育てているので、完全なオーガニックだ。
体に良い様々な野菜や果物をその部位ごとに区画して栽培しているのが印象的だった。
タガイタイからの帰りのバスから見た光景。
高速道路周辺に広がる水上家屋。
水辺にはスラムが広がるが、これも現実。
貧富の差が激しいのはどこの国でも同じ。
それでも明るく陽気なフィリピン人には美しい夕日は等しく明日への活力となるのだろう。
マニラ市内のBGCと呼ばれる地域は特に美しく、治安もよく高級ブランド店が立ち並ぶ一角。
その中で庶民的なマーケットはぜひとも行っておきたい散策と買い物スポットだ。
フィリピンでは、大型施設やホテルでは例外なくセキュリティチェックがある。
金属探知機はもちろん、カバンの中もチェックされる。
「原色」豊かなシャーベット状のドリンク。
こういうのは日本にはないので見ているだけでも楽しい。
秋葉原の携帯ショップのような雑貨も露店で売られている。
自家用車の展示もされていて、日本車も多く並ぶ。
というよりも、街を走っている自動車はほとんどが日本製。
フィリピンの人に聞いてみると、欧州製高級サルーンは別として一般的な車は日本車に限るとのことだった。
欧米では比較的売れている印象がある韓国製は即座に「ダメ」と言われる始末だった。
面白いものを見つけた。
サムスンブランドと思われるモバイルバッテリー。
50000mAhというとんでもないシールが貼られてあったが、絶対にそんなことはないはず。この容積と重量で50000mAhの容量があるのなら二次電池革命と言えよう。
それでも、充電器とUSBファンとLEDランプがおまけに付いて300フィリピンペソという激安だったので、面白くて買ってしまった。
後で実際に使用してみると案の定5000mAhもないだろうと思われたが、それでも300ペソならいいかと思ってしまうのがフィリピンの良さ。
サロンと呼ばれる巻きスカートの一種を探していたのだが、案内してくれたフィリピン政府のジェンマさんがその使い方を実演してくれた。
彼女はもちろん政府のお役人だ。
女性が使うものだと思われがちだが、そんなことはない。この写真のスタイルは女性向けだが、使い方次第。
腰に巻いて使う例。これは男性でも使える。
水着の上からという想定。
肩から掛けて…。
首に巻いて…。
頭に巻いて帽子代わりに。
デパートで280ペソ。
デパートでは売り場で買うことを店員に伝えると、伝票を切ってくれるのでこれを持ってレジで支払う。
ちょっと面倒な仕組み。
紙袋に丁寧に入れてくれるが、レシートは袋にステープラーで止められる。
何を買ったのか一目瞭然だが、バレバレという面も。
ビビンカという米粉で作られたお菓子。
もっちりとした生地は食べごたえ十分で香ばしい。
ココナッツが大量に添えられているので、好みで振りかけて食べる。
いろいろなバージョンやトッピングがあり、立ち寄るカフェで食べ比べてみてもいいだろう。
観光地はさほど多くないフィリピンだが、街の散策やローカルな買い物、カジノに多彩な料理。
おひとり様でも、グループでも、もちろん家族連れでも海外旅行と肩ひじ張らずに気軽に楽しむことができる印象だった。
運賃の安い日を探して、試しに行ってみて損はないディスティネーション(目的地)だろう。
※写真はすべて記者撮影
取材協力 ジェットスタージャパン・フィリピン政府観光省
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(執筆者: 古川 智規) ※あなたもガジェット通信で文章を執筆してみませんか
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