どんどんお代わり! 岩手県名物わんこそばのルーツ

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「ハイ、どっこい。じゃんじゃん」というかけ声とともにお給仕さんがお椀にひと口量のそばを放り込み、食べるとすぐにまたそばを放り込まれて、満腹になるまで次々と食べ続ける岩手県名物のわんこそば。お椀にふたをすることが「ごちそうさま」の合図ですが、このタイミングがなかなか難しく、うまくふたをできずに食べ過ぎてしまったなんていう話もよく聞きますね。食べたお椀の数を競うイベントや競技会が数多く催されていることもあり、早食いや大食いのイメージが強いわんこそばですが、このユニークなスタイルが生まれた理由にはいくつかの説があります。

ひとつは江戸時代に始まった「そば振る舞い」です。岩手県では昔からそばの栽培が盛んで、冠婚葬祭などで大勢の人が集まったときにそばでおもてなしをする「そば振る舞い」という風習がありました。この「そば振る舞い」では、人数分のそばを一回で茹でることができる大きな鍋がなかったため、全員に茹でたてのそばが行き渡るようにそばを少量ずつにして振る舞い、次々とそばを茹でてお代わりをしてもらっていたのです。これがわんこそばの起源になったと言われています。

その他の説には、江戸時代に南部の殿様だった南部家第27代当主の利直がわんこそばのスタイルを作ったというものがあります。それは利直が江戸に向かう際、現在の花巻市鍛冶町の宿屋に立ち寄って食事をすることになったときのことでした。宿の主人が「お殿様に失礼があってはならない」という思いから、上品に見えるよう漆塗りのお椀に少量のそばを盛りつけて出したところ、利直はこれを大変に気に入って何杯もお代わりをして大喜び。これが藩内で評判になり、少量のそばを何度もお代わりするという食べ方が流行って現在のわんこそばが生まれたというのです。

このような諸説ある中で正しいわんこそばの起源ははっきりとわかっていません。いずれにせよ、おもてなしの気持ちから生まれたスタイルということに間違いはなさそうです。早食いや大食いも楽しいですが、ふたをするまでゆっくりとそばの味わいを楽しむのもいいのではないでしょうか。

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